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『霧島華音』 ~不思議の依頼お受け致します。~  作者: hermina
第3章 『ヒトを喰うオニ』
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『ヒトを喰うオニ』 其の八

「っと、やっぱタイム。ちょっと待ってて貰えるかな?」


「む?」


オニ・・・幼女の返事も待たず、私は香織ちゃんを伴って結界ギリギリの場所まで行く。

何もされなかったところを見ると、了承したよう。

そこで地面にあった小石をぽーんと結界の外に投げてみる。小石は結界に阻まれることなく外へ飛んだ。

うん。問題は無さそう。


「香織ちゃんはココで待ってて。」


私は香織ちゃんを残し、元いた場所まで戻る。幼女から大体10m位の距離。香織ちゃんまでも10m位はあるから結界は半径20m位・・・かな?

・・・まあ、幼女の後ろがどうなってるのかは分かんないけど。


「・・・今度こそいいかの?」


「うん。おっけだよ。」


「では先ず・・・小手調べといこうかの。」


ヒュンヒュンヒュン!


幼女から弾丸のようなモノが打ち出される。カナリのスピードで。


「わっとっとと・・・」


私は後ろにいる香織ちゃんが射線に入らないように気をつけながら躱す。

オニなのに遠距離攻撃?オニの武器って金棒とかあと爪??兎に角近接メインってイメージがあるんだけど・・・

等と考えながらも次々と打ち出される弾丸?を躱し続ける。


「ほ〜ヒトにしては良い動きじゃ。」


「其れはどうも・・・っと」


幼女の弾丸は止まらない。このままじゃ反撃すら出来ない。

とは言え、”今の”私に可能な攻撃は精々2発分。牽制して・・・とか無駄打ちは出来ない。

ここは森だから火も使えないって事は『閃熱爆炎メガブレイズ』なんてもっての外。ならばココは、スピード重視で当てやすい『魔術』を!

・・・弾丸を躱しながら詠唱に入る。詠唱が終わり次第、弾丸を紙一重で躱して叩き込む!!


「ここ!!」


ヒュン・・・チッ


弾丸が私の服ををかすめる。そんな事は気にせず、魔術を放つ。


魔術光矢エネルギーボルト!!』


煌めく軌跡を残して放たれる光の矢。

そのスピードもさることながら、若干のホーミング性能と術者のチカラによって威力も上がる基本にして万能な魔術です。

また、”属性を持たない”事から大概の敵に効果があります。

弾丸を撃つタイミングどんぴしゃで放った魔術光矢エネルギーボルトは、それでも躱そうとした幼女をホーミングし。その腕に突き刺さる。


「ふむ、こんなものか。」


幼女は光の矢をむんずと掴むとそのまま引き抜き、ぽいっと捨てる。

矢は粒子となって消えた。


「ありゃ?全く効いてないかな?」


私は”まだ”余裕ぶった口調でつぶやく。

弾丸がかすめた服の部分にはべっとりと血が付着していた。


「ちょ、香奈!? 大丈夫なの!?」


・・・

・・・

・・・


うん、別に痛くは無い。だってコレ私の血じゃないもん。

先程の弾丸、どうやら血を飛ばして攻撃していたみたい。

血で攻撃か・・・

その昔、村に一匹の『オニ』が現れ、ヒトを喰い荒らした。

そして、オニに喰われたヒトはオニになり、オニの配下になってヒトを喰う。

やがてその村の全てのヒトはオニに成り果て、オニの村となった。

伝承はこうだったと思う。

と言うことは・・・うん、あの幼女の正体が分かった。

恐らくは・・・吸血種。

あのドラキュラ伯爵とかで有名なヤツね。まあ、おおよそ予想の範疇かな。

って事は、弱点は光と火ね。水、闇は効果が薄い。

私、光系って持ってないのよね。火は得意だけど・・・ここ森だし。燃えるし。


「なんじゃ?もう終わりか??」


「んーそうね。貴女の正体も分かったことだし、どうやって戦おうか考えていたのよ。」


「ほう、其れは面白い。やってみよ。」


「じゃ、遠慮無く!」


言って私は距離を詰める。もう、弱点である火系を直接叩き込む。コレしか無さそう。

私は詠唱をしつつ、”左手”にチカラを込める。


「今度は近接戦闘か?」


ぶんっぶんっ


正直私は殴り合いとかした事が無い。唯ぶんぶんと手を振り回しているだけ。

こんな事ならば、かのんさんに習っておけば良かったと思う。

そんな私だけど、”ある攻撃”だけはちょっとだけ自信がある。

『黒歴史ノート』の世界でさんざん使ってきたあの攻撃。


「そんな大振りじゃ当たらんぞ。」


ひょいひょいと躱す吸血幼女。

勿論其れは分かっている。コレは唯の・・・まあ、牽制になってないかもだけど牽制。

遊びだと嘗めてくれているうちなら隙も出るはず。


「今!『炎大盾フレイムシールド』」


私は魔術で炎の盾を作る。そして、勢いのまま体当たりをかける!


「『シールドバッシュ』!!」


残り全てのチカラを込め作り上げた炎の盾。インパクトの瞬間其処に込められたチカラを全て乗せる!


ドゴーーーン!


炎に包まれ、残っていたもう一方の封印石に勢いよくぶつかる。その衝撃で封印石も砕け辺りに粉塵が立ちこめる。

私はその場にぺたんとしゃがみ込む。


はぁっはぁっ・・・


もう、チカラは使い果たした。


「香奈・・・倒したの?」


私は無言。分からない。手応えはあった。ダメージは入ってる筈。

やがて粉塵が晴れ・・・

・・・そこに吸血幼女が立っている。


「今のは・・・少し痛かったぞ。」


痛かったって・・・その程度なの!?


「はっ!?」


吸血幼女はもの凄いスピードで私の前に立つと、私を蹴り飛ばした。


ドゴーーン!!


「がはっ」


結界まで蹴り飛ばされ、そのまま地面に落ちた。


ごほっごほっ


息が詰まる。咳と共に出血がある。

内臓を・・・やられた・・・まずい・・・このままでは・・・

花子さん・・・早くっ・・・


「そういえばお前、儂の正体が分かったとか言っておったが・・・儂は唯の吸血種では無いぞ?」

「儂は・・・『真祖』じゃ。」




−−−−−−−−−−




基本的に1週間に1回の更新になります。

次回更新は10月16日の14時30分頃になります。







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