第十七話ドワーフ国での再会
第十七話ドワーフ国での再会
「ここを通ればドワーフの国はすぐだ」
ヴァルが近道を案内してくれたおかげで一時間足らずでドワーフの国に到着出来た。
「師匠見てください、試し切り場ですって!」
「そうですね、私も来るのは久しぶりですから初めて見ます」
「もう少し進めば試し射ち場もあるぞ。この辺りは近接武器を専門に扱う職人が多いからな」
ヴァルが私とカナタに説明していると近くを通りかかったドワーフの人が話しかけてきた。
「嬢ちゃん、詳しいな。来るのは初めてじゃないだろ」
「まあな。それと我と話していると良い素材が買えないぞガル爺」
「嬢ちゃん、本当にすげぇな。よく分かったな買い物中だって」
「そういえばヨル婆をさっき見かけたぞ」
「何!? ヨルがいたのか! 急がないと買われてしまう!!」
「ヴァルゴアちゃん、すごいね!!」
「慣れていれば凄くも何ともないぞ」
その光景を遠くから見ていた一人の女性が走ってきた。
「……なんだか、見覚えがあるような」
「ア〜ウ〜メ〜ア〜!!」
その叫びを聞いて理解した。
「師(先生)何故ここにいるのですか!?」
私は驚きながらもいつも通り避けた。
「何故ってアウメアたちがここに来る気がしてね」
「この人が師匠の師匠ですか、はじめまして」
カナタは頭をぺこりぺこりと下げた。
「カナタ、師が調子乗るからしなくても大丈夫ですよ」
「そうなんですか?」
カナタに説明している最中、見覚えのあるメイド服姿が。
「お久しぶりです、アウメア様」
「パメラさん、帰ってたんですね。お帰りなさい。……もしかしてまた師がわがまま言われてここに来たのですか!?」
「主の我が儘ではなく、お使いですのでお気になさらず」
「そうだそうだ。私がパメラに我が儘を言うわけないでしょ」
「いやいや前回は獣人の国で欲しいものがあるからってパメラさんを行かせたじゃないですか!!」
「疑問なんだが、そのパメラという奴は何者なんだ」
「パメラさんは師の家の家政婦さんです」
「家政婦に獣人の国へお使いに向かわせるだと……距離を考えてもおかしくないか? 貴様は本当に家政婦なのか」
「主の命令とあらばどこへでも、それが私の家政婦道でございます」
「……この魔力、まさか…………」
「あーあー、魔王くんちょっとこっち来て」
そして場面はヴァルに切り替わる。
「突然何の用だ。例えアウメアの師であろうが、敵対するなら容赦はしない」
あのメイドの魔力の気配(周囲を纏うオーラ的な物だ)が庭師で雇っていた神族の子供と同じだ。
魔力の気配は種族ごとに多少なりとも違いがあるが神族や天使には羽根のようなものが見える。
我が様々な種族を雇うようになった際に違いが分かるようになったのだ。
あのメイドの気配は純粋な神族だ。
…………ちょっと待て、このアウメアの師に一枚だが、羽根が。
「魔王くん、今気づいたね。アウメアには黙っててもらえないかな、秘密にしてるんだ。それより魔王くん、よく気づけたね」
「我には魔力の気配が見えているからな。それにしても貴様天使だったのか」
「天使……とはちょっとばかり違うかな。混血なのは一緒だけど、人間の血を取り入れすぎて天使の弱点がなくなった、堕天使ってところかな」
人間の血を取り入れた……それで魔力の気配が人間寄りだったのか。
「その堕天使というのはお前以外にもいるのか」
「当たり前でしょ。でも全員が敵ってわけじゃないよ。だって堕天使になれるのはアイツ…………神王を恨んでいる天使であり、人間を殺さず少しずつ血をもらった天使だけだから」
「ならば弱点を消すためだけに堕天使になる輩もいるということだな。警戒を強める必要があるな、情報感謝する」
「魔王くん、今から話すことはアウメアには絶対に黙っていてくれ。出来れば……」
「アウメアに秘密などするものか。我とアウメアは一心同体の相棒なのだぞ。アウメアに黙らなければならないことは聞けない」
堕天使の条件を聞く限り、おそらく神王を倒すことの話だろう。
ならばアウメアに秘密にしていては戦争を早く終わらせることが出来なくなる。
元よりこいつを利用するつもりの我からすれば……良い条件を提示すべきだな。
「アウメアにハグをさせてやる」
「えっ、本当!?」
「その代わりアウメアたちにも、その計画を話せ。我たちとお前らは目的は一緒なのだろう」
「……そこまで、さすがは魔王をしていただけのことはある。分かったよ、その代わり約束は守ってよ!!」
「アウメアに話はつけておく、安心しろ」
話はつける、嘘は言っていない。
我が変身魔法でアウメアの代わりになればよいだけのこと。
そして我とアウメアの師匠はアウメアたちの元に戻りアウメアの師匠から計画の全てを聞いた。
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