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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
第25シーズン

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番外編 金谷千歳と仮定

 星野さんに、びわをたっくさんもらった。旦那さんの実家に、びわの木がたくさんあるんだって。

 本当にいっぱいあって、うちで食べる分と、コンポートにして星野さんにお返しする分をよけても、まだまだ余る。どうするかな……そうだ、和束ハルにお裾分けしに行くか。予知夢の術式のお礼だ。まずLINEしよう。


『びわめっちゃもらったんだけど、いるか?』

「欲しい!」

『じゃ今持ってくな』

「おおきに。あ、今緑さん来とるから、3人でちょっと茶でもしよう」

『わかった!』


 そう言うわけで、ワシはすぐ本白神社裏の和束ハルんちに行った。和束ハルが出てきて、奥には緑さんが座ってた。


『ほらびわ!』

「おおきにな」

『緑さんにもあげる』

「あらいいの? ありがとう」


 二人にあげる用に、びわの袋分けといてよかった。和束ハルがアイスティーと水ようかんを出してくれて、ワシは早速口をつけた。


『そう言えばお前、高千穂先生を不老不死にする術式はどうなんだ?』

「そうそうできるもんやないわ。でも若返りの術式は作れるから、いざとなったらそれで時間稼ぎやな」

『あー、あったな確かに』


 緑さんがアイスティーを飲んで言った。


「和束さんの術式、一応悪いものじゃないかのチェックしてるのよ。もうそんなことしないと思うけど、私その関連で今日いるわけ」

「まあ、調べられてもしゃーないわな」

『ふーん……』


 和束ハル、世界を壊そうとした大術者だもんな。ちょっとかわいそうな気もするけど、まあ本人が納得してるなら。

 和束ハルがワシを見た。


「そういや怨霊。和泉豊を振ったらしいやんか」

『え? あ、うん』


 緑さんから聞いたのかな? あ、そう言えば!


『ていうかさ! お前ワシに前、和泉が好きな人は子供できないんだろうって言ってたじゃないか』

「言うたけど」

『あれもしかして、和泉の好きな人ワシだってことわかってたのか!? なんでだ!?』

「何でって、バレバレやんか。あんたほど和泉豊に大切にされてる奴おらんで」

『それは……大事にしてもらってたけど……ええー、マジかあ……』


 緑さんがワシに聞いてきた。


「和泉さん、あれからも千歳ちゃんにずっと好き好き言ってるの?」

『まあ、そんな感じだけど』


 和泉はワシのこと好き過ぎるけども。うーん、今、前とは違う状況なんだよなあ。

 ……和泉は、相談に乗ってもらってた人に、筋として決着を伝える、みたいなこと言ってた。じゃあ、ワシも少しは話すのが筋なのかな?


『うーん、えっと、ここだけの話にしてほしいんだけど』

「なんやなんや」

「何かあったの?」

『ワシ、しばらく和泉の恋人やることにしたんだ』

「ええ!?」

「そうなの!?」


 和束ハルも緑さんも、目を丸くした。


「え、なんでなんで!? どないしたん!?」

『うーん、あいつ5年間がん再発しないか用心しなくちゃいけないからさ、もし5年の間に何かあったら、ワシ後悔してもしきれない気がして、だから5年恋人やってやろうかって』


 緑さんがまん丸目のまま聞いてくる。


「え、でも和泉さん絶対5年でキリつけられないでしょ!?」

『そうなんだよ、あいつズルいんだよ! なんかさ、「俺が好きな人できるまで恋人でいて!」とか言うから、しょうがないなって言ったら「俺は千歳以外の人のこと千歳ほど好きになれないから、一生だよ」とか言うんだ!』


 和束ハルが吹き出した。


「そら一本取られたなあ」


 緑さんは苦笑した。


「もう和泉さん、一生千歳ちゃんのこと離せないわよ」

『えー、ワシはあいつにいい女と結婚して子供作ってほしいんだよ!』


 和束ハルが「ありえんありえん」と笑った。


「和泉豊にとって、あんたほどいい女はおらん」

『ワシ女じゃないぞ?』

「厳密に言えばそうやけども」

『それに、ワシじゃ子供産んでやれないしさあ』


 緑さんがワシを見た。


「じゃあ、もし子供の件がなかったら、千歳ちゃんは和泉さんの気持ち受け入れるの?」

『えっ……』


 もし子どもの件がなかったら?


『な、なくすことはできないし……』

「仮定の話よ。千歳ちゃんが子孫にこだわらなくなるとか、奇跡が起きて和泉さんの子どもを持てるとかになったら、千歳ちゃんは和泉さんの気持ち受け入れるの?」


 そ、それは……。


『わかんないや……和泉のことは大事だけど……』

「そう、なら無理に和泉さんのこと受け入れなくてもいいのよ?」

『無理はしてないけど』


 緑さんの仮定は、ワシの心にいつまでも残った。

 もしワシが和泉の子ども産める体だったら、ワシは和泉と結婚してやろうと思ってたんだろうか?

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