表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/8

4

とある郎人、斯く語りき。

「ひとはことばによってひとになり、ことばはひとの世界となった。ことばで分かたれたひとは、ひとびとになった。

 ひとびとはひとりになった。分かれたからこそ、ひとりひとりになった。ひとりとひとりは同じ方を見る。けれど、見ているものは同じもの?

 われわれはいつしかわからなくなった。ひとひとりでいのちが生きていることを。ひとひとりでこころが動いていることを。ひとひとりでたましいが震えていることを。

 ひとがことばになった。ことばは意味になった。意味は小さくなった。小さくなったものが、世界を埋めた。

 埋められた世界は、自分のかたちがわからなくなった。もとの虚闇に、戻れなくなった。虚闇は幻になった。幻は、帰れない故郷だった。

 故郷は遠く、幽かに、細く世界と繋がっている。けれどそれは、ひとには見えないものだった。けものたちだけが、故郷を見ていた。

 われわれは、帰る場所を喪ったことを知ったのだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ