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すれ違いの中でも、ボクはキミを見つけに行く〜自分の為に嘘をつく詐欺師達は〜  作者: 華御羅


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24 弟だから、双子だから。

お久しぶりで〜す!予定が詰まっててなかなか更新できずすみません……。今回は双視点です!この物語の主人公はいったい何人いるんでしょうねっ!?

「ねぇ、双。あのあと愛くん大丈夫だった?」

「んぇ? あ、う、うん、大丈夫だったよ☆」


 次の日、学校で朝陽に愛のことを聞かれたけど、誤魔化すしかなかった。

 昨日、俺に帰れって言ってたけど、絶対自分のことを追い詰めてるに違いない。

 昔っから愛は自分を絶対下に見るからな!無理しすぎなんだよ。愛は。きっと、消えたいとかそんなこと思いながら、俺と愛……いや、ソウとアイの漫画でも描き進めていたはずだ。


「昨日の赤いやつ、絵の具じゃないよな」


 自分の席に座って、そんなことを呟く。

 ……絵の具であんな生々しさを表現できるわけない。愛の技術ならできるかもしれないけど、本当のことと嘘を言っているときの顔は全然違うからな。


 愛が本当に笑うときは、左エクボがつる。だけど、嘘をつくときは『右』エクボがつるんだ。わかりやすい見分け方だろ?弟の勘って言うやつだろうな☆……でも、だからこそ心配になる。

 昨日、愛が吐いた血のこと、黙ってるわけにはいかない。ちゃんと親にも言わないと。


 いや……でも……。あんな毒親に言ったところで、何になるんだ?医者に俺が言うしかないか。

 俺がこんなことを考えてるときも、愛はきっと苦しんでるんだろうな。

 だからこそ、言わないと。


「え? ちょ、双? 授業始まるよ?」

「あ〜……朝陽、ごめん☆ 俺用事思い出したから帰るわ☆」


 気付いたとき、俺は廊下に出ていた。焦る朝陽に謝ってから、廊下を勢いよく走り出す。

 俺は愛の……『兄ちゃん』の弟だから……双子だから。

 辛いときは互いに支え合って生きていこうって決めたんだから。

 絶対、1人にはさせない。絶対、置いて行かない。


「すんません!! 御剣愛の担当の先生呼んでください!!」


 愛が入院している病院に入った瞬間、体の空気を全部使って受付に向かって叫んだ。


「え、あ、はい!」


 受付に顔見知りの看護師さんがいて、すぐに先生を呼んでくれる。

 俺は、倒れそうになりながら息を整えた。

 7月の始めって言っても、さすがに暑い。

 少しして、愛の担当の先生がいる診察室に呼ばれた。


「急に押しかけてすみません。実は……昨日、愛が血を吐いたんです」

「だから、もう1回、ちゃんと診察してほしいです」


 そう言ったのもつかの間、頭を下げて頼み込んだ瞬間、思考回路が急に冷静になる。

 朝っぱらから凸ってきたと思ったら、突然兄の診察をやってほしいって言うやつ、おかしくない?

 実際、先生が愛が血を吐くところを見たわけじゃない。そんなので信じてくれるわけ……。


「えっ……それ本当!? あっ、それ本当ですか!?」

「で、ですよねっ。無理なら無理でいいので…………え?」


 今、先生ちゃんと聞いてくれた?

 頭を上げて愛の担当の先生、春日野(はるひの)先生を見つめる。

 春日野先生は若くて綺麗な女性で、医者と言うよりモデルの方が似合ってる感じの人だ。

 それは置いといて、春日野先生なら、聞いてくれるかもしれない……。


「本当です……愛、昨日……」


 詳しいことを話そうとしたとき、春日野先生の大声が診察室に響き渡る。


「知ってる!? あ、知ってますか!? 血って吐いちゃうとめっちゃしんどいんですよ! 双くんが言ってるのが本当なら今すぐ愛くんのところ行かないとっ!!」


 先生はそう言って、愛がいる病室と『反対側』の廊下に走っていった。

 看護師さんたちも俺も、何があったのか理解できず、数分後くらいにやっと何が起きているのかを理解する。


「て、てか先生!! そっち愛がいる病室と真反対ですよ!?」


 先生が走っていった廊下に向かって叫ぶけど、もうそこに先生の姿はなかった。






「…………え? 双? が、学校どうしたの?」


 どれだけ先生を探しても見つからなかったから、とりあえず愛のいる病室に行く。するとそこには、また手を血だらけにした愛がいた。

 やっぱり、昨日だけじゃなかったのか。

 昨日はびっくりしすぎてちゃんと見れてなかったけど、絵の具でそんな血を表現できるわけがないと改めて思ってしまう。


「学校サボってきたんだ☆ 昨日の愛、なんだか大変そうだったし☆」


 平静を装って、笑顔で話してみるも、愛の手は震えていた。

 ただ必死に、自分の汚れた手を隠そうとしながら会話を続けていく。

 『なんとしても隠し通さなきゃ』。俺から見た愛は、心の中でそう言っている気がした。


「い、いやいやいやいや……そんな理由で休んでくるなんて……」

「てかさ☆ またマジックの練習☆?」


 愛が隠そうとしてるなら、俺は意地でも見つけてやる……!どうせ愛には俺の隠し事なんてお見通しだろうから、俺だって1個くらいは見つけてやる。

 どれだけ愛が嫌がっても、絶対に、見つけ出すんだ。


「あ……これは……その……」

「隠すの☆? …………マジックってさ、嘘だよね〜☆?」


 気まずくなったのか誤魔化すネタがなくなったのか、愛は自分の手を洗い流そうと立ち上がる。

 その瞬間、俺の中の何かがプツンと音を立てて切れた。

 愛の右手を掴んで『笑顔』のまま距離を詰める。



「愛は、俺に嘘ついちゃうんだ? 俺、悲しいなぁ」



「な、なんで、そ、そんなに、わ、わらっ……笑ってるの……? そ、双……、こ、怖い……よ?」

「気の所為だって☆ 愛がいっつも自分のこと話すとき、こんな顔してるよ?」


 瞳のハイライトが消えた笑顔、嫌なほど見てきた。

 顔立ちがそっくりだから、真似するのも慣れてる。自分が今どんな表情をしてるかなんてわからないけど、愛がいつも笑ってる偽物バージョンのような感じだよな。


「で? どうなの?」

「そ……それは……」

「すぐ言えないってことはさ、やっぱり嘘ついてるんだよな?」

「…………っ、ご、ごめんなさっ………」


 やっと愛が話だそうとした時に、


「あ〜、やっと着いたぁ〜! って、ええっ!? ど、どういう状況っ!?」


 運悪く春日野先生が病室に入ってきた。

 …………ちぇ〜あともうちょっと遅く来てたら聞けたのに〜。

 なんか、先生が来たせいで怒るに怒れなくなっちゃった。


「何もないですよ、愛の手が赤かったから問い詰めてただけです☆」

「ほ、ホントだ……愛くん、ちゃんと話してくれる……?」


 先生が愛の手を握った瞬間、愛の息が少しの間止まる。

 俺に見せた真っ青な、怖がってる顔じゃなく、『真っ赤』で、恥ずかしそうな顔をしていた。

 …………はは〜ん☆さては愛、いや、勝手に決めつけるのは良くないな☆ちゃんと本人に確かめてから……。


「じ、実は……結構前から毎日血を吐いちゃって……ぼ、僕、病弱だから別に普通なのかなって思っちゃってたけど、だ、ダメだったんですか?」


 確かめる時間もいらなかったな。俺が聞いたときの反応と全然違う。黙るどころか本当のことどんどん言っていくなんて……。

 毎日血を吐いてたのは心配だけど、弟の俺にも、ちゃんと話してほしかったな……。

 心の中でいじけながら、二人の会話を聞いていく。


「なっ! ダメに決まってるじゃないですかっ!! 絶対しんどかったよね!?」

「し、しんどかったけどっ! か、カナちゃん先生っ、ち、近いですっ!」

「て、手を洗わせてぇ……!」


 血で赤くなった手と同じくらい、愛の全身が真っ赤になった。やがて、頭から湯気が出るくらい火照ってしまう。

 『カナちゃん先生』とは、愛が春日野先生につけたあだ名だ。先生の下の名前は『カナ』。そのままカナちゃん先生と呼んでいる。

 なんとか手を洗ってたけど、愛の顔の熱は引かないまま。


「もう! 今から再検査です! 見落としてた私も悪いけど、ちゃんと言ってください!」

「っ……! う、腕掴まなくても歩けるよぉ……! カナちゃんせんせぇ〜!」


 腕を引っ張られながら、愛は病室の外に連れ出される。愛の担当が春日野先生で本当によかったと心から思った。

 俺だけ残された病室で、ちょっとだけ宝探しを始めよう。


「愛が漫画描いてるのは知ってたけど、どんなのか見たことないもんなっ☆」


 よしっ!!宝探し……いや、漫画探しの始まりだっ!!

今回結構長めに書いたんですけど、前みたいに1000字ちょっとか今くらいの長さか……どっちがいいんだろ……。

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