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7.少女は仮のねぐらにたどり着くが先客がぁ・・・

場面は森の中の小屋のあるエリアです。少女は小屋に人がいた形跡を見つけ焦ります。少女は、期せずして第2の有力者との出会いをはたし、それに合わせて計画の立て直しを図ります。

 小屋の周辺は、木立のない開けた半径20mほどのほぼ円形で平坦な草地となっており、小屋には周囲を見渡せるように4面の壁にはめ殺し格子と跳ね上げ板窓がついていた。ユリアは、小屋の住人が居た場合に敵意がないことを示すように、万歳の姿勢のまま歩いて小屋のドアにたどりついた。


 ユリアは、小屋の扉に鍵が掛かっていないことを知ったが、念のため扉をノックして不在であるか確認した。返事がないので小屋にそうっと入ると、生活魔法の照明で室内を照らして目が暗がりに慣れるのを待って内部を観察した。


 小屋の内部には火の気や衣服らしきものはなく、ユリアは、最近人が住んでいた気配を感じないことにほっとした。中央にはテーブルと椅子2脚があり、一方の壁の1.5mほどの高さに壁面収納ラックが設えてあり、別の壁際には粗末ながらベッドがあった。また別の壁には道具や武器がぶら下げてあり、さらに別の壁付近には調理もできる薪ストーブと若干の薪などがあった。


 ユリアは、予想通りの室内設備に満足して小躍りしたあと、壁や、窓や天井の傷み具合を調べ、小屋が当面の隠れ家として十分に使えそうだと判断した。ユリアは、右手をグーで突き出して腕を曲げる勝利の雄たけびポーズをとった。


((ご存じガッツポーズをとりました。))


 ユリアは、少し落ち着くと背負子を下ろしてテーブルに乗せ、壁にぶら下がった道具や武器を調べた。鉈、鋸、短刀などの刃物類、ロープ、括り罠、短弓と矢筒など、いかにも狩人の装備品や道具らしいものが残されていることと、椅子が2脚あることに違和感を覚えた。


 気を取り直して、刃物類の刃先を調べると、どれも鋭く研がれて表面が鈍く光っているのを見て戦慄した。ユリアは、この小屋が少なくとも2年前に放棄された空き家などではないとすぐに直感し、背筋が凍るのを感じてブルッと震えた。


((えぇー、人がいるじゃん、どうしようー。)


――― 少女は当初計画の破綻(はたん)を悟りなんとか計画を立て直す


 ユリアは、直ちに椅子から降りて4つの窓から外の様子を窺い、扉側の15mほど先に狩人の装束と装備で獲物を担いだ男が近づいてくるのを発見した。


 ユリアは、一瞬焦ったが、すぐにどうするのが最善か考えた末に、扉を開けて両手を挙げた姿をさらし抵抗の意思がないことを示す行動に出た。


 男は、視線の先の小屋の扉にユリアの姿を見つけて、少しの間立ち止まった後、ユリアの目の前まで普通の歩調で歩いてきた。


 男は、獲物の鹿を肩から降し、しゃがんでユリアに目線の高さを合わせ、


 「君は誰だ?一人か?私の小屋で何をしている?」


と落ち着いた語調で尋ねた。


 ユリアは、この顔面いっぱいに髭をたたえた年齢不詳の男が、2年前にサンガルス村に現れたすっきり顔の若い狩人と同一人物であるとすぐに分かった。そこで、ユリアは少し安堵して相手の語調に合わせてゆっくりはっきりと釈明するように言った。


 「私はユリアといいます。家族に殺害されるのを逃れるためにサンガルス村から一人でここに来ました。今さっきたどり着いたばかりですが、この小屋にしばらく隠れ住むつもりでした。


 狩人様の持ち小屋であることは知っていましたが、無断侵入してしまいごめんなさい。ここに住まわせないとおっしゃるならば、すぐに出ていきますのでなにとぞ許してくださるようお願いいたします。」


 男は、ユリアと名乗る少女の見かけの幼さを超越した、早口で大人びた物言いに驚愕した。そして、ここに来た事情や一人でここまで来られた事実と小屋の持ち主を知っているという話の内容に興味を持って、わざと威圧して畳みかけるように言った。


 「事情によっては住まわせることにやぶさかではない。その事情が家族に殺害されることであろうが、なぜそうなった?それに、どうやってここまで来られた?なぜ私の持ち小屋であることを知っている?」


((あれ、言い過ぎたかぁー。))


少女は何とか小屋に住まわせてもらえそうですね。でもまだ不審人物視されて尋問を受けそうです。心配ですね。それではまたお会いしましょう。


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