多少のことなら傷つかない
努めて楽しく過ごそうと思って、夏に向けてなんか買うかと思って、通販でネッククーラーを買った。冷凍して首に巻くやつじゃなくて、冷却プレートが付いてて機械で能動的に冷やすやつ。これで、夏の外出が少し億劫じゃなくなる。
千歳の分も買ったので、2人で試運転。
『ひゃー! 冷た!』
千歳が首をすくめる。確かに、氷水でも当てられたかのようにひんやりする。
「これで、この夏も大丈夫だね」
『うん、二人で散歩行こうな』
試運転を終えて、ネッククーラーをしまい、俺は配送された時の段ボールを畳もうとした。段ボールの底に貼ってあるテープがはがしにくかったので、畳むついでに破いちゃおうと思って段ボールの縁を指で滑らせて、滑らせ方を少しミスったので、やべっと思った。これ、紙で指切っちゃうやつじゃん! 段ボールで切ったら相当痛いぞ!?
しかし、俺の指は無事なままだった。まったく切り傷なく、赤くなってもいない。
「え!? なんで!?」
『どうしたどうした』
千歳は不思議そう。
「今さ、絶対指切っちゃったと思ったのに全然切れてないんだよ、なんでだろ」
『そりゃお前、お守りのおかげじゃないか?宇迦之御魂神様と閻魔大王様のおかげ』
「ええ!? こんな日常のケガにも対応なの!?」
そう言えば、最近切り傷も擦り傷も作った覚えがない。さらに思い出すと、去年も今年も、蚊のせいでかゆい思いをした覚えがない。
「そう言えば細かいケガした記憶ない! 蚊にも刺されてない!」
『すごく守られてるぞ、お前。割とよくさらわれるけど』
「でもケガはしてないもんね……へえー、そんなに守られてるんだ……」
宇迦之御魂神様と閻魔大王様の防護、どれくらいすごいんだろう?
南さん経由で藤さんに聞いてみたら、すぐ返事がきた。
「宇迦之御魂神様の力も合わせて、防御としては最強だよ。怪我しないし霊障も起きない。どんなに強い霊力相手であっても」
「マジですか……」
緑さんも言ってたけど、すごいんだなこのお守り。
「さすがに風邪なんかの病魔ははじけないけどね、だから感染症は気をつけてね」
「はい」
感染症対策はきちんとしないといけないってことだな……でも、病気を除けば、俺は最強の防御力を持ってるのか。なら、多少危ないところに行っても大丈夫なのかな?




