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コンヒュージョン  作者: スズキ
第2章 50年後
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失楽園

カクヨム






前のエピソード――第14話 異常

第15話 失楽園


老白羽の孫、黒猫の伊吹御影《いふきみかげ》は重力子を自在にコントロールする。


13歳にして、2億odを有する獣人キメラの特殊個体《ギフテッド》である。


ダークマターは見えない引力で吸い寄せ、


ダークエネルギーは斥力を発生させる。




以前、老白羽にくっついていた三毛猫少女は、妹の伊吹雫《いぶきしずく》で、10歳で15万odに達し、白羽の再来と噂される。


身体を水に変身させ、狭い隙間を軽々と通り抜けたり、ウォーターカッターで金属、石材など何でも切断する。


惑星ウシュクベの知的生命体マストと以前交流した際、水を操りシェルターを握り潰す方法も教えてもらった。




伊吹御影は、危険因子として、すでに羽曳野喋花に捕らえられている。戸籍がないため、誘拐されても法の庇護を受けないのだ。




雫は臆病になってしまった。


一緒にいた姉が忽然と消えたのだ。何をされたか誰にもわからない。





クローン白羽は、担任の舛岡等《ますおかひとし》


の計らいで、傭兵校に転校した。


神々廻顕《ししばあきら》(100万od)は白羽に、国際親善部への参加を勧めた。


顧問は舛岡。部長を神々廻が務めるこの部の目的は、吸血鬼などの怪人や異星人などと親交を深め、人類復活への前進をする事だ。


他には、ウイルス研究部、情報処理部など、専門分野に特化した部活動を選択でき、それらは授業単位に含まれる。




部室では、不知火燎里(18万od)と鳴神鵺(30万od)が談笑している。


「光のエルフは小さくて美しかったけど、闇の妖精デックアールヴは陰湿だったね。」


「私はデックアールヴの漆黒の肌も魅力的だったわ。小悪魔って感じで好きよ。」


「鳴神さんはトゲのあるタイプが好きね。」




部室に入ると、神々廻が常磐津深麓(50万od)に話しかけた。


「セイレーンの歌に魅惑された部長を止めるのは至難だった。サイクロプスやミノタウロス、キマイラよりも強かった。」


「耳栓をして聞こえない中、知らぬ間に後ろから触られ骨伝導で歌を聞かされてね。想定外だったんだ深麓君。あの時は君の植物がセイレーンの首を絞めてくれて助かった。」

深麓は、セイレーンの魅惑《インファチュエーション》を植物で吸音させて防いだのだ。




部長が皆に声をかける。


「今日は京都の烏天狗に会いに行く。」


「牛若丸に剣術を教えた腕前が気になる。」


深麓は戦闘を楽しむタイプだ。


「中国では流れ星に間違えられるほど、速くて強い妖怪だ。決して闘いを挑まないように。」





蝶花は、国際親善部の京都入りを見計らい、大天狗(9800万od)を襲撃する。


大天狗の前に、戦闘の最中一瞬、蝶花が故意に姿を現す。


人類からの襲撃と見なした天狗達は、来訪した国際親善部を問答無用で攻撃する。


国際親善部は兵学校の精鋭だが、大天狗の相手は務まらない。


「白羽。逃げて!」


地面に伏せながらも燎里が話しかける。


神々廻が兵学校に連絡する。


現人神の神々廻は、ヘルメスを顕現させ、燎里と深麓を逃がす。




はるか昔、パラレルワールドにて、神が自分をモデルに、最初の人間アダムとイヴを作った。地獄の統一に苦心するルシファーが神と手を組もうとしたが失敗し、蛇に化け、イヴを騙す。


人が神の力を失った後、ギリシャでは神の活躍する金の時代、半神のペルセウス、ヘラクレス、テセウスが活躍する銀の時代、神が忘れられた人間の銅の時代へと移るが、世界でも同様に神の存在は忘れられ、伝説となった。




コンヒュージョンの影響でリアルワールドに神が来られる様になった。


神々廻は現人神の家系なので、よその神であろうが顕現させる力がある。




伊吹白羽は逃亡を断った。


抑えていたオドが跳ね上がり、6千万odまで上がる。


「君は一体?」


神々廻が驚く。




粒子化光線で天狗のほとんどを蹴散らす。


しかし、白羽も大天狗と、その側近には敵わない。




鞍馬山には鳴神鵺も残っていた。


オドが大きく膨れ上がり、8億を超える。


巨大獣人ティツァモルサに変身した鵺は、たやすく大天狗を蹂躙する。




「私は何億の人体実験を経て、唯一成功した千変万化のキメラ。天音瑠流の右腕。彼を救出する事が私の使命。」


鳴神鵺は、伊吹白羽に語りかけた。


「蝶花がどんな能力を使ったかはわからない。天音瑠流が時空系能力を使うから、同等かそれ以上の力を使っていると仮定できる。」

鵺は白羽に意見を求めている。

「なら、四次元装置を使って、適正のある者を時空系の世界へ入門させればいい。」

「一人いるわ。不知火燎里は異世界から迷い込んできたの。」

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