閑話 世界平和とチョコミント
千歳がうきうきと俺に提案してきた。
『な、今日おやつにココス行こうココス』
「ココス?」
ココスになんかあったっけ? あ、そう言えば何年か前の今頃、千歳がココスのチョコミントフェアではしゃいでいたような。
「もしかして、チョコミントフェアやってるの?」
『うん! お前の食いたいものもおごるからさ!』
「じゃあ行こう」
そう言うわけで、午後のおやつ時にココスへ行った。テーブルには、チョコミントパフェとチョコミントガトーショコラとチョコミントフラッペが並び、千歳はホクホクしている。
『これがやりたかったんだ!』
「そりゃよかった」
千歳は、ワクワク顔でパフェにとろりとミントソースをかけ、ぱくりと一口。
『んー! うまー! ミント強め! たまんない!』
千歳はニコニコしながらパフェを食べ、俺はコーヒー片手にそれを眺めていた。俺用にチーズケーキも頼んだけど、千歳を眺めてるほうが楽しいな。
千歳はパフェを食べ終わり、チョコミントガトーショコラに向かう。ガトーショコラにまたミントソースをかけながら、千歳はふと思い出したように言った。
『そういやさ、こないだチョコミントでショックだったんだよ』
「どうしたの?」
『チョコミント商品いっぱい出る季節だろ?でさ、コンビニでちっちゃい袋のを3つ買ったらさ、700円近くしてさ』
「え、そんなに!?」
せいぜい500円くらいじゃない!?
『物価高かなあ、それとも石油来ないからかなあ』
千歳は首を傾げながらガトーショコラを頬張った。
「両方だろうね……大丈夫? 渡した食費足りてる?」
『んー、今はふるさと納税で米買わなくていいから何とかなってるけどさ、もっと上がったら厳しいかも』
「そうか……上がることはあっても下がることはなさそうだからねえ……」
包装は値上がりするばかり、ポテチの包装は色を失う。政府は年明け以降も石油は持つと主張しているけど、じゃあその先はどうなってしまうんだろう?
工場を動かす燃料も石油由来。医療用品も、点滴も注射もガワは全部石油製品。それらがなかったら、俺はがんで死ぬばかりだった……。
世情は不安ばかりだけど、個人でできることは少ない。そりゃ、やろうと思えば官邸に意見送ったりデモしたりはできるけども。
イランと個別交渉するのは、イランのホルムズ海峡支配の肯定だし国際的に抜け駆けだし、あんまり良くないと聞く。やはり戦争終結……世界平和を祈るしかないのか。
そう言えば、千歳と出会った年に、七夕の短冊に世界平和を書いた。あの時は、ロシアのウクライナ侵略戦争で景気に影響が出てたからそう書いたんだけど、その戦争も今まで続きっぱなし。世界はどうなるんだろうか?
「……千歳、ほっぺにチョコの欠片付いてるよ」
『え? あ、本当だ!』
慌ててほっぺに手をやる千歳。
どうか、千歳との幸せな暮らしが続きますように。そのために、世界が平和でありますように。




