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予兆
初めての配信から1週間経った。
想像よりも順調に行っていることに満足している。
そのことが知らず知らずのうちに私の視野を狭くしていることにその時は気が付かなかった。
この1週間少し前と比べたら大分健全な毎日を過ごせる様になっていた。
朝9時にみゆの家に行き、雑談をしながら今日の配信についての相談をする。
17時過ぎには照も合流するので、最後の詰めをしてから配信という毎日を繰り返していた。
配信で話す事が切れない様にみゆのPC内に入っている動画や漫画、ゲームを漁る事を日課となっていった。
私が一人で作業をしているとみゆは何か難しい顔をしながら携帯やPCを触っていた。
「お邪魔します。」
今日もいつも通りみゆの家に来たが、いつもとはどこから雰囲気が違った。
何か空寂しいような気配が部屋を包んでいた。
いつもならある出迎えの返事がないからだろあと思いながら部屋に入って行った。
「みゆー」
名前を呼ぶが返事がない。
部屋を留守にしているというのは1週間で2回目の事だった。
買い物は専ら、ネットでやるみゆが家から出る事自体が珍しい事だった。




