第十六話意外な一面
第十六話意外な一面
もうすぐアウメアに会える。
あの魔王くんとアウメアがいれば今回こそ私の望みも叶えられるかも……アウメアが良い相手を見つけて師匠としては鼻が高い。
「レイヴェル様、どうなさいましたか?」
「その名前はやめてって言ったでしょパメラ、呼ぶならミーシャって呼んでよ」
「しかしレイヴェルの名はお父様から頂いたお名前です」
「アイツを父親なんて思ってないよ。そもそもパメラだってアイツが気に入らないから私に付いてきてくれたんでしょ」
「そうですが、あの方は仮にも王です。アイツとお呼びになるのはどうかと」
「王だろうが、アイツでいいんだよ。私を捨てたやつのことなんて。そんなことより聞いてよパメラ、アウメアが私を頼ってくれるんだよ!!」
「それは良かったですね」
「それでパメラに頼みたいことがあるんだけど聞いてくれる?」
「ミーシャ様のお望みのままに」
「ドワーフの国の宰相が丸め込めそうなんだ。仕上げ頼みたいんだけどいい?」
「仰せのままに」
これが上手くいけばドワーフの国は私たちの計画に協力してくれる。
そうすれば結果的にアウメアの助けになる。
獣人国、龍人国は味方につけることが出来た。確かエルフの国はヴェルワルドが交渉してるから成功すれば四ヶ国か……まだ足りない、アイツを倒すための戦力が。
あの時のアイツは想像すらしてなかっただろうな、母親の腹の中にいた私が私と同じ状況の子に父親の力を奪わせる呪いをかけたことに。
私の力でも半分が限界だった、アイツの力がもっと削げれば……いや、私がもっと成長出来ていればな。
私一人だと勝てない、そう感じたから弟子を取ることにした。
そこにアウメアがいたのは運命か、はたまた必然か……一万と百四年、今度こそアイツを玉座から引きずり下ろす。
「さて考えるのは一旦お〜しまいっと、癒しのアウメアに会いに行こっと。今度こそぎゅ〜って抱きしめるぞー!!」
そして場面はアウメアたちに切り替わる。
「なぜかものすごい悪寒が……」
「風邪でも引いたのではないか、少し休むか?」
「そうですよ師匠!! 悪化しちゃう前に休みましょうよ」
「風邪かどうかまだ分かりませんけど、少し休みましょうか」
私はカナタを見て気づいたことがある。
「そういえばカナタの装備って一緒に旅してた時にあげたまま変わっていないですね」
「あはは、よく分かりましたね。さすが師匠、気づいてもらえて嬉しいです」
「……物持ちがいいのは良いことですけど、せっかくの機会ですから新しい装備を買いますよ」
「そう……ですよね。思い出がいっぱいあるんで替えたくはないんですけど、師匠から買ってもらえるなんて滅多にないのでお願いします!」
「装備といえばドワーフたちに頼めば良いのではないか? 我は軍の装備は奴らに頼んでいるぞ」
「ヴァルが言うなら間違いないですね。確か近くにドワーフの国があったはずです。そこでなら最高の装備を作ってもらえるはず……これを機に私も新しくするべきでしょうか? 悩みますね」
「我はそのままでも良いと思うぞ、似合っておるしな」
「武器の話ですよ」
「分かっておる。その刀は替えるべきではない、メンテナンスぐらいなら良いと思うが」
「何故ですか?」
「その刀にアダマスという名前が刻んであるだろ。アダマスは世界最高峰の鍛治職人だぞ、替えるなど勿体無いだろ!」
「……さすがに色々と見てから決めます。替える時はこの刀はヴァルにあげます」
「そうか、分かった」
「その顔もしかしてヴァルゴアちゃん、その刀欲しいんじゃないですかぁ〜?」
「欲しくない、と言うわけがないだろう。正直言ってその刀を持っているアウメアが羨ましいぐらいだ」
「なんだかヴァルの意外な一面が見られたみたいで嬉しいですね」
ヴァルがそこまで言うアダマスさんとはどのような方なのでしょうか、実際に会ってみたいものです。
読んでいただきありがとうございます!!
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