番外編 金谷千歳と三人暮らし
和束ハルは、すぐお守りを作ってくれるそうだ。ワシと和束ハルでLINEでやり取りして、話のはずみでりゅーちゃんがお絵かき好きで絵がうまい事を話すと「それはちょっとまずいかもしれんわ……」と返事があった。
『え? 何がまずいんだ?』
「あのな、江戸くらいのうちの家系に霊力が強い絵師がいて、絵がとんでもなくうまかったんやけど、画力も霊力もあったから、たまに描いたものが具現化してな……」
『マジかよ!?』
「絵を描かせてやりたいなら、やっぱ霊力は別のもんで使わんとな。急ぐわ」
和束ハルはマジで急いでくれて、なんと翌日に新しいお守りを持ってきてくれた。
「霊力を流せば流すほど守護力が強くなる術式や。これで霊力消費させればええ、攻撃じゃなくて防御に全振りなら警戒もされんやろ」
『ありがとう!』
ワシは心からお礼を言い、和泉も感極まったようで深々と頭を下げて「ありがとうございます」と言った。りゅーちゃんは何だかよく分かってないみたいで首を傾げていたが、ワシは守護力のお守りをりゅーちゃんの首にかけてあげて言った。
『これで、りゅーちゃんはどこにでも行けるぞ!』
「どこ?」
不思議そうな顔をするりゅーちゃん。和泉が嬉しそうに言った。
「いろんなところ遊びに行こうね、まずは駅前ショッピングモールでおもちゃ見て、好きなもの買って、お昼においしいの食べて、またいろんな物見に行こうか」
「おもちゃ!?」
『おっ、いいな! ショッピングモール、チビが好きそうなものいっぱいだしな!』
和束ハルが笑った。
「これで普通に暮らせるやろ。まあ、普通に暮らすだけにしてはアホみたいに強い防御やけど」
和泉が聞いた。
「防御って、具体的にどんな感じなんです?」
「まあ、害になるものは基本弾くわ。霊力の攻撃や物理的なケガはほとんど防げる。でも手術なんかで体切るのはできるようにしてある。大変なんやで、その辺の調整」
「じゃあ、私のお守りと似た感じです?」
「ほとんど同じやな、あんたの参考にしたから」
「そうなんですか、なら安心です」
そう言うわけで和束ハルは帰って行って、ワシはりゅーちゃんが普通の暮らしできるようになって嬉しかったんだけど、和泉はふと顔を曇らせた。
「りゅーちゃん、これで、俺たち以外のところでも暮らせるようになっちゃったね……」
『それは……そうだな』
りゅーちゃんの引き取り先は、まだ決まってない。でもりゅーちゃんの霊力の強さなら、どこでだって引っ張りだこ。りゅーちゃんは……いつまでうちにいてくれるんだろう?




