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とある郎人、斯く語りき。
「けものとひとを分かつものは多くない。
ひとは黄金と白銀と無色が重なって、生きたものだった。けものは黄金と白銀と無色が重なって、生きたものだった。
同じ生きたものだったが、ひとはことばを呑み込んだ。けものはことばを遠ざけた。
かたちをもたないことばがひとをひとにした。分けるもののないかたちがひとになった。
ことばを遠ざけたけものはからだになった。からだがこころで、こころがたましいだった。
分けたものはただひとつ。ことばがわれわれをひととけものにした。ひとのことばが世界を色付けたのだ。」




