表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
23/61

23.少女は狩人がもつほかの魔法を学んで習得する

狩人の男は、少女に、次に教育訓練する新しい魔法の種類を相談します。

ーーー 場所は森の小屋、日時は回復ポーションを作った日の翌日の朝


 二人は、翌朝、朝食をとった後、いつものように小屋のテーブルに向かい合って座った。デイビードは、ユリアに今日の教育予定を説明する。


  「ユリア、今日は新しい魔法の教育を始めようと思うが、何か、希望はあるか?」


  「うーん。希望を言う前に、お父さんがどんな魔法を行使できるか、いま明かすことはできる?」


  「いーぞ。俺の手の内を明かしてやろう。まず、属性魔法の水魔法と氷魔法だな。そして、それを使った金縛り魔法だ。それと騎士に必須の身体強化魔法と少々の攻撃火魔法、あと探知魔法だ。それくらいかな。」


  「ありがとう。お父さん。身体強化魔法以外は、生活魔法の応用でいけそうだから、体の成長に伴う体内魔力量の増加を待った方が効率がいいわね。というわけで、初めに、身体強化魔法の教育をお願いします。私がそれを習得した後は、すぐに、お父さんの自己鍛錬目標の試行錯誤に移っていいわよ。私も一緒にやるから。」


  「えっ、それでいいのか?それでは昨日決めた教育方針を大幅に端折ることになるんだが。何か理由がありそうだな。話してみろ。」


  「そうねぇ。お父さんは、これまで弓矢で的を外したことがないよね。お父さんは、自分の腕前がいいからと言ってたけど、ほんとにそうかしら?。お父さん、何か思い当たることはない?」


  「俺は嘘はついてないぞ。騎士見習いの基礎訓練で身に付けたんだ。先輩や仲間もみんな驚いていた。だけど、動いている的に対しては全くかすりもせず落ち込んでしまった。それを乗り越えて弱い自分に勝つことを目標にして、ここに自己鍛錬に来たのだ。」


  「そうだったのね、お父さん偉いわ。そういえば、昨日、目標の半分には到達したと言ったけど、動く的に当てる技にはまだ到達していないのね?」


  「まさに、それこそが、これから残り期間をかけて習得する最後の目標だ。」


  「それなら、私に対する身体強化魔法の教育をさっさと済ませたあと、私に弓矢の一発必中の技を教育してほしいの。そうすることが、お父さんの最後の目標突破の近道になると思うわ。」


  「ユリア。言っていることがすっ飛びすぎていてよくわからないぞ。もう少し順序だててわかりやすく説明してくれるか?」


  「わかったわ。まず、弓矢を引いて一発必中の訓練をする前に、強靭な弓が引けるように身体強化魔法を習得すべきよね。それから、ここが肝心なところだけど、私は、お父さんの弓矢の一発必中の技には、やっぱり追跡魔法の類が掛かっていると睨んでいるの。お父さんはそんなこと自覚してないでしょうけど。」


  「確かにそんなことを意識したことも自覚したこともない。うーむ。だが、よく思い出してみると、ほかの仲間や先輩の矢は動かない的に当たることは当たるが、俺とは違っていつもど真ん中ではなかったな。それは、俺だけが追跡魔法か何かを掛けた結果だというのか?」


  「そう、その通りだと思うわ。いくら何でも、見習いの(ひよっこ)の身で先輩を差し置いて、お父さんだけが技量だけで一発必中できるはずがないと思わない?」


  「確かに。考えてみればその通りだ。俺は、自分だけが特別だとなんとなく思っていたが、そうではなかったのだな。がっかりだ。それにしても、お前のその言い方は酷いぞ。もっとオブラートに包むとか優しく言えないのか?」


  「ごめんなさい、お父さん。気を付けるわ。というわけで、身体強化魔法の次には、弓矢の一発必中の技を教育してね。お父さんの意識の下に埋もれていて無意識に掛けている追跡魔法らしきものを学びたいの。これには、お父さんと同じように実際に弓矢を引いて射ってみる必要があるでしょ。」


  「ユリア。何だか、含みのある言い方に聞こえるな。洗いざらい白状したらどうだ。楽になるぞ。」


  「えっ、私は容疑者かなんかですか。でもさすがお父さんね。鋭すぎるわ。私は、お父さんが無意識に掛けた追跡魔法は、静止した的に対しては完璧すぎるけど、動く的に対しては逆に悪さをしていると考えたの。だから、お父さんの最後の目標は、追跡魔法を意識の表面に引っ張り出すことで解決すると予想しているわ。


 教育によって私が意識して追跡魔法を使えたということは、取りも直さずお父さんも同時にその使い方を理解したということね。つまり、動いている的にも矢を当てられるはずだということよ。」


  「うーむ。なんとなくわかったような気がする。今までの俺は、動く的のときに矢を放つ瞬間の的やその位置に対して、何というか、意識せずに掛けた追跡魔法が硬直していて柔軟性に欠けていたということか?」


  「そういうことね。でも、これは、今のところ私の予想でしかないから、一発必中の教育が進むにつれて変わっていくかもしれない。それでも、私の一発必中の技を訓練教育することが、同時にお父さんの自己鍛錬にもなる点で、とっても効率のいいやり方だと思うわ。」


  「お前は、意外とお父さん思いだな。いいだろう。お前の提案はとても合理的だ。俺もその提案に乗らせてもらうぞ。よーし、今日はその線で身体強化魔法の教育を進めるぞー。」


  「おぉー。」



 ユリアは、その後、身体強化魔法の厳しい教育をすんなりと熟した。既に、精緻な魔力操作技術を身に付けているユリアにとっては、身体強化魔法の習得は朝飯前のことだったのだろう。


 ユリアが習得した身体強化魔法の種類は、魔力を全身に薄く分布させる全身防御、特定の筋肉部位に魔力を集める部分強化、運動に使う部位に魔力を集める俊敏性強化、視覚や聴覚および嗅覚、味覚など特定の感覚器官に魔力を集める局部感覚強化、統合感覚強化など、多岐にわたった。



 二人は、夕方前に魔法習得訓練を終えた。その後、急いで夕飯の支度をし、お湯で体を清めたのち、着替えてテーブルに向かい合って座り、いつもの就寝前の厳しい座学をした後、明日に備えてぐっすりと寝入った。



((お父さんは、自分の最終目標達成に道筋が見えたかしら。明日は、いよいよ弓矢の一発必中実践訓練ね。追跡魔法の予想が当たっていればいいんだけど。これがうまくいけば、お父さんの自己鍛錬目標も一挙に解決ね。))



次の新しい魔法は身体強化魔法でしたね、少女は軽々と習得したようで何よりです。狩人の男の森に来た経緯や目的が明かされました。少女は男の鍛錬目標達成に協力するようです。どうなるか心配ですね。それではまたお会いしましょう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ