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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
26シーズン

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1070/1080

再発なんて絶対しない

 庭のクチナシが満開だ。朝の散歩の行き帰りに甘い香りを楽しんでるけど、今日は香りを楽しむ気になれなかった。

 散歩の後の朝ごはんを食べつつ、千歳が言った。


『今日、病院で検査だな』

「うん……」


 そう、がんが再発していないかの検査。いつもみたいにお味噌汁をすするも、味わえる心境ではない。これから5年間定期的にする検査なのに、毎回こんな風にドキドキしてたら体持たないんじゃないか?

 千歳が聞いてきた。


『検査って、CTとるのか?』

「うん……。血液検査もやるらしいけど」

『結果、いつ出るんだ?』

「1週間後」

『けっこう待つなあ』

「うん……」


 思わずため息をついてしまった。


『きっと大丈夫だって』

「うん」


 千歳を心配させたくないから、心配だとか怖いとか嫌だとか言ってないけど、態度に出まくってるだろうな。俺が慰められてどうするんだ……。

 空元気出していきたいけど、全然出ない。


『ワシも病院ついてくからな』

「ありがとう」


 そういう訳で2人で駅ビル近くの病院に向かい、受付して長い待ち時間を過ごす。やっと呼ばれて、まず問診。主治医の白髪交じりのお医者さんが聞いてきた。


「体のどこか、例えばリンパ腺あたりに腫れはないですか?」

「ないと思います……多分」

「触診しておきますね」


 ベッドに寝かされていろんなところを揉まれ、とりあえずリンパの腫れはなしとのこと。それから採血され、CTも受けて終了。あっさりしたものだった。


『きっと大丈夫だよ。なんにも引っかからないって』

「うん……」


 気分転換に2人で駅ビルデートしたい気分だったが、残念ながら俺は仕事がある。とっとと帰ってパソコンに向かわなければならない。


『昼飯、買って帰らないか?』

「そうだね」


 帰ってから作ると、お昼遅くなっちゃうもんな。

 バス停に向かう途中の道に駅ビルがあり、駅ビルの1階に食品フロアが入ってる。千歳は迷いなく高いお惣菜の店に行き、すごい勢いで注文しだした。


『ネギと蒸し鶏とザーサイのサラダ100gください! それから20品目の根菜サラダとナスとエリンギの和風おろしサラダも100gずつ! それから具だくさんシーフードパエリア2つください!』


 店員さんはにこやかに注文を受け付けてくれたが、千歳大丈夫か!? だいぶヤケ食いじゃないか!?


「千歳!? どうしたの、疲れちゃった!?」

『疲れてはないけど、いいもんでも食べてパーッとやんないとお前1週間乗り切れないだろ。ここの、うまいって星野さんに聞いてたから、まずはここのでパーッとやろうと思って』


 千歳は、ニヤッと笑って俺の背中を叩いた。


『もちろん、おごりだ。あと、家にも食材たくさんあるから、しばらく腕によりをかけていいもん作ってやるからな』

「…………」


 そうか、俺への気遣いだったのか……。


「ありがとうね千歳、帰って一緒に食べようね」

『うん』


 千歳は笑った。心からの笑いではなく、俺を元気づけるための笑いだとわかった。

 ……きっと大丈夫だよな、俺こんなに素晴らしい人と一緒にいて超幸せで、きっと免疫力もすごく高まってるもん、再発なんて絶対ないよ! 1週間、千歳と楽しく過ごして、1週間後異常なしを聞いて、2人で心から笑い合おう。

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