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『転生したのに転移で地球に戻っちゃった?! しかも何故43歳?! 王国の魔法革命児 〜爆鳴の鬼と呼ばれた男Ⅱ』  作者: だい
宮司になった社畜、魔王と呼ばれだす

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第52話:神槌の如く、そして神子神社の日常

一ヶ月の申請受付期間が終了した。


『真龍神子国』——通称『龍国』に集まった膨大な申請書類の処理が始まると同時に、提出された内容に応じた厳格な処分が下されていく。


単に名前を無断使用した程度の軽微な違反には実力行使以外の罰則も適用されたが、悪質なケースに対しては容赦のない鉄槌が下された。


他国に対し「自国の背後には真龍がついている」と虚偽の圧力をかけていた国家においては、その主謀者たる国家元首が跡形もなく消滅した。


さらに、その虚偽の威圧によって不当に奪い取っていた他国の領土の即時返還と、莫大な賠償金の支払いが命じられた。


この処分に対し、該当国では大規模な反発デモが発生したが、龍国は一切の交渉に応じなかった。


突如として巻き起こった膨大な『爆鳴気』の衝撃波がデモ隊を襲い、一瞬にして三万人もの参列者が消滅。

その凄惨極まる光景は、全世界にリアルタイムで生中継された。


また、他国や企業との調停の場で「龍国が背後に付いた。分かっているな?」と欲を出して脅しに使っていた企業や国家に対しては、即座の実力行使、あるいは赤十字をはじめとする国際支援団体への『一千万ドル単位』での寄付が命じられた。



自首と同等の申請を行った組織への処分が一段落すると、いよいよ本番が始まった。


「申請もせずに沈黙し、自分たちの悪事がバレていないと思い込んでいる国家と企業」の処分である。


実は、公式な自首申請の裏で、龍国には世界中から膨大な密告や通報が相次いでいた。


「あの国家から不当な圧力を受けている」「あの企業は『龍国が背後にいる』と吹聴していた」といった情報が、日を追うごとに山のように寄せられていたのだ。


龍国は、アメリカやイギリスをはじめとする主要国の強力な諜報機関やリソースを全面的に活用し、裏付け調査を徹底的に進めた。


この調査に協力し、顕著な功績を挙げた国家に対しては、龍国から特別な権限が授与され、世界に向けて公表された。


『英国においては、我が国が依頼した調査における功績が極めて顕著であるため、今後国家間の問題が生じた際には、我が国が優先して調停に立つものとする』


この「龍国に調停を頼める権利」の付与は、国際社会において絶大な価値を持った。


どうしても通常の諜報活動では解明できない暗部については、神子神社が誇る隠密部隊、そしてヘルパンギーナの転移権能を駆使し、すべての調査が完璧に完了した。



そして——龍国は、全世界へ向けて静かに宣言した。


『これより、我が国の敵対勢力への懲罰を開始する』



直後、世界中のテレビやモニターの画面が切り替わり、とある場所の映像が生中継で映し出された。

そこは、日本の国会本会議場であった。


空間が歪み、異様な一団が転移して現れる。

なまはげの面を被ったケント、そして安倍、さらに背後には顔を強張らせた式鬼の姿があった。


ケントはカメラに向かって、朗々と声を張り上げた。


「悪い子はいねがぁぁッ!!」


ケントが手にしたのは、かの有名な『黒い剣士』が振るう巨剣を思わせる、とてつもなく巨大な出刃包丁であった。


そこへ、T湾に対して「我が国には龍国がついている。龍国の意向として、C国に帰属しなければT湾を消滅させる」と脅迫を行っていた親C国の元外相、元首相、そして野党党首らが青ざめた顔で立ちすくむ。


ケントは彼らに命乞いや言い訳の隙すら与えず、巨大な出刃包丁を一閃させ、一瞬にしてその身体をバラバラに解体してみせた。


返り血を浴びたなまはげの面でカメラを睨みつけ、ケントは低く言い放つ。


「たまたま日本に龍の巫女が居ただけで、日本人だからって調子に乗るんじゃねぇぞ? 他の国には、また別の奴らがいってるからな」


その言葉を残し、ケントたちは痕跡もなくかき消えた。



時を同じくして、C国の人民大会堂。

厳戒態勢が敷かれた会議の場に現れたのは、神話に語られる『西王母』の絢爛たる姿を纏ったセリーナであった。


セリーナは、日本の悪徳政治家と裏で結託し、甘い汁を吸っていた重鎮政治家たちを見下ろすと、その手に宿した神聖なる炎を放った。

悲鳴をあげる間もなく、政治家たちは骨の一片すら残さずに焼き尽くされる。


「天は見ている。……次はない。この国ごと消し去るぞ。謙虚に生きよ」


冷酷なまでに美しい言葉を残し、セリーナもまた姿を消した。



ヨーロッパでは、龍国とのコネを捏造し、EU内での立ち位置を優位に運んでいたF国へ懲罰が下っていた。


エ〇ゼ宮の絢爛豪華な建築を木端微塵に破壊しながら、元首をその足で叩き潰したレナが、狂暴な笑みを浮かべて見下ろす。


「ネメシスはF国の思い上がりを許さない! 本来は敗戦国のくせに調子に乗るんじゃない! 今後は平伏し、下を向いて生きていくがいい!」



さらに中東では、この期に及んで龍の存在を否定するのみならず、龍を信仰する無辜の民を処刑していた国家の指導者層に対し、容赦のない神罰が下されていた。


指導者たちは切り刻まれ、焼き尽くされ、文字通り虫ケラのように踏みにじられていく。

返り血を浴びて、妖艶で凄絶な笑みを浮かべたザラが言う。


「復讐の女神アナトの怒りに触れた愚かな者どもよ、死を以て贖うがいい」



一日にして世界中で巻き起こった惨劇と奇蹟。

全世界の人々は、芯から理解することとなった。


真龍という絶対者のみならず、その意思を体現する『神子神社』に逆らうことなど、人類には決して許されないのだと。



——数日後。神子神社。


世界を恐怖のどん底に叩き落としたあの事件が嘘のように、境内には穏やかな風が吹いていた。

しかし、社務所の奥では、ケントを囲んで大説教大会が開催されていた。


「なんでナマハゲなんですか!? 世界中で中継されたせいで『夜に子供が泣き止まない』って苦情の電話が凄まじいことになってるんですよ!?」


眉間にシワを寄せて激怒するちえ。

セリーナとレナも呆れ顔で腕を組んでいる。


「まあ……たしかにアレはないよ、旦那」

「もう少し格好というものを考えたらどうですの、ケント?」


世界を震撼させた英雄とは思えないほど小さくなり、「いや、威圧感出るかなと思って……」と頭をかくケント。


そんな中、レナだけが頬を赤く染めながら、ぽつりと呟いた。


「……あ、あれを被ったケント様にこう押さえられ……アタシ的には、ちょっとアリです!」

「「「どこがよ!?」」」


セリーナ、ザラ、ちえのツッコミが同時に飛ぶ。


そんな騒がしいやり取りの隅っこで、ケントと一緒に国会へ乗り込み、実際に人に手をかけてしまった式鬼が、膝を抱えてズーンと重いオーラを放ちながら激しく凹んでいた。


「うぅ……僕、大変なことをしてしまった……」


世界を平定した神子神社の日常は、相変わらず騒がしく、そしてどこか抜け落ちたまま続いていくのだった。

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