表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/8

2

とある郎人、斯く語りき。

「われわれひとのかたちは完全ではなかった。われわれひとのかたちは不安定だった。石の如き悠久からは見放されたものだった。

 もの織りなすは三種の力、黄金と白銀と無色が重なって、生きたものになっていた。

 石には黄金が欠けていた。白銀と無色の重ね合わせでは、悠久であっても生きてはいなかった。

 木には白銀が欠けていた。黄金と無色の重ね合わせでは、森厳であっても悠久ではいなかった。

 ひとではないものは紺灰が多かった。黄金と白銀と無色と紺灰では、生きたものには戻れなかった。

 遥かなものは朱赫も多かった。黄金と白銀と無色と紺灰と朱赫では、どこにいることもできなかった。

 われわれひとのかたちは不完全だった。けれど、不完全なわれわれが、大地を満たして地を均した。

 きっと他より劣っていた。けれどわれわれは、黄金のいのちと、白銀のこころと、透明なたましいを持っていた。

 いのちは明日を、こころは昨日を、たましいは今日を待っていた。だからこそわれわれは、大地を満たせた。地を均せた。

 きっと何かが多くとも、何かが少なくとも、われわれは生きたもの足りえなかった。不完全なわれわれは、不完全なまま生きるべきなのだ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ