番外編 金谷千歳と病み上がりレシピ
なんだかんだでぬか床は毎日育ててる。もともといい感じのぬか床だったけど、何度も野菜つけて育てた。キュウリも大根もよく浸かっておいしい。雁ヶ音さんに、セロリやブロッコリーの茎もぬか漬けにするとおいしいって聞いて、試してみたらかなりよかった。
でも、和泉はどの野菜のぬか漬けが食べたいんだろう?
その日のビデオ通話で聞いてみたら、和泉はこう言った。
「人参のぬか漬けが食べたいな、でもお米はまだしばらく食べられないかも」
『米? 何で?』
「抗がん剤の副作用でね……他のものも味が変なんだけど、お米はどうにも薬臭くて。退院してもしばらく続くだろうって」
『そんな副作用あるんだ……』
「でもぬか漬け自体は食べたいな、そんな手のかかったもの、千歳がいなきゃ絶対食べてなかったし」
和泉は柔らかく微笑んだ。
『じゃ、任せとけ、うまい人参のぬか漬け作っとくから』
そっかあ、しばらく米がダメか。
じゃあ、パンや麺料理……食パンやコッペパン、パスタとかうどんとかラーメン、あと焼きそばなんかかな。パンならレバーペーストつけて食べられるし、あとほうれん草のケークサレなんかもいいかも。小松菜は焼きうどんにも煮込みうどんにも入れられるし、ラーメンにほうれん草つけてもいいし。パスタもたくさんレシピがある。
よし! 和泉が退院するまで、やることたくさんあるぞ!




