スピード
「ちょ……ちょっと待って。」
「どうしたの?」
「明日って早くないかな?」
私は気が付いたら二人の間に割って入っていた。
「なに?早いって?」
「いや、照ちゃんは知らないかもしれないんだけど、もう何日も練習してきてきたんだよ。」
「うん。」
「つまり、うまくいってなかったんだよね。」
「そうなの?」
照は私とみゆに答えを求めてきた。
私が答えるより先にみゆが返事をした。
「そうだよ。上手く言えないけどまだやらないといいと思って。」
「じゃあ、今は」
「うーん。ごんちゃんはどう思うの?」
そう問いかけてきたみゆの言葉に私は戸惑いながらも応えた。
「……もう次に進んだ方がいいと思う。」
「じゃあ、明日からやろう!」
私と違って瞬時に応えた照に憧れのような感情を抱いたが、それでも私の中の不安は消えなかった。
「でも、明日っていうのは。」
「じゃあいつにする2日後、1週間後、1ヶ月後、1年後?」
「わからないけど、せめて1週間は……」
「私はずっと絵を描き続けたいの。
その為に今、絵を描いているし。今からでもVでデビューして名前を売っていきたいの。」
「うん。」
「飛鳥は今何がやりたくて。将来何をしていたいの?」
「私は……」
「まぁ、別に言わなくてもいいんだけどね。そもそも無くても問題ないし。」
照に遮られて言うことは出来なかったが、やりたい事など決まっている。
そして、ここで怖気付いている場合でない事も思い出した。
「まぁ、家に来た時とかこの前の学校での勢いとか見ていれば何か思い持っていそうだから別にいいんだけど」
「うん!」
自分の中でウジウジとしていたものがやっと晴れた気がした。




