第十八話 学校一の美女
二度目の手術もなんの手違いもミスもなく完璧に行われた。
「いかがかな?今回の出来栄えは?差し詰め学校一の美女といったところか。」
前回と同じように先生が包帯をとってくれる。鏡に映る少女は驚いたような顔をしている。本当に鏡なのだろうか?テレビではないのか?アイドルが何かのドラマで演技をしているのではないか?そう思ったが鏡にはしっかりと少し疲れた様子の先生が映り込んでいる。
「先生、顔色良くないですよ?」
君の手術は人には任せられないからね。私一人でいくつもの処置を同時に行うのはなかなか骨が折れるのだよ。次の手術までにもっと体力をつけないとね。そんなことよりよぉく顔を見せておくれ。
先生は私の顔をあちこちに動かしながらあれこれと確認してはうむうむとうなづいている。先生から見ても今回の手術はパーフェクトだったようだ。
「痛みや違和感はあるかい?」
顔がむくんでいる気がする。あとお腹と、胸の辺りも…話していて気づいた。胸が大きくなっている。これはすごい。私は地味女らしく胸も控えめな装備しかしていなかったはずなのに、今やしっかり谷間が形成されポヨンと跳ね返る弾力を兼ね備えている。
「今回は豊胸と腰のくびれも作ったからね。少し歩いてみてくれたまえ。」
床に貼られたテープの上を歩く。きっと真っ直ぐ歩けるか、左右のバランスは取れているかをみているのだろう。私はつま先立ちで踊るように細いテープという橋の上を歩きその先でくるりとターンした。
「うむ。完璧じゃ。このあたりからは行動に気をつけねばならんぞ。」
「行動?どういう意味ですか?」
「すでに自覚があるかもしれないが美人は皆にちやほやされる。男だって寄ってくる。食事代だって出してくれるし高価なプレゼントまでくれるだろう。だからそれが当たり前だと思う。自分が食事代を払わされるだけで不愉快になったりもらったプレゼントを質に売ったりする。それは人として恥ずべき行為だ。だが本人は罪悪感すらない。自分がモテるのを当然だと思っているからね。
美人は性格が悪いなんて言われる所以だよ。慣れとは恐ろしいものだ。人の気持ちに鈍感になる。究極の美女はそれではだめだ。内面からにじみ出る美しさというのがある。これからはカウンセラーの先生とも面談をしてもらう。」
先生の言うことはわかる。ブスだから虐げられて性格が悪い女もいるからまぁ世の中の女の大半は性格が悪いのだろう。ただこの時の私は鏡に映る自分の姿に見惚れていて先生の話を深く考えることができていなかった。




