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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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1105/1110

絶対奴には渡さない

 りゅーちゃんを公園に連れて行って遊ばせ中。りゅーちゃんは最初は砂場をスコップで掘りまくっていたが、早々に飽きたらしく、「しゅべりだいしゅべる!」と滑り台に走っていってしまった。俺はりゅーちゃんが高所から落ちないように支え、りゅーちゃんはそんなこと気にせず何回も登って滑り。

 暑いので、俺はタイミングを見て、「休憩! 麦茶飲もうか!」とりゅーちゃんを捕まえた。


「もっとしゅべる!」

「麦茶飲んだらまた滑ろうね」


 りゅーちゃんに水筒の麦茶を飲ませて、俺も喉が渇いたので麦茶を飲んで。俺が飲んでる隙に、りゅーちゃんは「ぶーぶーいゆ!」と公園の外に停まっている車の方へ走っていってしまった。しまった!


「こら! 車危ないよ!」


 追いかけようとしたら、車のドアがいきなり開き、40過ぎの男性が出てきて、なんとりゅーちゃんの手を思い切り引いて車に引きずり込もうとした。

 りゅーちゃんはびっくりしてもがいたが、男は「来い!!」と叫んで、なおりゅーちゃんを引きずる。俺は肝をつぶして駆け出し、りゅーちゃんは「やー! おじちゃん! おじちゃん!!」と叫んだ。

 すると、バッチーンと音がして、男性はふっ飛ばされた。りゅーちゃんは大泣きし、俺に駆け寄ってしがみついてきた。


「おじちゃん! おじちゃん!!」


 俺は慌ててりゅーちゃんを抱き上げ、男が起き上がってきたのですっ飛んで家に逃げた。

 坂を駆け登ったのでヒイヒイ言いながらバッと玄関を開け、千歳が『どうした!?』とびっくりするので俺はハアハアしながら言った。


「りゅ、りゅーちゃんが攫われそうになった!」

『ええ!?』

「お、お守りの防御で弾かれたからその隙に逃げてきたけど……」


 りゅーちゃんは大泣きして言葉にならない。緑さんが血相を変えた。


「その攫おうとした人、40過ぎくらいのやたら顔がいい男じゃありませんでした!?」

「そ、そんな感じです」

「春太郎だ……!」

『ええ!?』


 緑さんは俺に詰め寄った。


「撒きました!? 今あいつどうしてます!?」

「りゅ、りゅーちゃんのお守りに弾き飛ばされてだいぶ飛んでって、とっさに逃げたんでよくわかりません」

「身から出た錆……!」


 緑さんは頭を抱え、大きくため息をついて言った。


「……後の始末はしておきます、春太郎にはもう絶対にりゅーちゃんに関わらせません、約束します」


 千歳は心配そうだ。


『大丈夫か? 髪束で黙らせられるか?』

「各所に配って数の力で黙らせる。やるわ」


 緑さんは奮然と帰っていき、しかしりゅーちゃんは俺にしがみついて泣き止まなかった。相当怖かったんだろうな……。


「よしよし、もう怖くないからね、怖い人はもう来ないからね」

『怖かったなー、もう大丈夫だからな』

「ひっ、ひっ……」


 2人であやすも、なかなか泣き止まない。そのうちりゅーちゃんは泣き疲れて寝てしまい、俺はりゅーちゃんをそっと布団に寝かせた。りゅーちゃんの頬に残った涙の筋を見つめる。こんな……こんな小さな子を、いきなりさらって車に押し込めるようなことするだなんて。

 俺は、普段あんまり怒ることはない。だけど、今は別だった。


「千歳」

『なんだ?』

「俺、朝霧春太郎には絶対りゅーちゃんを渡さない。こんなに怖がらせる奴に渡すなんて、絶対にあり得ない。りゅーちゃんは、ちゃんとかわいがってくれる人にしか渡さない」


 ふつふつと湧き上がる怒りを込めてそう言うと、千歳は、『あの、それなんだけどさ……』と言い出した。

 そして千歳は、緑さんからの頼みを話してくれた。うちでりゅーちゃんを引き取ってくれないか、ということ。

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