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俺たちの冒険はこれからだ!(五三周目)  作者: 厨二×武力=はた迷惑
第二章
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第三〇話:「大変不本意ながら、ね」

「さて、と。これからどうしますか?」


 彼を見送った後、僕は二人に問いかけた。


「私は何でもいいわよ。どうせする事がある訳でもないし」

「私としては、鍛錬に身をやつした方がよろしいかと。近々、戦争が起こるという噂も流れていますので」

「へぇ、そうなんですか」


 初耳だった。

 やはり、国のトップはそういう事情に詳しいのだろうか。


「それは私も聞いた事あるわ。一部の大臣達が慌ててたから、何事かと思ったのよ」

「なるほど……。まぁ理由如何はともかくとして、修行は大事ですからね。どこかそういう事が出来る場所って知りませんか?」


 そう聞くと、二人は難しい顔をする。


「王宮になら、そのような場所は腐る程あるのでしょうが……」

「まともに王宮に入れそうな人員のいなさったら無いわ」

「あぁ、何かすみません……」


 何故か謝ってしまう僕。

 八割ぐらい僕が悪いのだろうけど。


「となると、頼れる伝手は一つですか……」

「何か心当たりがあるの?」

「えぇまぁ。大変不本意ながら、ね」



================



「事情は分かった。後は儂に任せておけ」


 二つ返事で引き受けてくれたのは、誰であろう、ギルドマスターだった。


「にしても、お主が儂を頼ってくるとはのう。長生きはしてみる物じゃわい」

「最終非常手段でしたけどね」


 いつものマスターの私室で、僕と彼女は向かい合って話している。


「良い良い。どのような形で在れ、儂はお主の力に成れれば嬉しいのじゃよ」

「では失礼します」

「こ、此所は少しは感動する所じゃぞ?」

「知りませんよ」

「年寄りは労る物じゃと言うとろうに……」

「ならそれなりの態度を見せて下さいよ。いい歳こいて僕を狙わないで下さい」

「相変わらずじゃのう。じゃが其の連れない所も又良い……」

「何ですか真性の変態ですか気持ち悪いです」

「儂は虐められて悦ぶ趣味は持ち合わせて居らぬぞ。お主だからこそ良いので有ってじゃな———」

「では僕はこれで。修行場所の件、よろしくお願いしますよ」

「……まぁ良い。明日、また儂を訪ねよ」


 至極残念そうな顔をしている彼女を横目に、僕は部屋を出て行った。

 ちなみに、滞在時間は数分足らず。



 戻ってくると、二人が心配そうな顔で僕を出迎える。


「ど、どうでした? 我が主」

「いざとなれば、私があの人を脅……説得するから」

「そんな過激に走るくらいなら普通に依頼でも受けましょうよ。一応大丈夫だとは思いますよ」


 別の意味で心配だけど。主に僕の身とか貞操とか。

 あの人なら、代償に何を要求するか分かった物じゃないし。

 まぁ、最悪逃げるか。


「だから、武器を構えるのは止めて下さいね?」

「「何の事でしょう?」」


 ……息が合ってるから良いか。


「まぁ使えるのは少なくとも明日からなので、今日は暇になる訳ですけど……、どうします?」

「そうね。依頼は朝受けちゃったし、また受けるのもアレよね」

「となると、休むか遊ぶかの二択になる訳ですが」


 え、選択肢それしか無いの?

 そんなにルーズなの? この世界。

 もうちょっと何かあるでしょう。


「そうね。それに、遊ぶにしても半日しかない訳だから、そう大した事は出来ないし……」

「半日で、しかもこの人数で出来る事となると、相当限られた物に……」


 何? ツッコまないの?

 と言うか遊ぶ事はもう確定なの?

 そして何故あなた達はそんなに一生懸命頭を捻ってるの?

 これは僕がおかしいの?


「そういえば、アナタは何がしたいの?」


 ここで僕に振るのか。


「そうですね……」


 どうしようか。

 僕としては休みたい所だけど、二人は何か遊びたいみたいだし。

 上手く二つを両立させる物となると……。


 数秒考えた後、僕は一つの案を思い付く。

 まぁ、黒か白かで言えば、限りなく黒に近いグレーゾーンなんだけど。

 この二人なら何とか大丈夫だろう。


「観光とか、どうです?」

「観光……、ですか?」


 聞き返された。

 予想通りではあるけどね。


「ほら、僕ってここに来て日が浅いじゃないですか。だからこの街の事とか知りたいなぁと思って……。駄目ですか?」

「全然良いわよ!」

「むしろそれしか無いでしょう」


 ……何なの君達。流石に僕でも引くよ?

 もうそろそろ慣れて行かないといけないとは思うんだけど。


 僕は密かに肩を落とすのだった。

二週に渡って書き溜めた分を投稿します。

楽しみに待っていて下さった方、ありがとうございます。

「さっさと更新しろよ」と思っていた方、誠に申し訳ありませんでしたこれで勘弁して下さい。

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