おばあちゃんにも紹介したい
現在、2階の自分の部屋にいる。久々に、おばあちゃんとリモート面会している。
「まあまあ、豊ちゃん、久しぶりねえ、元気? もう大丈夫?」
「元気元気、髪も生えてきたし。このところ花の写真送れなくてごめんね、今、小さい子預かっててさ、なかなか散歩の時間取れなくて」
「あらあ、そうだったのお。どうして預かったのお?」
「まあいろいろと込み入ってるんだけど……ひと言で言うと、今面倒見られるところがうち以外なくてね、正式な引き取り先が決まるまでうちで面倒見ることになって」
すると『あー、こら!』と千歳の声が聞こえて、千歳と遊んでたはずのりゅーちゃんがズバーンと部屋に飛び込んできた。
「なにしてゆのー?」
りゅーちゃんは俺のスマホを覗き込み、千歳が追いかけてきて『悪い、和泉』と言う。
「大丈夫大丈夫」
俺が千歳にそう言っていると、スマホの中のおばあちゃんは目を丸くした。
「あらあ! こんにちは! この子?」
「うん、この子。りゅーちゃんっていうんだ」
りゅーちゃんはおばあちゃんを見て「だーえ?」と首を傾げた。
「おじちゃんのばーばだよ」
「おじちゃんのばーば……?」
りゅーちゃんはまたスマホを見て、混乱した顔で俺を見上げた。
「ばーばじゃないよ……?」
あ、そうか、りゅーちゃんの世界には、ばーばは和束みやびしかいないんだ。
「りゅーちゃんのばーばじゃないよ、この人はおじちゃんのばーば。みんなに別々のばーばがいるんだよ、りゅーちゃんが知ってるのはりゅーちゃんのばーば」
おばあちゃんはにっこり笑った。
「こんにちはねえ、おじちゃんのばーばよお」
「こんにちは……おじちゃんのばーば? おじちゃんの?」
りゅーちゃんはまだ混乱している。
「難しかったかしらねえ」
「まだ2歳だしねえ」
『りゅーちゃん、ワシと遊ぼうな』
千歳がりゅーちゃんを抱き上げようとしたが、りゅーちゃんは「おじちゃんとあしょぶ!」と俺の膝にしがみついた。おばあちゃんが笑った。
「あらあらまあ、懐いてるわねえ」
俺も笑った。
「懐っこくてありがたいよ」
まだ2歳、地下室の闖入者である俺を見て怖がったっておかしくないのに、割とすぐ懐いてくれた。もともとは人が好きな子なんだろうな、それが地下室に閉じ込められてずっと今まで……。
一緒に遊ぼうね、これまでの分を取り返すくらい、たくさん遊ぼうね。




