第15話 王都ショタコンパンデミックNo.2 怪しいスラム街に誘われて
見える! 見えるぞ! 『ダーク・イリュージョンエローライフ』の《《男主人公》》イグーノ・シロデールが美少女たちに美味しく……
「む? よく見れば。熟成しきった熟女やお婆さんたちに美味しく頂かれているのか。……地獄絵図だな」
「ニャア?」
「うむ。他の美少年たちは若い女の子に美味しく頂かれているようだが。これも主人公補正というやつだろうか? イグーノが可哀想になってくるな」
イグーノ・シロデール。エロゲーの男主人公にし、優しい性格以外特筆するところがない全てが平均的なキャラクターだ。まぁ、変なルートによっては、性格が歪んでしまい最悪な主人公として、エロゲーを攻略しないといけなくなる。今、まさに繰り広げられている様子がそうなのだが。見なかったことにしよう。
まぁ、エロゲーの男主人公なんて無個性で設定されているので、当然いえば当然か。逆に女主人公であるイリス嬢は、このまま成長されば絶世の美少女にして、学園では才色兼備の優等生になるんだったな。
まぁ、エロゲーの女キャラクターはビジュアルが命なので、可愛く才能豊かなのが相場と決まっているか。可愛い女の子のレズプレイなど、刺さる者には刺さり需要があるからな。
その分男主人公は、ただの竿。エロゲーとは可愛い美少女と甘い日々を送り最終的に至高のニャンニャンプレイを楽しむもの。
故に男主人公はエロゲー内でも結構な確率で酷い目にあう。
花のある女主人公《イリス嬢》の至宝たる美少女レズプレイとは違い。無個性の金玉に感情など不要。恐らく『ダーク・イリュージョンエローライフ』を制作陣がそんな風にして、あのエロゲーを完成させたのだろうな。
「嫌だあぁぁあ!! 僕はこの王都の可愛い女の子たちとセフレになるためにやって来たんだぁぁ!! 離して下さい!!」
「いいわよ。私の熟れた鮑で包み込んであげるわ」
「キヒヒヒ!! 老魔女の垂れたチチはどうだい? 興奮するだろう?」
「おらっ! さっさと立たせなさいよ! 順番が押してんのよ! 気合いよ。気合いが足りないのよ!」
「ヒエエェェ!!」
あらゆる熟れた女性たち(オカマも居る)からモテモテのサービスを受けているな。なんとも贅沢な話だ。よかったな、男主人公よ。
「まるで獲物に群がる軍隊蟻だな。……これ以上は目に毒だ。下へと戻ろう。イリス嬢」
「ニャン〜♪」
あれは荒れた性格に成長するだろうなと思いつつ。清く正しく成長している女主人公《イリス嬢》と共にミラ・ルミナの元へと戻って行った。
「助け……嫌だあああ!!」
「おらっ! 出せおらっ!」
「熟れたわたくし達と深く愛し合いましょう! ね♡」
「絶対に嫌だああぁ!!」
男主人公の断末魔の声を聴きながら……
しかし、この現実エロゲー世界。男主人公もいたんだな。あれは闇墜ち主人公ルート確定だろう。彼の人生に幸多からんことを願おう。
「ウニャア〜!」
「……まぁ、悪役貴族を放棄した俺とは関わるはずが絶対にないだろうがな」
◇◇◇
「ほう。スラム街に孤児院を兼ねた教会があるのか?」
「そう。セレント教会よ。ワタシはそこの出身で、シスター兼シュヘレント魔法学園の特待生なの」
「……設定を盛りすぎだ。アホに聞こえるぞ」
「ニャア〜!」
「誰がアホよ! ひっぱたくわよっ!」
王都のショタコン狩りの現状を確認した後、ミラ・ルミナの案内でスラム街の中を移動中なのだが。
「…………若い女の子ばかりだな。それに痩せこけているとは。エロゲーでのスラム街はたしか闇市などが盛んで栄えていたはずだが。どうなっているんだ?」
「皆、孤児院の女の子たちよ。上級貴族やお金持ちだった商人の孤児が一番多いわね」
「なに? そんな可笑しな話があるか。普通、王都の位が高い人間は上級居住区に住むと設定されているぞ」
「……さっきから設定とか意味分かんない用語はなんなの? アンタ! ワタシを馬鹿にしてんの?」
「ふむ。なにを怒っている。胸が俺の胸筋に当たってるぞ」
「へ、変態! セクハラ野郎。離れなさいよ!」
「いや、君から急接近してきたんだろう……」
この王都のだいたいの金持ちは王城近くに住むと設定されている。それが何故か、身なりが汚い上等な服を着た少女やぼろ布のような服を着た幼女が一緒になって死んだ顔をしているのは何故なんだろうか?
「……権力者や金持ちの子供は追放されたのよ」
「追放? 王政からか?」
「そう。王女様が健在の時は、こんな事は起きなかった。新しく宰相になったブース・ジュクージョが権力を振るうようになってから王都はおかしくなっていったの」
「ほう……」
ブース・ジュクージョ。『ダーク・イリュージョンエローライフ』のボスキャラの1人で重度の美少年好きで、若い女の子が大っ嫌いな。変態キャラか。
「……とりあえず。炊き出しするか。俺も腹が減ってしまったしな」
「へ? 炊き……出し?」
腹が減っては戦もできぬ。……先ずはスラム街の美少女たちにご馳走して襲われないようにしなくてはな。




