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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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番外編 金谷千歳と引き取り先

 緑さんから連絡があった。りゅーちゃんが誰のところでも暮らせるようになったから、りゅーちゃんの引き取り先について、まずワシと一対一で話したいんだって。

 りゅーちゃんを寝かしつけた後の和泉に話したら、「そっか……この時が来たか……」と肩を落としていた。


『寂しいよな……』

「まあ、いつかは来ることだったからね……一対一? いつもの喫茶店かどっかで話すの?」

『まあそれもいいんだけど、りゅーちゃんがいると家でいろいろやることあるから、あんまり長く外出たくないんだよな』

「じゃあ、緑さんにはうちに来てもらって、その間、俺とりゅーちゃんはしばらく外遊びしてるとかどう? 午前の早いうちなら、まだそこまで暑くないしさ」

『じゃあ、それで』


 そういう訳で、緑さんが来る日。和泉はりゅーちゃんを公園に連れ出してくれた。それから緑さんが来て、上がってもらってお茶を出したら、緑さんは開口一番「お願いがあるの」と言った。


『うん、何?』


 すると、緑さんはすすっと座椅子を離れ、なんとワシに土下座した。


「りゅーちゃんを引き取って欲しいの! 千歳ちゃんの養子にして欲しいの!!」

『ええ!?』


 ワシはびっくりした。


『ちょっ、ちょっと顔上げてくれよ緑さん! 話がよくわかんないよ!』

「それはそうだと思うけど、でも私のわがままなの! 千歳ちゃんしかいないの!」

『とりあえず、理由を話してくれよ』

「うん……」


 緑さんは顔を上げて、話してくれた。


「春太郎がね……なんとかしてりゅーちゃんを引き取ろうとしてるの。でも……私は許せないの。自分でもびっくりしてるんだけど、自分がそこまで子供にこだわりあると思ってなかったんだけど、でも許せないの。私は自分の子供を抱けなかったのに……春太郎が自分の子供を抱けるなんて、どうしても許せないの」

『…………』


 緑さんは、旦那の朝霧春太郎にウイルスを移されて、それで子宮のがんになって、子供を産めない体になった。それは……そうなるよな。

 緑さんは言葉を続けた。


「私、この件で自分の発言力を高めるために、できるだけすべてのことに関わってきたの。だから、私が強硬に反対すれば春太郎がりゅーちゃんを引き取るのは防げるはず。でも、りゅーちゃんくらい霊力が高い子はどの家だって欲しがるし、どの家も黙らせられるのは、千歳ちゃんだけなの」

『ワシがりゅーちゃんを引き取ると、丸く収まる?』

「そう」


 そうなんだ……。

 どうしようか、ワシはりゅーちゃんがいなくなったら寂しい。和泉もりゅーちゃんにいてほしいみたい。じゃあ、うちで引き取ってもいいんじゃないか? うーん、でも一応、和泉とちゃんと話し合ってからだな。


『えっとさ、ワシも和泉もりゅーちゃんにうちにいてほしいけど、和泉とちゃんと話し合ってから正式に返事するんでもいいか?』


 そう返事すると、緑さんは頷いた。


「それでお願い。りゅーちゃんを育てるお金は、私が貯金全部吐き出すから」

『いいよ、金欲しいからりゅーちゃんにいてほしいんじゃないもん。それにワシ、そこそこ金持ちなんだぞ?』


 ニッと笑ってそう言うと、緑さんは「そう」と、やっと少しだけ微笑んだ。


『あとさ、霊力欲しい家を黙らせるのにちょうどいいのあるから』

「何?」


 ワシは、脱衣場の棚の奥にしまっておいたりゅーちゃんの髪束を持ってきた。


『これ、りゅーちゃんが多分生まれた時からずっと伸ばしてた髪』

「取っといてくれたの!?」

『うん。りゅーちゃん、家同士の取り合いに巻き込まれるだろうって思ってたからさ、こういうの作っといて、うるさいこと言ってくる奴に渡せばある程度黙るかなと思って』


 ワシは、短く切りそろえた時の髪も合わせて、緑さんにりゅーちゃんの髪を全部渡した。


『だから、緑さんにうるさく言ってくる奴を黙らせるのに使ってくれよ、これ』


 緑さんは涙ぐみ、「ありがとう……」とつぶやいた。


「ちゃんと使わせてもらうわ、乱用はしないけど、絶対に役立てるから」

『うん、緑さんなら大丈夫だって思ってるからさ』


 その時、荒々しく玄関が開き、大泣きしてるりゅーちゃんを抱いた和泉が飛び込んできた。すごく息を弾ませている。


『どうした!?』

「りゅ、りゅーちゃんが攫われそうになった!」

『ええ!?』

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