愛とも義務とも言えなくない
ことが無事解決したので、俺はVRChatに入って、俺のファンに顛末を話した。
[そうか、うまく行ったか]
「教えてくれて本当に助かったよ」
俺がそう言うと、俺のファンは微笑んだ。
[あなたは何も得していないのに、助かったと言ってくれるところが好きでファンになったんだ]
「そんなこと言われると照れるけども」
[しかし、その霊が西尾大和を守っていたのか]
「引きこもりだった人の霊らしいけど、やるべきことはちゃんとやれる人だよね」
[そうか、彼も得はないのに子供を守ったのだな]
「ましろくんって子も守るつもりらしいしね。いい人だよ」
[なるほど]
俺のファンは首を傾げ、考え込むようにしていたが、やがて言った。
[彼のあの子たちに対する気持ちは、義務なのだろうか? それとも、愛なのだろうか?]
あ、話がそこに来るのか。誰かを助けて最後まで面倒を見ること、それは義務感ゆえなのか愛ゆえなのか。
義務はあるだろう。だけど、俺は義務だけとは思えない。なので、こう言った。
「義務がないとは言わないけど、やっぱり、愛だね」
[なるほど、少し学んだ]
俺のファンは頷いた。
[私の今後に大いに役立ちそうだ。義務感があっても、そこに愛がないというわけではないのだな]
「そりゃそう。ていうか、切り分けられないことのほうが多い気がする」
[つまり、私が彼女に対して持つ気持ちは、義務感であり、愛?]
「そう思えるなら、そうだろうね」
[そうか……]
俺のファンは納得したようだった。
[私が知る彼女については、義務感と愛を持ってあたることにするよ]
「そっか、頑張ってね。話せるときが来たら、どんな人か教えてほしいな」
[もちろん]
俺のファンは笑った。
彼(あるいは彼女)は危なっかしいところはあるものの、悪いことをする気持ちは持っていない。困っているというその女性について、できるだけ助けるだろう。俺のファンが、それを通じてやりがいを感じて、幸せを得てくれたらと思う。




