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『霧島華音』 ~不思議の依頼お受け致します。~  作者: hermina
第4章 『雷光のケモノ』
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『雷光のケモノ』 其の五

ドゴォォォォォォォォン!!


私が全力で放った『閃熱爆炎メガブレイズ』は完全に『ぬえ』をとらえ、大爆発を起こし、巨大な火柱を上げる。


った!」


(いや、殺ったら駄目だろう・・・)

(・・・まあ、その心配は必要ないようだがな。)


「え?」


ザァァァァァァァァァァァ


降りしきる豪雨は、やがて火柱を押さえ込み、大量の湯気が立ちこめていた。

その中に気配が一つ。

・・・鵺は健在。


ゆらり・・・


湯気が揺らめく。

次の瞬間、私の目の前に鵺、ヒョーっと薄気味の悪い鳴き声をあげる。


「あ?ああああ・・・・」


殺される。


私の全力ではなった魔術にかすり傷一つ負わず、鵺の攻撃は私にとっては全てが致命傷となる。

勝てない。

でも・・・私の後ろには、私が守らなくちゃいけない人達がいる。

引けない、引くわけにはいかない。

私は覚悟を決め、キッっと鵺を睨み付ける。同時に次の魔術の詠唱にも入る。

先程は私が最も得意とする火属性だったけど、今度は鵺が苦手であろう土属性だ。

正直、土属性は得意では無いんだけどね。

其れより問題は・・・鵺が今まさに爪を振り下ろそうとしている。

私は目をそらさない。間に合う見込みは無い魔術の詠唱を続ける。奇跡は最後の瞬間まで起こりうる可能性はあるんだ。


ピタリ。


私に振り下ろされるだろう爪が寸前で止まる。


ヒョーヒョー


バッと距離を取る鵺。


(お前の大切な人達を守ろうとする覚悟、確かに認めた。・・・香奈、合格だそうだ。)


「え?合格・・・??」

「え?え??」


きょとんとする私に、かのんさんは続ける。


(お前達にならば、我が息子を頼んでも良いだろう。息子を頼むぞ、可能性を秘めた娘よ。)


「あ、あれ??」


(お互い殺気を放っていたからか・・・香奈、忘れていたかも知れんがコレは試練であり、殺し合いでは無いぞ。)


あ・・・そうか、雷獣の子が一緒に居たいって言って、ならば試してやろう。って・・・


ふぅ・・・


私は深く息を吐く。

詠唱していた魔術をキャンセルし、戦闘状態だった気持ちを切り替える。


すとんっ・・・ぺたん。


「あは・・・あはは、腰が抜けちゃった。」


ヒョーヒョー


ピシャァァァァァァァーーーーーーーーンッッッ!!!


バリバリバリバリッッッ!!!


鵺の居た場所に雷光が閃く。

私は地面に座り込んだまま目をそらす。


・・・

・・・

・・・


目が慣れた頃、其処に鵺の姿は無かった。


キュィーー


「香奈さ〜んっ・・・大丈夫ですか?」


離れていた依子ちゃん達が駆け寄る。


「あはは・・・あんまり大丈夫じゃ無いかも・・・」

「でも、これで依子ちゃんと雷獣の子は一緒に居られるわけだけど・・・」


「はいっ本当は私もこの子と居たかったんですっ」

「ありがとうございます。香奈さん。」


「・・・訳だけどぉ・・・寮、ペット禁止だからね?」


「え??」

「この流れって、一緒に居て良いよって流れじゃぁ・・・」


「本来ならね。でもぉ・・・まぁ・・・」

「・・・私を店まで連れってってくれたら考えてあげるよ。」

「・・・立てないのよね。」


「あはっ締まりませんねぇ♪」


(本当にそうだな。)


キュイーー


こうして・・・依子ちゃんに・・・そして私達にも、新しい友達が出来た。




−−−−−−−−−−




次回更新はこの章のエピローグになりますが・・・年末多忙?の為12月30日の14時30分頃の予定です。

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