『ヒトを喰うオニ』 其の五
その昔、村に一匹の『オニ』が現れ、ヒトを喰い荒らした。
そして、オニに喰われたヒトはオニになり、オニの配下になってヒトを喰う。
やがてその村の全てのヒトはオニに成り果て、オニの村となった。
その話を聞いた領主は、他の村に被害が及ばぬよう、オニ退治に乗り出した。
領主は100人の兵をオニ退治に向かわせたが、一人も帰っては来なかった。
困り果てた領主に一人の巫女がこう言った。
「私がオニを退治してきましょう。」
幾ら巫女とは言え、100人の兵をもっても退治できなかったオニ。
下手をしたら、その100人の兵さえもオニになっているかも知れないというのに・・・
「巫女殿、お気持ちは嬉しいのですが多勢に無勢。」
「もはやわが領土に戦えるモノもいませぬ。」
「心配には及びません。私が全て討ち果たしましょう。」
そう言って、巫女はオニ退治に行った。
・・・
・・・
・・・
そして数日後。巫女は領主の元へ帰ってきた。
「オニは退治して参りました。」
「おお!巫女殿ありがとうございます。」
「しかし、最も強いオニは退治することが叶わず、大石の下に閉じ込めてきました。」
「今は弱って、抜け出すことは叶わないでしょうが、いずれは大石から這い出してくるでしょう。」
「それでは、どうすれば良いのでしょう。」
「あの地にオニを封じる神社をお作り下さい。」
「私の一族で、その封印を守り続けましょう。」
こうしてオニを封じるための神社・・・『鎮森神社』は作られ、巫女の一族は代々封印を守り続ける事になった。
----------
「これが、この神社に伝わる伝承です。」
「成程。オニを封じてある神社・・・ですか。」
「そそ、なんかオニって言うより某有名ホラーゲームのゾンビみたいでしょう?」
ゾンビ・・・か。たしか映画にもなったってゲームのだよね??
ゾンビに噛まれるとゾンビになるんだっけ?アレってウィルスがなんとかーって話だった気がするけど。
配下になるって言うなら吸血鬼ってセンもあったりするのかなぁ?噛まれると吸血鬼になるし。
でも、どちらも舶来のモノ。その時代に海外から入ってくるのは・・・難しいかもしれない。
日本のモノだと・・・『野衾』とか『磯女』とか・・・
だけど、どっちも血を吸うとか精気を吸うとかだけで、ソレになっちゃうとかは聞かない。
「・・・そのオニとは、何者なんでしょう?」
「それは私達にも分かりません。」
「香織が言うようにゾンビのようなモノ・・・なのかも知れませんし、それ以外の何かなのかも・・・」
「どちらにせよ、封印を維持しなければならないんだ。」
「香織。継承の儀は明日にします。」
「今日は香奈様とゆっくり過ごしなさい。」
「・・・はい。」
「香奈、花子さん、私の部屋に行こうか?」
私は香織ちゃんに連れられ、2階の部屋に案内される。
「ま、適当に座って?」
私は、畳にちょこんと座る。
「もう、座布団ぐらい使いなさいよ。」
と言って、端に積んであった座布団を渡される。
「あ、・・・うん。」
「此所が香織ちゃんの部屋なんだ?」
「ん?変かな??」
「でも、パソコンは完璧よ!現行どんなオンラインゲームでもハイスペックで動かせるわ!」
「寮のノーパソじゃぁ・・・物足りないのよね。」
「ふふふ。やっぱり香織ちゃんの部屋だね。」
「・・・何よ、変な香奈ね。」
・・・
・・・
・・・
「ごめんね。心配掛けた。あと・・・巻き込むつもり無かったけど、巻き込んだ形になってる。」
香織ちゃんは私と花子さんにそれぞれ頭を下げる。
「ちょっと、やめて下さい!?」
「そうだよ?」
「まあ、心配を掛けた事は・・・だけど、巻き込んだみたいってのは何時もの事だから。」
「いや、何時もの事って・・・」
「『黒歴史ノート』の一件もあったしねぇ?」
「兎に角・・・」
「「気にしないで!」」
「寧ろ、頼ってくれた方が嬉しいんだよ?」
「これって私達の専門分野だしね。」
と言って花子さんを見る。
花子さんは「うんっ」と力強く頷いた。
「兎に角、私達も明日の儀式は立ち会うからね。」
「そんでもって、封印の石?っていうのも見せてね??」
「ん、分かった。」
「じゃあ、この話はここまで!」
「皆でFUをやろう!」
私と花子さんは香織ちゃんのサブPCを借りて(一体何台あるんだろう?)・・・
結局、朝までオンラインゲームに興じるのだった。
−−−−−−−−−−
基本的に1週間に1回の更新になります。
次回更新は 9月18日の14時30分頃になります。




