明日
「それじゃあ。また次回も見てください。」
「……」
私は緊張しながらもなんと二十分ほどの雑談を録ることが出来た。
自分なりには何とかやり切れたと思うのだが、照はそのまま私の顔をじっと見ていた。
「どう……だった。」
おそるおそる聞いてみると照はゆっくりと口を開いた。
喋るまでの時間がものすごく長く感じる。
「よかったよ。というか雑談だけでそんな喋れるんだね。」
「うん。練習で話せるようにしていて。」
「なるほどね。まぁこれなら人気も出るんじゃないかな。」
「あ、ありがとう。」
私は想像よりも褒められ少し緊張が解けた。
「それで実際反響とかどうなの?」
「反響?」
私の代わりにみゆが答えた。
「どれくらい見てもらえてたりするの?」
「いや、見てもらっていないよ」
「え?」
「え?」
「なんで?」
「なんでって。まだ練習しないといけないと思って。」
「じゃあ、いつやるの?」
「え?まだ予定立ててないからさ。」
「ずっとやらないやつじゃん。」
ずっと私の中でくすぶっていた思いを照は一言で言い切った。
「そう。」
「うん、そうだよ。今ここで予定立てよう。」
「そうしようか。いつがいいと思う。」
「明日かな。」
「いいよ。分かった。」




