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第3話 ユリセントさんのお着替えタイム

 俺の目の前には、おかずにピッタリな絶世の美少女が着替えをしている。


 黄金色の絹糸のような金髪。白磁器のような素肌。猫目で碧眼の愛らしい瞳に顔立ち。


 さっきまで裸だった俺の専属メイド。ユリセントさん。ここ数年で、すっかり美少女へと成長したユリセントさんだ。


「………あの。見過ぎでは?」


 何故だろうか? 顔を赤くしながら、ジト目で俺の様子を羞恥した顔で睨みつけてくる。なにか不満でもあるのだろうか?


「ん? あぁ、気にしなくていいぞ。そのまま続けてくれ。ユリセントさん」

「~~~! 私が気にするんですっ! リーン様の変態! スケベ! 意気地無し~!」

「ふむ。今日着るためのメイド服を俺へと投げるな。ユリセントさん」

「んも~/// んも~~~! リーン様のエッチ~さんです!」


 ―――現在。黒色のエッチな下着姿をしたユリセントさんの着替えを眺めながら、優雅な朝食を取っている。


「ハハハ! 全然当たってないぞ。ユリセントさん」

「ムキ~!」


 可愛いらしく怒るものだな。ユリセントさん。……しかし、あれだな。


 俺が前世の記憶を思い出す前のユリセントさんは、俺に裸を見られたくらいで動揺しない”腹黒メイドさん“だったが。


 最近の彼女は、俺にからかわれると直ぐに怒るように、攻撃性も増した。恥ずかしがるようになった“腹黒ツンデレメイドさん“へと、たったの数年でジョブチェンジを果たしてしまったな。


「…………あの。見過ぎでは?」


 現在、ユリセントさんは白色のニーハイソックを着用しようとしている。膝から太ももへと上がっていく姿は、なんとも男心をくすぐるような妖艶ようえんな光景だろうか。


「ふむ別に気にすることはないぞ。ユリセントさん。……俺と君は、幼馴染みで昔からの裸の付き合いもしてきた仲な。主従の関係。そこによこしまな心など生まれるわけ……」

「フンッ!」

「ごばっ!?」

「なんですか? それ? 私の身体って、リーン様にとっては魅力的に写らないんですか? 酷くないですか?」


 ……頬っぺたつねりをお見舞いされてしまった。最近のユリセントさんは、いつもこうだ。すぐに俺に怒りの発露ぶつけてくる。


 き、機嫌を直してもらなければ……そうしないと、後々俺が破滅する。


 まったく。数年前までは小悪魔系美少女だったのにな。今はツンデレ系美少女に変化するなんて、計算外だったな。


(~~~~~~///ずっと、リーン様に見られてる……恥ずかしい……朝から可笑しな気分になっちゃうよぉ)


 シルク生地で作られたニーハイソックスが、ユリセントさんの太ももまで持ち上げられ、パチンッ!と音ともに上がりきる。そして、残った片足にも、ニーハイソックスを着衣し。彼女はガータベルトを装着した。


 随分とエッチな光景だな。


「朝から……」

「……ん?」

「………朝から、幼馴染みの女の子メイドの生着替えを見れて楽しいですか? リーン様」


 顔を赤リンゴのように実らせ、ユリセントさんは俺へと質問する。そんなの当たり前だろうに。


「うむ。朝から、素晴らしい光景が見れて俺は幸せだぞ。ユリセントさん」

「し、幸せてって。……それなら、メイド服を着るの……手伝ってくれませんか? ファスナーとか1人だと閉めずらいので。お願いします。リーン様」

「うむ。喜んで手伝おう。俺はもう、貴族でもないからな。ハハハ」

「よ、喜び過ぎてはありませんか? リーン様のエッチ! エッチ!」


 ユリセントさんは、ポコポコポコポコと俺の頭を軽く叩いて恥ずかしそうにしている。


 幼い頃から一緒に過ごしてきた幼馴染みになにを発情しているんだろうか。


 エロチックで艶麗(れいえん)に成長する、俺の専属メイド(ユリセントさん)の考えが最近分からなくなってきたな。



 ユリセントさんの生着替えのお手伝いも無事に終わり。現在、宿に併設されている食堂でティーブレイク。


 なに、これでも公爵家から追い出された元貴族、たしなみと余裕を持たねばならない。


「ふむ。今日も朝は少し過ぎたが。コーヒーがうまい。素晴らしい日になるな」

「……なにを言っているんですか。リーン様。お金です。お金……もう、この宿を出てからの私達の所持金は0リラなんですよ。どうするんですか?……はっ! まさか私に遊女をやらせて日銭を稼がせる気ですか? 最低です。リーン様」


 ちなみにリラとは、この世界の全国共通の貨幣名だ。流石は元がエロゲー世界。ご都合主義が素晴らしい。


 そして、ユリセントさんの勘違いが加速している。エロゲーのヒロインとしてのユリセントさんはヤンデレ属性だったに、ツンツンした属性になっているな。人は変わるものなのだな。


「まぁ、落ち着くんだ。ユリセントさん。可愛くツンツンするな。可愛い顔が更に可愛くグレードアップしているぞ」

「つっ//// ツンツンなんてしてません!」


 ……またツンツンした。ユリセントさんも、今年で14歳。お年頃というヤツだろうな。


「お金のことなら安心するといい。そろそろ、俺たちへの資金源が絡んでくる頃合いだろう」

「資金源が……絡んでくる? リーン様。それってどういう事ですか?」 

「いや、後ろだが」

「……後ろ?」


 俺はユリセントさんの後方へと指を差し、ユリセントさんも俺が指を差した方へと顔を向ける。


「おうおう!! 身なりの良い坊っちゃんよう。若くて可愛いメイドさんを連れてるじゃねえか。ちょっくら、俺たちと遊ばせろや」

「ギヒヒヒ!! 可愛がってやるぜ。お嬢ちゃん」


 ふむ。たまに、このエロゲー世界にも現れるんだ。性欲が普通にある《《異常者》》がな。ユリセントさんの魅力に釣られたか。

 突然、現れたのは不良冒険者ぽい冒険者A(男)と冒険者B(男)。腰には、たんまりとお財布ぽいのが見えまして。……すぐ狩るか。


「〈黑盧結界ブラック・ボックス〉」


「おんぎゃあああああ!! か、身体が闇に包まれ……(トプンッ!)」

「兄貴!? だ、誰だ。俺の彼女(兄貴)に手を出す奴……おぎゃあああ……(トプンッ!)」 


 裕福そうな冒険者……いや、(冒険者)が葱を背負ってやって来てくれたな。これで、当面の旅の資金は困らなくてすみそうだ。良かった。良かった。


 

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