第13話 中域の王達を配下へ加えんぞ!
ギルドハウスを出て近くの公園のような広場へ行く。ここならば人気もない。人目を気にせず好きなだけ話せるだろう。すぐにアドルフに指示を出す。
「俺は今から中域の怪物退治に洒落込む。テメエはまだ弱い。今日は連れて行けねぇ。本格的な修業は明日からだ。
今日は俺の配下の柱とお前の低い【才能】をどうするか話し合いな。アイツなら何かの策を出してくれるはずだ」
アドルフは奥歯をきつく噛み締めたが大きく頷く。戦力外通告されたのが、それなりに堪えているのかもしれない。
「ぼ、僕は?」
「テメエは帰って寝ろ。もう餓鬼は寝る時間だ」
「なっ! 僕は君より年上だ!」
非難の声を上げるフローラを無視して、『七つの迷宮』に語りかける。
「テューポ、出てきな!」
眩い光と共に龍執事――テューポが出現する。
「我が主よ。この度、我をお呼び頂き恐悦至極にございます」
テューポは片膝をつき臣下の礼をとる。テューポの途轍もないまるで世界を覆い隠すかのようなオーラを浴びて、フローラは自分の胸を押さえて蹲ってしまった。
ショウが咄嗟にフローラの前に出る。そのショウの行為により、テューポは初めてフローラの存在に気付いたのかその溢れんばかりのオーラを抑えた。
(クソッ! まただ。俺は――)
これに対しアドルフは、テューポに対して歯をガチガチ言わせながらも跪いている。
昨日ショウが暇潰しに読んだ本――『世界の歴史』には、太古の昔、竜人は龍王と人間の王女が恋に落ちて生まれた種族であるとの記載がなされていた。テューポも龍に関係する柱だ。フローラよりも過剰な反応をとっているのも十分頷ける。
「こ、この御方は?」
アドルフはショウに恐る恐る尋ねる。
「紹介がまだだったな。此奴の名はテューポ。
翔太の阿呆が異世界で魂のまま彷徨っていた此奴を無意識に召喚し、翔太の【魔力】を用いて身体を形成した龍の神だ」
これは事実だ。昨日テューポに確認をとったから間違いはない。ここからは完璧にショウの予測ではあるが、この『七つの迷宮』の精霊生成機能は若干説明が不十分なのだ。開発者である発明王は、どうせ詳しく説明しても理解できないと考え説明を誤魔化している。
翔太やフィオンは精霊を零から生成していると考えているようであるが、それは絶対にあり得ない。魂を作る事はこの世、あの世合わせてもたった一つの存在しかなしえないのだから。
この『七つの迷宮』は生きものの一部の情報から同種の魂を召還し、肉体を所持者の【魔力】で形成する。
確かに『七つの迷宮』により精神生命体を疑似的にも創り出していることには変わりない。発明王の書いた取説は説明が不足してはいるものの間違ってはいない。
そしてここからが肝心だ。魂の召喚は十中八九『七つの迷宮』所持者の【才能】の高さに依存する。つまり【才能】が高いほど、高位の魂を召還するという具体だ。エミーのペット精霊――ケトも翔太の血液を用いたのだ。ただの光の精霊なんかではないだろう。神に限りなく近い存在。もしかしたら神そのものかもしれない。
無論、これが翔太でなければ、精霊のペンダント、『七つの迷宮』で召喚される魂は下位精霊ということになる。
テューポも同じだが、翔太の馬鹿さとガルトの好奇心が災いし、黒龍の鱗という【伝説級】にも匹敵するようなこの世界では、滅多に手に入れることができない素材が召喚の触媒に用いられてしまった。その結果、異世界に漂っていた超高位の龍神の魂が召喚され、翔太の【魔力】で肉体が形成されてしまったのだ。
マイリーキーも、神に近い存在であるケトの毛を触媒にして召喚された。間違いなく召喚されたのは神だろう。彼女が『七つの迷宮』でテューポと同格の地位であることからも、これは証明されているといって良い。
もちろん、ベヒモスも神獣のディートの毛を触媒にしており、右に同じだ。そう考えれば、ディートがベヒモスを特に畏怖していたことも十分な説明がつくはずだ。
『七つの迷宮』の7階層で働く執事、メイド、近衛兵達にも今後《解析》をかけてみる必要はあるが、龍神、精霊神、獣神に近い存在だろう。流石に、神そのものとまでは思えないが、単なる龍王や精霊王、神獣王ごときでは断じてなかろう。
「りゅ、龍の……神……?」
アドルフの震えが増す。当初、恐怖や畏怖により震えているのかと思ったがどうやら逆のようだ。眼に涙を溜めて驚喜の表情を顔面に漲らしていた。魂の底から狂喜しているようだ。
さすがにこのような反応は想定外だ。リアクションに困る。
「テメエ……」
「やはり、貴方に仕えたのは間違いではありませんでした。我等竜人の祖先は人間と龍です。ですが、龍の神はお伽話の中だけの話。我が国建国以来一度たりとも姿をお見せになられた事はありません。それが今こうして私の目の前におられます。貴方に仕えることができてこれほどの幸せはございま――」
「どうでもいいが、気持ち悪りぃから俺に敬語は止めろよな。それが部下にしてやる条件だったはずだ」
「しかし、我らが神の主にそのような無礼な態度をとる事はできません」
ショウは頭に右手の掌を当てて、テューポを睨み付ける。
「ほら見やがれ。テメエが気持ち悪りぃ敬語など俺に使うから面倒な事になったじゃねぇか。今回の事でわかっただろ? 翔太にはともかく、俺には敬語は止めろ!」
「嫌でございます。いくら主の命でもそれだけは断固として拒否されていただきます」
(こ、こいつ、餓鬼か~? 口調も変わってんぞ!)
「ちっ! とにかく当初の盟約は失効していない。テメエは俺に敬語は使うな。使えば部下には出来ねぇ。わかったな?」
「わかり……わかった」
「それじゃあ、御姫様が怯えてる。テメエらは『七つの迷宮』の7階層でアドルフの【才能】の問題の改善策を練りな!」
「「御意!」」
テューポが右手を胸に当て軽く頭を下げる。アドルフも同じような姿勢をとった。それを見てショウは若干頬をヒクヒク痙攣させる。
一人と一柱の姿が消えてやっと落ち着いたのか視線を落としへたり込んでいたフローラがショウを見上げる。
「ショウ、今の柱、神様?」
「んなわけねぇだろ。全部冗談だ」
そのショウの言葉を聞いて心底安心したのか、蒼白い顔が色を取り戻す。
「そ、そうだな。そうに決まってる。全く、人が悪いぞ。神様だったらどうしようかと思ってしまった。そうならショウも――」
「理解したら、さっさと帰れ! もう餓鬼には危険な時間帯だ」
キツイ調子でフローラに向けて言葉を発すると、フローラも口を尖らせる。調子が戻ってきた様子だ。
「だから! 僕は君よりも年上だ!」
何が嬉しいのかわからないが、フローラは僅かに表情を崩す。立ち上がろうとするが、腰を抜かしたようだ。
(またかよ。これでよくSSクラスなんてなれたものだ。そして俺はこの上なく阿呆だ。こんな鬱陶しい女、放っておけば良いものを……もう翔太の事を言えねぇなぁ)
ショウはフローラの前にしゃがみ込む。フローラが飛びつくようにショウの背中にしがみ付く。
フローラの根城はエルドベルグの領主の館だった。どうやら、領主の娘らしい。道理で世間知らずの無鉄砲なお姫さんのわけだ。
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途中、ヴァージルと鉢合わせるのではないかと冷や冷やしたが、無事に領主の館まで辿り着く。門衛はショウに事情を聞くやいなや、屋敷の中に駆けこんでしまう。碌な事になりそうにもない。
案の定、ロニーが現れ、ショウにしがみ付いているフローラの姿をみて鬼のような形相になった。
(ロニーの奴怒り狂ってやがるな。マジでフローラと関わって碌な事ねぇ。ロニーの野郎はすでに人間止めてんだ。手加減が難しい程度には強くなっているはずだ)
「ロニー、御姫様は届けたぜ。受け取りな。フローラ、さっさと降りろ!」
中々降りないフローラをせかして、地面に立たせる。
(ちゃんと立てるんじゃねぇか。だったら自分で歩けよ!)
「じゃあなぁ!」
右手をヒラヒラさせて、領主の館を後にする。背中にロニーの射殺すような視線を感じる。翔太も【憤怒】を装備してステータスが平均2300近くにはなったはずだ。
とすれば、ロニーに襲われても瞬殺されることはないだろう。逃げることくらいはできると思われる。
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城門に向かうとアルがいた。ショウは陽気に右手を挙げる。
「よお! お勤めご苦労さん!」
「おい、おい、また反抗期か?」
「そんなところだ」
「反抗期もいいが、こんな夜更けから冒険にでるつもりか? あまりに危険だ。止めておけって!」
「心配ありがとぅよ。夜にしか咲かねぇ花の素材を取りに行くだけだ。スライム程度しか出ねぇから大丈夫さ」
「そうか……だが、危なくなったらすぐに切り上げろよ」
「ああ、そうするよ。テメエも身体ぁ気を付けな」
ショウが他人の心配をするなど珍しい。翔太とショウは異なる存在だが元は同じだ。翔太が信頼している者はショウも当然信頼しやすい。もっともアルにおいてはショウ個人もかなり気に入っているという事もあるのだろうが。
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アルと別れ、城門の外に出る。
ショウが結構本気で走るとすぐに魔の森の入口に付近に到着する。魔の森は現在立ち入り禁止であり、その入口付近には、冒険者の見張りと救助隊らしき者達の駐屯地があった。テントに近づくと、デリックからショウの事は聞いていたらしく、丁寧な対応をしてくれた。
魔の森の中に入る。日の沈んだ魔の森は、かなり不気味であり、貧弱翔太ならば、多少なりとも恐怖を覚えたかもしれない。勿論ショウにそんな人間らしい感情があるはずもなく、高速で木の上を移動して直ぐに目的地である炎鬼の根城へ到着した。
「だ、誰だ!?」
見張りの炎鬼の部下二人は、洞窟の入口にゆっくりと近づいて行くショウを見ると、指笛をならす。すぐに炎鬼部下達数十人に囲まれる。
翔太の妙に落ち着いた雰囲気を察知し、中域の怪物とでも勘違いしているのかもしれない。歴戦の勇者であるはずのゴブリン達の手は僅かに震えていた。
「ショウタ・タミヤが会いに来たとお前らのボスに伝えな」
奥から全身黒ずくめの者がショウの前にでてきた。顔も完全に隠れており、性別、年齢すべてが不明だ。ただ、赤い目だけがショウを眺めている。
(この気持ち悪りぃ視線、見覚えがある。翔太の記憶を認識しているに過ぎねぇから確信までは持てねぇが、記憶を認識していているだけでもこの気持ち悪さは十分感じることができるんだ。十中八九、間違いはねぇよ。つまり、翔太の拷問ショーを見ていたのは蒼髪女以外にもいたって事か。
大人気じゃねぇか。翔太! テメエ、立派な役者になれんぜ!)
黒ずくめの者が手を挙げて合図をすると、他のゴブリン達も武器を下げた。 もっとも警戒は全く解いてはいなかったが。
「頭の下まで案内します」
中性・無機質な声色であり、性別、年齢は判断できない。黒ずくめの者の後を付いて行き、昼間に翔太が連れてこられた応接間の様な部屋へ案内される。
ソファーに座る様に進められたので、ドカッと座り寛いでいると、炎鬼がやって来た。炎鬼はショウの向かいのソファーに座ると直ぐに話を切り出す。
「お待たせしやした。失礼を承知でお聞きしやす。貴方は本当にショウタさんでぇ?」
(さて、この質問に対する返答はどうするか……普通なら双子の兄と答えるところだが、俺はこいつ等を配下にしたいと考えている。配下には俺の現状をしっかりと認識してもらわにゃならん。じゃねぇと今後の計画が立てようがねぇ)
「そうだ。俺はショウタ・タミヤだ。身体は昼間の昼行燈の腑抜けと同じだと思って良い。もっとも、中身は全く違うがな」
「……二重人格のようなものでぇ?」
「ああ、そんな感じで理解しな! ちなみに、ショウタは俺の存在は知らねぇから、そこらへん対応を頼まぁ」
「はぁ。わかりやした。それで、御用は中域の怪物の討伐の件でぇ?」
「そうだ。その件で俺から提案がある。昼間の猿と狗を呼びな」
ショウがニタリと口角を三日月状に吊り上げる。そんなショウを見て炎鬼は石のような固い表情になりながらも大きく頷いた。
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白猿王とオストロスが炎鬼の根城に訪れたのはその1時間後だった。現在、ショウのソファーの対面には、炎鬼がその両脇に白猿王とオストロスが座している。オストロスと白猿王にも今のショウの状態を教え、『ショウ』と呼ぶように指示する。彼らは大きく頷く。これでやっと話す準備が整った。
「俺達まで呼んだ理由は、中域の怪物の討伐を引き受けてくれるという事でよろしいかな?」
オストロスは、デリック同様勿体を付けるのが苦手らしくショウに尋ねて来る。
「そうだ。ただし、俺から条件がある。その条件をテメエらが飲まなければ俺は討伐を引き受けねぇ」
「それで条件とは?」
野獣が山に放たれたような獰猛な笑みを見たからだろう。炎鬼は躊躇いがちにもショウに尋ねる。
「俺の配下になりな!」
「「「…………」」」
ショウの想像通り、オストロスと白猿王は顔に捨て犬のような不安と驚愕の表情を張り付かせている。炎鬼はショウの思惑が全く読めないのだろう。著しく困惑している様子だ。
どうやら、配下に加えるにつき最低限のレベルはクリアしたようだ。昼間、翔太達が無茶苦茶をしたらしい。テューポのような出鱈目な従者を見せつけられて、怒りを覚えショウに刃を向けるような無能な奴には用はない。その場合にはこの話も流すつもりだった。その際、炎鬼達がどうなろうとショウの知った事ではない。
「よ~~く考えな。そして、慎重に決断しろよ。言っておくが翔太はこの依頼うけねぇぜ。彼奴は悪魔に玩具になってからかなり慎重になってやがるからなぁ。正義ごっこには消極的だ。フィオン達も翔太がやらなければ決して動かねぇ。テメエらにはもう俺の配下になるしか生きる道はねぇ」
炎鬼、白猿王、オストロスの全員がショウのいう事が真実であると実感しているのだろう。思考の渦にのまれ一言も言葉を発しない。
「そ、それは俺が貴方の配下になれば、部下達までは配下にならなくてよいのか?」
暫らく目を瞑っていたオストロスが絞り出す様に答える。
「ああ、俺が必要としているのはお前達だけだ。他は別にどうでもいい」
「なら、俺は貴方の配下になろう」
「オストロス! お主?」
これはよほど、あり得ない事なのだろう。白猿王は頓狂な声を上げる。だが、それはショウも同じだ。ここで、一番配下になる事を最後まで納得しないと思っていたのがこのオストロスだったからだ。
「配下になれと言っておいてはなんだが、一応俺の配下になると言った理由を聞こうか? 俺が見たところ、テメエは自分の仕える者は自分で選ぶとか言いそうな性質だろ?」
「確かに俺は戦士だ。己の主は己で決める。これは俺の本質であり、俺の命よりも大切なものだ。
だが俺は戦士である前にコボルトの王でもある。部下の命と天秤にかければ戦士の矜持などいつでも捨ててやるさ」
(なるほどな。此奴、こういうタイプか。まあ、個人的には嫌いじゃあねぇ。此奴だけでも手に入っただけ儲けもんというところか)
このショウの提案には大きな穴がある。オストロスが配下になった以上、ショウには中域の怪物討伐の義務が生じる。炎鬼と白猿王はもはや配下になる必要はないのだ。最初からショウも3体のうち1体でも配下に加われば良いと思っていた。結果は上々だろう。しかし、状況はショウの予想の斜め上を行く。
「ワシもお主の配下に加わろう。もはや体裁を気にしている場合ではないようじゃ。それに、コボルトの王のみに押し付けるのは仁義に反する」
「俺っちも配下に加わりますよ。元々俺っちが渋っていたのは俺っちの部下まで巻き込むからでありんすからねぇ」
(……此奴等、間違いなく馬鹿だな。だが、こんな馬鹿共には滅多に出会えねぇ。アドルフといい、俺は運が良いのかもしれねぇなぁ)
「安心しろ。配下といっても、俺がベルゼブブっていう悪魔の親玉を殺すまでだ。それ以降は自由だ。好きしな」
悪魔と聞いて炎鬼達の顔が恐怖で青くなる。一々、感情の起伏が激しい者達である。
申し訳なさそうに、炎鬼がショウに告げる。
「申し訳ありやせんが、俺っち達に悪魔と戦えるだけの力はありやせん。無論命令とあれば、戦いま――」
炎鬼達は、特攻しろとでも命令されると思っているようだ。
ショウは壮絶に勘違いしている炎鬼の言葉を遮る。もう夜も更けている。これ以上無駄な時間は使えない。戦っている間に翔太が起きたら全てがその時点で終了するのだから。
「勘違いすんじゃねぇ。お前達の力の向上は別途考えるつもりだ。今のままでは【才能】の値が低すぎる。今配下の者に調べさせている。この戦いが終わったら、すぐにでも取り掛かる」
「そ、そんな事が可能なので?」
炎鬼は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする。オストロスと白猿王も同様であり、口を半開きにして、しばらくそのままの状態であった。
(ん? やけに驚くなぁ。【才能】の値は一生延びねえからか? 進化すればいいだけじゃあねぇか。此奴等にとってその進化がクソ難解という訳か……力の向上は確かに骨が折れそうだ。
まあいい、奥の手もあるにはあるからな。後は此奴等に選ばせるだけだ)
「そうだ。兎も角、俺は今から中域の怪物をぶっ殺してくる。テメエらは身辺を整理しておきな」
炎鬼達は大きく頷く。
さて、お膳立ては全て済ませた。あとは、楽しい、楽しい戦いの時間だ。命と誇りを懸けたピリピリした生存本能を刺激する闘争が待っている。起きてから敵が弱すぎて少々欲求不満気味だったのだ。
これはあくまでショウの勘だが、中域の怪物はショウといい勝負ができるような気がする。いや、そうでなくてはならない。翔太が見つけてきた敵だ。まともではないのは明らかなのだから。
ショウは意識を戦闘に特化させていく。もう、雑音は耳には入らない。すぐに、炎鬼の根城を出て、魔の森――中域を彷徨い始める。真の強者との祭りのために――。




