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番外編 金谷千歳の期待
転移したがんさえ消えれば、和泉に会えるのは時間の問題。だから、和泉がすぐ無菌室から出てくるか知りたくて、和束ハルに前にもらった予知夢の術式を使おうとした。寝る準備を整えて、早い時間に布団に入って、術式に霊力を流したんだけど、そしたら術式が焼き切れてしまった。あれ?
和束ハルにLINEで聞いてみたら、こう返事がきた。
「あれ使い捨てやで」
『そうなんだ……もう一個作ってくれたりしないか?』
「あの術式、素材貴重やから足りひんのや、悪いけど無理や」
『そっかあ……』
がっかりしたけど、その日は普通に寝た。そしたら、宇迦之御魂神様が夢に出てきた。
[あまり未来を見ることをしてはいけないよ、人に近い頭を持っているお前には身に余る]
『そうですか……』
ワシはしゅんとしたが、宇迦之御魂神様は優しく言ってくれた。
[それに、お前は近しい人に危険が迫ったときは自分の力で未来を見られるよ。今何も見ていないということは、危険がないということだ]
『本当ですか!?』
[ゆっくり待つといい]
『待ちます!』
やった! 和泉は大丈夫だ!
あとは会えるまで待つだけ、帰ってくるまで待つだけ、でも待ちきれない! 早く時間たたないかなあ!




