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『霧島華音』 ~不思議の依頼お受け致します。~  作者: hermina
第3章 『ヒトを喰うオニ』
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『ヒトを喰うオニ』 其の三

「やはり香織さんに何かあったと考えるのが普通だと思います。」


「今まで、こんなに連絡が付かなかった事なんて無いよ。」


香織ちゃんから「暫く帰れなくなった。」と連絡のあった翌日、私と双子達は『霧島華音』に集まっている。

そして、相も変わらず香織ちゃんからの連絡は無い。


(実家に帰っているのだろう?案外羽を伸ばしているかもしれんぞ?)

(・・・と言いたい所だが、”あの”香織がFUにもログインしないというのがあり得んな。)


「ですよね〜”あの”香織ちゃんですから。」


と、かのんさんと花子さんも異常事態だと意見する。

確かに香織ちゃんがログインしていない日なんて今までに無かった。

まあ、早めにログアウトする日や連動しているスマホ版でチャットだけって日はあったけど・・・

・・・やはり、確かめた方が良いと思う。


「・・・香織ちゃんの実家に行こう。」


「そうだね。」


「そうですね。」

「所で・・・なんですが、香織さんの実家の場所って何方か・・・知ってますか?」


あれ?そういえば・・・私は知らない。実家が神社って聞いたのも昨日だし。

どうやら双子達も○○県って事くらいしか知らないみたい。


(ふむ・・・香奈。フォーチュナーで占ってみてはどうだ?)


「そうですね・・・でも、詳しい場所まで特定できるかどうかは・・・」


「だよね。占術って抽象的になるもんねぇ・・・」


う〜ん、何か・・・引っかかるんだよね・・・

な〜んか、忘れているような・・・


《何故我に聞かぬのだ?香奈様よ。》


「あ・・・ゼクスさん。」


先日の一件で私の属神となった『付喪神』のゼクスさん。黒い重箱みたいなゲーム機に憑いていて、元は・・・


「あ!」


「どうしたの?もっかな??」


「知ってる人・・・あ、人じゃないけどいるよ!」


《漸く気がついたのか?》

《我は元々、香織の実家にあった黒歴史ノートだ。当然香織の実家の場所は把握している。》


「と言う訳です。」


「ナイスだよ!メガ○ラ兄さん!!」


「姉さん、むしろメ○ドラタワーですよ。」


(お前達・・・○の位置には気をつけろよ・・・)


「「???」」


「と、兎に角ですね、ゼクスさんが場所を知っているのなら、花子さんのチカラで一瞬で行くことが出来る!!」

「ちゃちゃちゃ・・・どこでも・・・」


(ストーーーップ!!)



−−−−−閑話休題−−−−−



その後の話し合いで、行くのは私と花子さんの二人になった。

理由としては、一日で帰れるか分からないので、実家組の双子達は帰らなければならない。

その時に、この店からなら兎も角、てうしから離れ、チカラが弱くなる私に二人を帰すだけの余裕がないかもしれないって事。

かのんさんはてうしを離れられないし、ゼクスさんも連れて行きたいけど、私に属神二人を連れて行ける程のチカラも無い。

花子さんならいざとなれば、店に一瞬で帰れるしね。

そんな訳で、ゼクスさんのチカラを借りて、花子さんが店の奥のドアを香織ちゃんの実家に繋げる。


「じゃあ、行ってきます。」


がちゃ・・・


私と花子さんは、ドアの奥へと進む。


「あれ?・・・暗い・・・?」


「あの重箱・・・部屋の外じゃなくて、中のイメージをしやがった!!」

「もう・・・これだから、重箱は・・・」


ぷんぷんっと怒る花子さん。

見えないけど、多分・・・可愛い筈。

それにしても、此所は何処なんだろう??

だんだんと目が慣れてくる。

上の方に小さな小窓みたいな物もある。

あ、ここって・・・


「どうやら、蔵みたいな所の中・・・みたいだね。」


って、コレって中から開くの!?

扉を開けることが出来なければ、花子さんのチカラで一旦出るって事も出来ない。


つーーー


そんなに埃は積もってないから・・・多分、マメに掃除に来ているんだよね?


「香奈ちゃん。人の出入りが少ない所って埃が少ないんだよ。」


「へ?そうなの??」


「人が動いて空気の流れが出来て・・・そんで寝静まったりして動きがなくなると埃が落ちてきて積もるんだよ。」


「・・・花子さんってこんなキャラだっけ?」


「失礼だよ!?香奈ちゃん!!」

「私ってさ、こう見えても香奈ちゃんよりは長く現世うつしよにいるからね。こういうマメ知識も得たりするよ。」


「ごめんなさい。」


さて、それは兎も角・・・ここからどうやって出ようか。

上の窓は・・・ちょっと高いかなぁ?それに花子さんでも出られるか分からないし。

でも、そこから外の様子を見て人が居たら助けを呼べるかもしれないし・・・

えっと・・・まわりに何か使えそうな物は無いかなぁ??

あ・・・そうか・・・ここって・・・


「花子さん。ここは祭具殿みたい。」


辺りにあるのは神社で祭事を行うときに使う祭具らしき物。


「あれ??これ・・・何処かで見たような気がするんだけど?」


見た目はでっかいお祓い棒。

確か・・・ぬきって言ったっけ??


がたがたがた・・・


「香奈ちゃん!外の方はから音がする!」

「ひょっとして、開けてくれたのかな??」


やった!出られるかも・・・

・・・って!私達が中に居たらまずくない!?


ぎぎぎぎぎぃぃぃぃぃ


木が軋む音を立てて、祭具殿の扉が開く。

光が一気に差し込み、何も見えない。

私は腕で光を遮りながら、目を細めて入り口を見る。

数人の人影が見える。

そして・・・


「・・・あんたら、何やってんのよ?」


よく知っている・・・

・・・香織ちゃんの声が聞こえた。






−−−−−−−−−−




基本的に1週間に1回の更新になります。

次回更新は 9月 4日の14時30分頃になります。

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