第14話 王都ショタコンパンデミックNo.1 美少年大好きミラ・ルミナちゃん
「ふむ。助けたことに感謝する。俺の名前はリーン。こちらがイリス嬢だ」
「ニャァ!」
リーン・シュラハンは、悪役でもあるが。エロゲー内では、魔性の美男子という一面も持ち合わせている。
たしか隠し特殊ルールでは、女主人公《イリス嬢》にとある理由で心酔するほど惚れられ、女体化の薬を無理やり飲まされてTSし。美味しく頂かれてしまうんだったな。
まぁ、今生きるこの世界は現実なので、そんなことが起きるわけないと思うがな。ハハハ。
「そんなことよりも、アンタ! どうやって王都内に侵入できたの? 宮廷暮らしじゃないの?」
「ふむ?」「ニャア?」
大勢に追われながら複雑怪奇な路地裏を抜けたと思えば、スラム街のような場所に出た。
そして、俺を助けてくれた人物はというと。
「なに、なにも知らないです。みたいた顔してるのよ! ワタシの質問にちゃんと答えなさいよ!」
青髪のセミロング。赤色の瞳の顔立ち整った美少女か。服装はどこかの学校の制服だろうか? 紺色のブレザーに短すぎる丈のスカートを履いている。さっきも彼女が動く度にショーツが見えていたので目のやり場に困ったものだったな。
「君は……ミラ・ルミナか」
「へ? なんで初対面のワタシの名前を知ってるのよ。アンタ、ワタシのストーカーなの? 変態!」
この強気娘。やはりヒロインの1人ミラ・ルミナか。ふむ。現実でもナイスプロポーションをしているな。素晴らしい。
「ちょっと! ワタシの顔を見ながら気持ち悪い顔してんじゃないわよ。張り倒すわよ!」
「よしよし。イリス嬢よ。この娘はイリス嬢の妻になるかもしれない娘だ。良く覚えとくといいぞ」
「ニャア?……フシャアアア!!」
「つ、妻あぁぁ!? ていうか。なによ、その子猫。怖いんだけど!」
ふむ。なぜかイリス嬢をミラ・ルミナに近づけたら、警戒心を抱いたのか。怒り始めてしまったぞ。
「フシャアアア!!」
「お〜! よしよし。イリス嬢よ、落ち着け。頭を撫でてやるぞ〜!」
「ニャア〜♡」
「な、なによ。なんで、そんな幸せそうな顔してるのよ。威嚇猫。ワタシにも懐きなさいよ!」
「フシャアアア!!」
「どうやら、懐かないようだな」
「なんでよ!」
ふむ。原作通りの人物だな。勝ち気で騒がしい。そして、例に漏れずエロい性格だ。
「フシャラアア!!」
「本当になんなのよ! この子猫。敵意むき出しなんだけど?」
「お〜! 落ち着け、イリス嬢。この娘は将来イリス嬢とニャンニャンするかもしれないヒロイン候補だぞ。敵対心を見せず仲良くするんだ」
「ニャア!? イニャンニャン! ニャン〜♡」
違う。俺に甘えるようにすり寄るんじゃない。俺は君の宿敵になる予定の男だ。俺に懐いたら駄目なんだぞ。イリス嬢よ。
「本当に変な猫ちゃんね。それよりもアンタ! なんで王都をほっつき歩いているのよ? お陰で王都の一部の女の子たちが暴徒化しちゃってるじゃない!」
「ふむ。これはまさに『王都パンデミック』というイベントだな。入学前に住むアパートを探しに来た主人公が、男に飢えた美少女が襲いかかり美味しく食べられてしまうという。バットエンドルー……ト?……バットエンドルート?」
「……何よ? なに意味の分からないことを言っているのよ?」
背中から嫌な汗が出てきた。嫌な予感がしたからだ。
「イリス嬢。捕まっていろ。高い建物へ昇るぞ。〈黑眼〉」
「ニャン!」
「へ? ちょっ! ちょっと! どこに行くつもりよ。アンタたち! 見つかるわよ!」
ミラの忠告は無視して、なるべく高い建物へと昇り。そして、王都の周囲を見渡す。
「やらあぁあ!! 誰か助けてえぇ!!」
「「「男! 男! 男!」」」
数百もの箇所で男の子が美少女たちに、群がられて美味しく頂かれているな。
「ふむ。流石、エロゲー世界。……む?」
そして、一際人が集まる場所にそいつは居た。
「止めて! 止めて下さい!! 嫌だあぁ!!」
このエロゲー世界の男主人公。ジンが女の子たちに襲われていた。




