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そうして旅人は自由に生きる~魔と法を巡る物語~  作者: 宿木ミル


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第19話【海竜神の街】

 海岸沿いの道を歩いていた時のことだった。

 突然の雷雨が降り注いだのだ。

 雷鳴の音が響き渡り、バケツをひっくり返したかのような雨が襲い掛かる。


「この雨量で旅するのはちょっと避けたいかも」


 服や荷物がずぶ濡れになったら大変だ。

 そう思いながら大きめの傘を広げ、急いで雨宿りできる場所を探す。


「……うん、あそこに行ってみよう」


 少し歩いた先の海沿いに小さな木でできた小屋が見つかった。

 しっかりとした作りにはなっているものの、周囲にはそれ以外の建物は見つからない。ポツンと存在している。

 ゴロゴロと響き渡る雷の音を気にしながら、私は進んでいく。やがて、小屋の扉付近まで到達する。

 移動中に見えた小屋の窓からは明かりが確認できたから、しっかりと人は暮らしてそうだ。

 私は扉をトントンと叩き、確認を取る。


「すみません、雨宿りしたいのですが、お邪魔してもいいですか?」


 私の声に対して、小屋主は扉を開けることによって応じてくれた。

 小屋主は初老くらいの男性で、こういった対応には慣れているような様子だった。


「構わないよ。今日は特に天気が荒れる日だからね。遠慮せず入ってくれ」

「ありがとうございます」

「あぁ、それから敬語はしなくてもいいよ。気軽に話してくれた方が僕も話しやすい」

「わかった、じゃあ気楽にいくね」


 小屋の中は静かな空気が漂っている。

 本棚や机に椅子、寝室用の布団もあれば、キッチンには魔力で動く道具がいくつかある。

 コンパクトながら住みやすいような空間になっている。


「海竜神様がやってくる前日はいつもこうなんだ。雷が降り注ぎ、雨が激しくなる」

「海竜神様って?」


 形ある神様なのだろうか。

 窓から海を見つめる小屋主に疑問をぶつけてみる。

 すると、彼は知らない私に対して丁寧に説明してくれた。


「街の守護神さ。海と海の境目に存在する街の存在を支えている大いなる存在でもある」

「空間が割れたりするとか、そういう感じ?」

「そうではないよ。海が割れた場所に街が存在するんだ」

「海が割れるって、そんなことがあるの!?」


 思わず驚く。

 まるで神話の場面のようだ。

 法の力があれば、もしかしたらそんなことができるかもしれないけれど、スケールが大きくって少し想像できない。


「そうだとも。海竜神様の力は絶大だからね」

「どれくらい大きいんだろう、海竜神様って」

「ふふふ、人間の想像を遥かにに超える大きさだとは伝えておくよ」

「……俄然、興味が湧いてきたかも」


 好奇心を持って接していい相手かどうかは正直なところわからない。

 けれども、もしも会えるのならば、誠意をもって接したいとは思う。

 想像を遥かに超える存在。そういうものは気になってしまうものだ。


「街を探索するにあたって気を付けないといけないことってある?」


 迷惑をかけたくはない。

 そう思って確認してみる。


「そうだね……争いごとに巻き込まれないようにするのが吉だと言っておこう」

「なにかぶつかり合ってる?」

「そういうわけではない。ただ、この時期になるとピリピリしている人も多いからね」

「……どういうこと?」


 海岸の窓。海に指を指しながら、小屋主は言葉を続ける。


「『海竜神が帰還する時、街は姿を現す。真なる秩序を理解させるために』……これが海竜神の街の方さ」

「状況確認の為に神様がやってくるから、緊張が高まってるってこと?」

「ほほっ、そういうことだね。まぁ、無礼を働かなければなにも心配はいらないはずだよ」

「わかった、ありがとう。……街っていつ出てくるのかな」

「明日には街が姿を見せるはずさ。もし、見に行きたいならここで早朝まで休んでいくといい。新しい見解を知るいいきっかけになるかもしれないよ」

「うん、じゃあ遠慮しないで休むね」


 【海竜神の街】はどんな街なのだろうか。

 話は聞いたとしても、その内情は実際に足を踏み入れてみないとわからない。

 期待に胸を膨らませながら、私はゆったりと次の日に向けて準備や睡眠をとるのであった。





 雷雨があった次の日。

 空は驚くほど快晴になっていた。

 私より早く目を覚ましていた小屋主が海岸が見える窓でじっと立っているのが見えた。


「泊まらせてくれてありがとう。お陰でぐっすり眠れた」

「それはなによりだ。早速だが、窓から見える景色を見てほしい」

「景色……って」


 窓の先に見える海の状態を確認して、目が完全に冴える。

 真っ二つに海が割れている。

 割れている海の間の幅は人が大勢行き来できるほどの空間になっている。

 割れた海の底、浅瀬の海底には白い建物がいくつも存在していた。……そう、海の底に街があったのだ。


「凄い……!」

「これも海竜神様の力だよ」

「普段から街の人は海底に暮らしてる?」

「そうだね、法の加護を受けて海の生活を送っている。こうして地上に姿を現すのは数ヶ月に1、2回だから珍しいのさ」

「……いいタイミングに来れたかも」

「さぁ、行くといい。きっと記憶に残る出来事が待っているはずさ」

「うん、行ってくる」


 覚悟を決めて、外に向かっていく。

 小屋主はそんな私を微笑しながら見送っていく。


「雨宿り、助かったよ! ありがとう!」

「気を付けていくんだよ!」


 海が割れた道に向かって歩いていく。

 知らない世界を知る瞬間はいつだって緊張する。

 だけれども、一歩を踏み出すタイミングはいつだっていいものだと心から思えていた。





 海竜神の街。

 街に踏み入れて最初に感じた感想は、幻想的な街だということだ。


「海の断面が滝みたいになってる……」


 おそらく海竜神の力によって開かれたであろう海は丁寧に分けられている。

 そして、その分けられた海から流れる海水は真下に向けて落ちていく。人の生活圏に干渉することはない。

 ふと、手を伸ばして滝のようになっている場所を触れてみると、しっかりとした海水が落ちてきていることがわかる。

 不思議な空間だ。


「街そのものも、ちょっと様式が違うかも」


 街の風景を見つめながら呟く。

 暮らしている人は普通の人間だ。獣人とか人魚のような存在は見当たらない。

 ただ、街は白い石のような材質の建物で作られているものが多い印象だ。木材は使われていない。

 コンパクトな大きさの家がいくつか並んでいて、お店らしい建物もそこまで大きい作りにはなっていない。

 三階建て以上の建物が存在しないのもちょっと不思議だ。


「よってらっしゃい見てらっしゃい! 今日は海竜神様の日。ここでしか見れない貴重な真珠がありますよぉ!」


 街を歩いていると出店を出している人を見かけた。活発そうな女性だ。

 他に出店があるか、周囲を見渡してみても見つからない。

 なら、話しかけたりするのも悪くはないだろう。


「おやおやぁ? 見ない格好の方ですねぇ。旅人さんですか? そうですよね! 是非寄ってみてください!」


 出店の女性はどちらかというと、旅人を狙って商売しているのかもしれない。

 私の姿を確認した瞬間、大きな声で呼び掛けていた。周囲には私以外の旅人はいまのところいない。

 つまり、私を狙っているということだ。


「そんなに特別な真珠だったりする?」


 お互いに興味を持っていることはいいことだろう。

 そう思い、出店に接近して聞いてみる。

 すると、女性は指を自分の顔の隣に添えて説明しだした。


「魔法の媒体、装飾品、お土産となんでもござれな特産品ですねぇ」

「実物を見てみても?」

「構いませんとも、えぇ!」


 女性が真珠を見せてくれたので、確認する。

 青く澄んだ綺麗な真珠だ。確かにアクセサリーとかにすると綺麗に着飾れそうな印象を受ける。


「ここでしか見れないっていうのは、この街でしか見れないってこと? それとも特別な日だから?」

「なかなかいいところを付きますね! その答えは両方ということにしておきましょう!」


 私の隣にすすっと移動して女性は続ける。


「特別な日には特別な品を。ということで、水晶サイズも容易してますの!」

「す、水晶サイズ?」

「占いにもってこいなヤツですよぉっと!」


 透明な箱の中に入っている真珠も見せてくれた。

 その中にある真珠は掌で包み込めるほどの大きさになっていて、神秘的な力を宿していそうだった。


「色々あるんだね。街では基本の道具だったりする?」

「そりゃまぁ、当然ですね。真珠は海竜神様の贈り物。わたしたちの暮らしを支える重要な道具ですから」

「海で暮らせるようになるとか」

「水中で息をできるようになってるのは法の力があるから問題ありません。ですが、水中での暮らしは普通の人間には大変なもの。ですので、真珠の魔力を利用することで、食事、衣類の整備、住居の確保を行っているのです!」

「生活必需品なんだ」

「そういうことです! 魚が崩れないように魔力で支えるようにしてくれたり、濡れていても重くなりすぎないように身に着けてるだけで、軽くしてくれる真珠があったりと色々支えてます!」

「凄いね、魔力の恩恵を感じる」

「独自の効力はこの街から離れると薄れますが、それでも大きさによっては占いなどにも使えるもの。それが海竜神の街の真珠ですっ!」


 誇らしく胸を張る彼女。

 生活を支えているものだからこそ、自信を持ってお勧めできるのかもしれない。

 そこまでのセールストークを聞いて、私も欲しくなってきたので、購入を決心する。


「……なら、そのご利益は私も受け取っておこうかな。小さめのサイズの真珠をひとつ」

「ありがとうございまーすっ!」


 購入して、懐にしまっておく。

 今度いい感じに加工して、ワンポイントのアクセサリーとかにするのもよさそうだ。

 満足して、次の場所に赴こうとした時だった。


「真珠屋ぁ……今日の業務は適当だったなぁ?」


 あまり穏やかな様子ではなさそうな男性が出店の女性に絡んできていた。適当そうな印象は感じられなかったのだけれどもどういうことなのだろうか。


「不真面目な仕事なんてする気は問答ありませんが?」


 出店の女性……もとい、真珠屋は落ち度がないという態度を取る。

 それに対して、男性はさらに口を尖らせて怒っていた。


「ふざけるな! 真珠が割れてたぞ? もし事故になったらどうするつもりだったんだ!」

「割れ物を売るほど適当なことはしてませんわ。もし、割れたとすれば、あなたの行動が悪かったのでは?」

「いーや、お前が悪い!」

「はぁ、やれやれ……面倒ですねぇ」


 こういうトラブルは以外と少なくない印象はある。

 不良品を売りつけたといって文句を言う人というのはなかなかに厄介なものだ。

 店員さんの落ち度ならばともかくとして、無実の罪をおっ被せようとする相手は私もあまり好きではない。


「真珠屋さん、力になろうか?」


 こういう場を収めるのも法の力だろう。そう思い、私は動こうとする。

 しかし、真珠屋さんは首を横に振った。


「ありがとうございます、旅人さん。ですが問題ないですよ。何故なら、ひとつ素敵な言葉があるので」


 そう呟いて、彼女はひとことだけ付け加えた。


「……もし争いごとを起こすなら、海竜神様に裁かれちゃいますよぉ?」


 その言葉を聞いて、彼の顔色は青く染まっていった。


「そ、それは、まずい。裁かれたくない!」

「でしたら、難癖は終わりです。あっ、どうしても証拠が欲しいのでしたら私の真珠で状況を調べてもいいですが……」

「わ、わかった! 俺が悪かった! 乱暴に使って壊した俺が悪い! 反省する!」

「それならよし。サービスでもうひとつだけ上げますが、こういうことはもうしないようにしてくださいねー」

「ありがとうございます! 大切にします!」


 すたすたと去っていく男性。

 それを見て、ほっとする真珠屋さん。


「この時期って本当に大変です」

「こういう人が増えるから?」

「海竜神様が私生活を見つめに来るから、みんないいカッコがしたいんですよ。で、真珠もいいものを使いたくなる」

「なるほど……」


 そこまで言って、彼女は遠くを見つめて考える。


「ですが、いいカッコというのはすぐさまできるものではありません。一日だけいい人になろうって言っても難しい話ですよね?」

「取り繕うくらいなら、しっかりとした姿を見せるべきだと思うね」

「えぇ、そうです! 付け焼刃的なやつが一番よくないのです!」


 ふんっ、と胸を張りながら言う彼女。その姿は自信に満ち溢れているようだった。


「……っと、長く話してしまいましたが、そろそろ時間が訪れそうですね」

「時間って?」

「海竜神様の審判の時間です」


 真珠屋がそう言葉にすると、突如大きな水しぶきの音が聞こえてきた。

 地面が揺れ、視界が揺らぐ。


「な、なに!?」

「ふふふ、海竜神様がやってきたんです」


 割れた海の間から蛇のような胴体が伸びていく。

 いや、蛇というのは不適切かもしれない。大蛇、シーサーペント。そんな感じの言葉がいいのかもしれない。

 長い胴体が街の上に伸びていき、そこからようやく顔が見えてくる。


 ……海竜神。


 長い胴体の先にある顔はまさしく竜。髭が生えていて幻想的な雰囲気を感じさせるそのスケール。

 顔だけでも私の身体の数倍くらいの大きさがある。

 まさに、神様。そんな印象を受ける。


「我が来たということは、どういうことかわかるな?」


 町全体に響き渡る厳かな声。

 威厳を感じるその一言に街全体に緊張が走る。


「我は汝らを選定しにきた。さぁ、覚悟を決めるがいい。もし街を存続するに値しないと判断すれば、我は……」


 静かに海竜神は続ける。


「この街を滅ぼす」


 絶対的な言葉。

 まさに超常的な存在。滅ぼされるとしたら一瞬で倒壊してしまうだろう。

 ピリピリしてしまうのも少し頷けてしまった。


「さて、まずは汝らの生活様相を見させてもらうとしようか」


 大きな真珠が街の空に浮かび、海竜神が手を使いいままでの記録を見ていく。 

 賑やかな街の雰囲気、喧嘩する人々。協力しあう存在。そうした姿が映し出されていく。

 真珠の中の映像を見終わった海竜神は静かに悩み、結論を出した。


「うむ、皆健全に暮らしているな。合格ということにしよう」


 周囲から歓喜の声が上がる。

 ……気が付いたころには、私の周辺には大量の人が集まっていたみたいだ。

 そわそわした態度で老若男女、みなが海竜神を見つめている。


「ただし。私欲に溺れて悪事に手を染めたものがいた。犯行が積み重なるのなら裁きは待逃れないものと知るがいい」


 その一言で空気が固まる。

 そこで犯人捜しをする人が出てこないあたり、かなりの影響力があるというのは感じられる。


「次は諍い事についてだ。汝らは果たして誠実に生きて行けたか?」


 真珠を見つめて確認をしていく海竜神。

 言い争いの騒動が起こっている姿。和解した姿。さっきの瞬間の出来事。様々な様相が浮かび上がってくる。

 それを見て、海竜神は判断する。


「ふむ……いささか粗暴なように思えるな。起きてしまった罪に対しては相応の罰を受けることを覚悟するべきである」


 指を全員に向けて海竜神が続ける。


「罰を受けたくない、という一心で逃げ続けるといずれ後悔することになる。それを理解するといい」


 忠告の一言。

 それでも優しい印象を感じるのは、なぜだろうか。

 ……人に寄り添うような態度を取っているからかもしれない。


「みながそれぞれ誠実な秩序の下に暮らしているのは把握できた。今回は滅ぼさないで済みそうだ」


 再び喜ぶ人々。

 中には海竜神様ありがとうと言葉にしている人もいた。


「ただ、ひとつだけ懸念点がある」


 どうするべきか悩む、といった態度で腕を組んだ海竜神。

 気になって見つめていると、私の下に一本の指が向けられた。


「旅人から見て、この選定はどう思った?」

「え、えっ? 私から見て?」

「あぁ。街が外部に見える瞬間というのはこのタイミングしかないものなのだが、我の姿を見て恐れるものもいる。選定はするつもりではあるのだが、どうやって旅人に街の魅力をアピールすればいい?」


 ……海竜神様も、なかなか俗っぽい悩みを抱えてるんだなぁ。

 そう思うと、なんだか親近感が湧いてきた。

 それを踏まえた上で、私なりの答えを考える。


「まず、選定については街の仕組みを見せるっていうことで問題ないと思うよ。……もし、滅ぶようなことになっちゃいそうでも、きっと支え合えるなら回避できるはず」

「うむ、人間の団結力を我は信じてるからな」

「……で、旅人に海竜神様を恐れなくさせるなら、グッズとかどうかな」

「ぐ、グッズだと?」


 ざわつく周囲。

 海竜神様も驚いていた。


「水に強い海竜神様ぬいぐるみとか、そういうのでキャッチ―さを掴んでいく」

「我の威厳がなくなってしまい野ではないか……?」

「十分威厳はあるから平気だよ。むしろ、親しみやすさを増やすともっとよくなりそう」


 怖いだけの存在でいるよりは、明るい存在感もあった方がいいだろう。

 そう思っての提案だった。

 私の言葉を聞いた海竜神様は大きな声で、提案した。


「ならば、そうしよう! 旅人にも親しみやすく、そして皆の心の支えを増やすべく! マスコットを作ろうと思う! 協力してくれるもの、いるか!」


 手を上げる民衆。

 みんなやる気に満ち溢れている。

 ……突拍子もないことを言ってしまったと不安だったけれど、なんとかうまくいったみたいだ。


「凄いね、新しいブームを作っちゃいそう!」

「それで賑わうなら私も幸いかな」


 厳かな選定の時間は、新しい始まりの瞬間へと変わっていく。

 この街が滅ぶことなくいつまでも続けばいいな。そんなことを考えていた。







 翌日の朝。

 街は静かに海へと沈んでいった。

 それでも海竜神の街は賑わっていくのだろう。

 新しいきっかけを掴みながら。


「さて、そろそろ出発しようかな」


 新しい旅路に赴こうとした時、海から竜の顔だけが浮かび上がってきた。海竜神様だ。


「感謝する、旅人。お陰で新たな賑わいに繋がった」

「海竜神様が愛されてるからだよ。私はあくまで提案しただけ」

「ふふっ、それもそうか。そうだ、旅立つ前に名前を聞いてもよいか?」

「私の名前? リベラ・マギアロア」

「なるほど、いい名だ。汝の旅に祝福があらんことを」


 それだけ言うと静かに彼は去っていった。

 名前を聞く為だけにこっそり来るなんて、なんだかお茶目さも感じる。


「フレンドリーになりたい神様もなんだかいいかも」


 購入した真珠を見つめながら、そう思う。

 ふと見つめる大海原はどこまでも青く広がっていた。

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