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俺たちの冒険はこれからだ!(五三周目)  作者: 厨二×武力=はた迷惑
第二章
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第二五話:「違いますから」

 翌日、朝。

 天気は忌々しい程に清々しい晴天。

 時間の概念が希薄なこの世界では、時計など当然無い。

 なので、自分の体内時計に従うしかないのだが、いかんせん僕にはその感覚がいまいち分からない。

 多分(地球換算で)八時ぐらいだと思うけれど。

 元々僕は、そんなに朝は強くない。

 あくびを噛み殺しながら横を見ると、半裸で寝そべる女の子の姿。

 ラノベの主人公なら何かあってもおかしくない状況だが、僕はあいにくとそんな展開は望んでいない。

 軽く揺さぶって王女を起こす。

 が。


「う、ぅ〜ん……」


 起きない。

 え、この子も朝弱い人?

 ……まぁいいか。

 朝食を食べ終わったらまた起こしに来よう。

 そう思い、着替えて階段を下りる。


「おはようございます」


 そう声をかけると、カウンターの奥から返事が返ってくる。


「おう、遅かったな。ん? 連れの小っちゃいのはどうした?」

「まだ寝てますよ」


 そう言いながら、僕は席に着く。

 同時に、目の前に朝食が置かれる。

 今日の朝食は、どうやら洋風のようだ。パン(のようなもの)と、コーンスープ(のようなもの)。

 一〇分程で食べ終えると、再び部屋へ戻る。

 扉を開けると、王女は相変わらずだらしない格好で寝ていた。

 一瞬、顔に水をかけて起こそうかとも思ったが止めておいた。

 だって布団が濡れるからね。


「ほら、起きて下さい。朝ですよ」

「ん〜、あともうちょっとだけ……」

「駄目です」

「う〜……」


 王女は渋々といった調子で起きてくる。

 そして、自らの姿を見て固まる。

 どんな姿かと言えば。



 服がはだけて半裸状態。

 ベッドの上。


 結論、事後……?


「違いますから」


 表情でそれを読み取った僕は、何か言われる前に牽制を入れておく。


「そっ、そうよね! そんな事ある訳ないじゃない。全く私ったら早とちり……、ホントに何もしてない?」

「してません。そんな事より早く着替えて下さい、行きますよ」

「ちょ、ちょっと待ってよ」


 王女は急いで身なりを整えようとする。


「あ、そう言えば朝ご飯は? まだならその、一緒にどうかな、なんて……」

「先に頂きました。あなたが寝ている間に」

「な、ちょ、起こしなさいよ!」

「起こしましたよ。起きようとしなかったのはあなたじゃないですか」

「うぅ……」


 王女は、とぼとぼと肩を落としながら部屋を出て行く。

 少し悪い事をしてしまったかな、と思いながら、僕はそれを見送った。



 結局、宿を出たのはそれから約三〇分後の事だった。



==============



 ギルドに着いたのは、日も昇ってきた所だった。

 とは言っても、約束の時間には程遠い。

 当然待ち人がいる訳もなく、軽い依頼でもこなして来ようかと思……ったのだが、そこで信じられない人物を見た。

 カウンターのすぐ近くのテーブルに、何故か椅子に座らず、直立不動でいたその人物とは———。


「おぉ、我が主。まさかこんなにも早くいらっしゃられるとは」

「……」


 いやいや、僕も人の事は言えないとは言え、いくら何でも早すぎるでしょ。

 約束の時間どころか、まだ正午も回ってないよ? 午前中もいい所だよ?


「えっと……、どうしてここにいるんですか?」


 僕がそう聞くと彼女は、何を言っているんだという顔で、


「奴隷が主より先に努めるのは当然の事でしょう?」


 と返して来た。


 いやいや、えぇ〜。

 どんどん彼女の地位が低くなっていく。

 というか自分で貶めてるよこの娘。

 薄々気付いてはいたけど、この娘あれなの? Mなの?


「……ちなみに、どれくらい前からいたんですか?」

「何、さほど誇るような時間でもありません。ほんの三刻程です」


 『刻』というのは、今で言う江戸時代頃に使われていた時間の単位だよ。

 ちなみに一刻は約二時間。

 この世界でも大幅にずれてはいないから、三刻というのは単純計算で約六時間だね。うん、凄い。


「どころの話じゃないですよ!」


 思わず叫んでしまう。

 僕の大声に、ギルド内にいた他の人(と言ってもほんの数人だが)が一斉にこちらを向く。

 だが、大声を出したのが僕だと分かると、またすぐに自分たちの会話に戻る。

 僕はと言えば、動揺を抑えている真っ最中だった。

 『僕も人の事は言えない』なんて、大きな間違いだった。

 僕とは全く比べ物になっていない。

 それにしても、僕のキャラが崩れるとは……。

 一体いつぶりだろうか。


 遅まきながら、僕は気付いた。気付いてしまった。

 この世界は久々に、色々な意味でキツくなると。

更新が随分久しぶりになってしまい、申し訳ありませんでした。orz

楽しみにしていただいていた方々には大変ご迷惑を、って、そんな人いませんよねw←

今回のあとがきはそれだけです、はい。

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