30. レミアの魔法修行その3
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レミアの魔法修行二日目が終了して三日目に突入した。
今日もアイリィに指導を受けるためタリスマン裏手で修行を継続する事になり二人で打ち合わせをしている。
「今日はお店も休みですので、付きっきりでお手伝いします。これからレミアさんは、私が撃つ無属性攻撃魔法を防御魔法で防いで貰います」
「え、アイリィさんの魔法を受けるんですか?私死んじゃうんじゃ…」
「大丈夫です、肉体にダメージを与えないように撃ちますから」
「でも、この防御魔法で攻撃を抑える事にどんな効果があるんですか?」
「魔力の持続力を維持するには、どうやって効率的に魔法を使うかがカギになります。全力で防御魔法を出力して一瞬で消えてしまったら、さっき言われたとおり死に直結する可能性があるのは理解できますよね?」
「はい、わかります」
「相手が放つ攻撃を一瞬で理解して、どれくらいの出力で防御魔法を繰り出すか判断する能力は、魔力維持にも関係してくるのですよ」
「すいません、よくわからないのですが…」
「そうですね、例えばレミアさんの魔力が百あるとして防御魔法一回で十の魔力を使ったら十回しか使えませんよね、一回が五で抑えられたら二十回使えます」
「魔力を使う量を制御すると使える回数が増えるという事ですか、それはわかります」
「一定の魔力量を制御して持続維持する事により長時間出力や回数の増加つまり自身の魔力量を会得できます。更に攻撃魔法を防御し続けることで、魔法力が活性するので魔力の総量が上がりやすくなるんですよ」
「へええ、なるほど…」
「つまり、この修行を行うことで魔法の出力制御と持続力、自身の魔力量の理解、魔力向上が一気に出来るんです」
「なんだかいいこと尽くしですね!」
「でも一つ問題があってですね…」
「な、なんですか?問題って」
「これ、体に受けるともの凄い激痛が来るので覚悟してください」
「えっ…えええ!?なんでですか!」
「師匠曰くダメージも何もない状態で受けても危機管理能力が向上しないし、必死に防御しなくなるからとか…」
「い、痛みを和らげることは出来ないんでしょうか…」
「ダメです、諦めてください。それでは杖を構えて」
「ううう…わかりました」
観念したのかレミアは杖を構えて防御魔法陣の発動に備える。
アイリィは自身が持つ杖を構えて眼の前の少女に合図を伝えていく。
「それでは、いきますよ」
開始の掛け声と同時に杖から無属性魔法攻撃がレミアに向けて放たれる。
彼女は先日覚えた防御魔法陣を眼の前に展開して必死に防御しようと踏ん張っていく。
しかし、徐々に防御魔法陣は崩れ始め最後に消滅して、全身でアイリィの攻撃魔法を受けた後、少し遅れて少女は大声で叫ぶ。
「うきゃあああああ!いったっーーーい!」
アイリィの無属性攻撃魔法を体で受けたレミアは、余りの激痛に地面に転がってのたうち回る。
地面で倒れ込んでる彼女に対して、アイリィ冷静に起きるように促す。
「防御時間十秒…ちょっと短いですね。レミアさん、転がってないで早く立ってください」
「よ、予想以上の激痛で…ちょっと待ってください…」
レミアは自分の杖を使い倒れた状態からフラフラと立ち上がる。
「この魔法は肉体の神経系統に痛みの感覚を伝える無属性攻撃ですから、魔法が止まるとすぐに消えます。痛みを受けたく無かったら必死に防御してくださいね」
「な、なんだかアイリィさんって、ちょっとSっ気ありませんか…?」
「そんな事ないですよ、師匠の影響は少し受けてるかもしれませんが…さあ練習を続けましょう」
とびきりの笑顔を見せながら迫りくるアイリィの表情を見て僅かながら恐怖を感じてレミアは後ずさりをしていく。
だが、逃げようとしても容赦なく練習に連れ戻され、その日は夜遅くまで彼女の叫び声がタリスマン周辺に響き渡っていた。
──日は変わり四日目
レミアの短期集中魔力強化修行は四日目となった。
今日も朝からアイリィの元で魔法の講義を受けることため早朝からタリスマンに向かう。
「今日は、攻撃魔法を連続で撃つ練習をします」
「攻撃魔法を連続で撃つ?どうやるんでしょうか?」
「簡単ですよ、言葉のとおり攻撃魔法を途切れないように継続して撃ち続けるだけです。コツとしては、出力を絞って細く長く撃ち続けるのです、昨日私が撃ったように」
「もしかして、これって昨日練習した防御魔法を継続して出し続けるのが関係してるんでしょうか?」
「さすがですね、その通りです。昨日練習した事を攻撃魔法に応用するだけで単発だった魔法が連続して出せるようになるんですよ」
「この魔法を連続して出し続けるのも、昨日同様に魔力向上に繋がるという事ですね!」
「そうです、では初日に練習した的に攻撃してみましょうか」
「あの、撃つコツを教えてもらってもいいでしょうか?」
「先日、防御魔法を繰り出す時はマナを掌から全体に広げるように流す練習をしましたけど今回は逆です。マナを杖の中心部に集めてまっすぐ押し出すようにイメージしてみましょう」
「はい!やってみます」
レミアは魔法練習用の目標に杖を構えて攻撃態勢になる。
体にマナを巡らせて杖の先端まで伝わり、攻撃魔法を放つ。
一直線に無属性攻撃魔法が目標に届くが、あっというまに消えてしまう。
「ははっ…まだ全然ダメですね」
「いや、三日でここまで成長しているなら見込みありますよ。もう少し出力を抑えるように意識してみてください」
「解りました!やってみます」
「それでは、いつも通り私は店に戻るので自己練習を続けて、魔力が亡くなったら何時ものように補充にきてください」
「はい!頑張ります!」
レミアの魔法練習も慣れたもので流石に四日目になると指示したことに対して自分で練習を繰り返すようになっている。
アイリィの魔力を向上させる修行という言葉を信じて、ただひたすらに真っ直ぐに修練に励む彼女を見て僅かに笑みが漏れ出す。
そんな中、アイリィは既に感じていた。
まだまだ魔法制御は細かく出来ていないがレミアが着実に成長している事を。
残りの日数でどこまで成長するかアイリィは楽しみにしているのであった。
一日置き(隔日)の18時から19時頃更新予定
今日は、少し遅れました




