番外編 金谷千歳とチョコミントラテ
今日のおやつはカルシウム入りウエハース。ワシはこないだ無印で買ったチョコミントラテをお供に、りゅーちゃんはミロをお供に、和泉は無糖カフェオレをお供に。
りゅーちゃんは早々にミロを飲み干してしまい、和泉のカフェオレを見た。
「そえのむの」
「これはダメだよ、大人の飲み物だよ、にがいにがいだよ」
「のむの!」
強硬に主張するりゅーちゃんを見て、和泉は味を教えたほうが諦めると思ったらしい。
和泉のマグカップにはインスタントコーヒーを溶かすのに使ったスプーンが刺さってたんけど、和泉はそれでカフェオレをすくい、「一口だけだよ」とりゅーちゃんになめさせた。りゅーちゃんはワクワク顔だったけど、なめたらみるみるしおれて「おいちくないの……」とつぶやいた。
「ねっ、大人の飲み物なんだよ」
「にがいにがいなの……」
『かわいそうに、ほら、ウエハースもう一個食べな?』
「うん……」
ウエハースを渡してやると、りゅーちゃんはもそもそとウエハースを食べ、そして今度はワシのチョコミントラテを指さして「そえのむの!」と言ってきた。
『これ!? これはスースーするぞ、大人の飲み物……いやそんな大人ってわけでもないか……いやでも小さい子にはなあ……』
迷ったけど、味を教えれば嫌がるかなと思って、ワシは和泉のスプーンを借りて、チョコミントラテを一匙すくって、りゅーちゃんになめさせてみた。りゅーちゃんはさっきと違って、衝撃を受けた顔をした。
「あまいの! ちゅめたいの! おいちいの!」
和泉が苦笑した。
「気に入られちゃったねえ」
「そえのむの!」
『ああー……味を知られちゃったか……』
りゅーちゃんにチョコミントラテを半分分けてあげたらすぐ飲み干されてしまい、「もっとのむの!」とせがまれて、ワシはとうとうチョコミントラテを全部飲まれてしまった。最後のチョコミントラテだったのに……。
なのに、どうしてだろう、全然嫌な気持ちにならなかったんだ。にこにこしながらチョコミントラテを飲むりゅーちゃんを見て、ワシは、幸せだったんだ。




