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俺たちの冒険はこれからだ!(五三周目)  作者: 厨二×武力=はた迷惑
第一章
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第一九話:「僕には必要無いですから」

「———えっと、よく聞こえなかったので、もう一度言ってくれますか?」

「私を弟子にして下さい、お願いします!」


 先程と、一文字も違わぬ返答が来た。

 ……うん、どうやら僕の聞き間違いという事は無さそうだ。


「……何で、いきなりそんな発想が出てきたんですか?」

「『何で』?」


 彼女は、ガバッ、と顔を上げると、ザザザザ、と僕に近づいてきて、


「決まってるじゃないですか! 今まで誰一人として辿り着けなかった高みに、あなたは立っているんですよ? 近接戦闘職(アタッカー)後方支援職(サポーター)の両立。しかも、あなたは近接戦闘職がメインだというのに、魔法も下手をすれば、いや、しなくとも私より上の実力。こうして出会ったのも何かの縁、いえ、これは最早運命! ならば、弟子入りせずして何をするというのでしょう!」

「見なかった事にしてスルーしてほしかったですね」


 軽く引くぐらい一気に語り出した彼女に、若干の恐怖を覚えながら応対する。


「あの、とりあえず敬語は止めてもらっていいですか?」

「どうしてですか!? 弟子が師匠に敬語を使うのは当然でしょう! というかむしろ、何で師匠が私に敬語を使うんですか!」

「僕の敬語(これ)はデフォルトですし……。それに、あなたを弟子に取った記憶は無いんですが」

「そ、そんな事言わないで下さい!」


 彼女は涙目になって訴えてきた。

 こういうのに弱いんだよなぁ、僕。

 でも今回は耐えないと。


「駄目な物は駄目です」

「わ、私、色々お役に立ちますから」

「僕には必要無いですから」

「そ、そうだ。こう見えても私、家事とか出来る子なんですよ。身の回りのお世話とかしますから」

「自分で出来ます」

「私を弟子に取ったら、修行にかこつけて、私のあんな所やこんな所も触り放題ですよ?」

「……」


 触るような所なんて無いじゃないか。

 それに、僕にそっちの趣味は無いし。


「な、何なら夜のお供もして差し上げますよ? 添い寝とかどうですか、添い寝?」

「……」


 だから必要無いって。


「け、経験は無いですけど頑張りますから!」

「……」


 何の経験だ……。

 ていうか何のアピールだ、何の。


「お願いします! 何でもしますし、何でも言う事聞きますから〜」


 ついに泣き出してしまった。

 だからこういうのは苦手なんだ。


「ハァ……」


 僕は小さく溜息を吐くと、


「分かりました。弟子には取りませんが、そばにいるくらいの事は許可します。それで良いですか?」


 と言う。

 途端に彼女は顔を輝かせて、


「本当ですか!? ありがとうございます!」


 と、ペコリと頭を下げた。


「でも、側に置くのには、少し条件があります」

「? 何ですか?」

「さっきあなたは、『何でも言う事を聞く』って言いましたね」


 途端に彼女は、胸を腕で隠し、僕から一歩下がった。


「な、何する気ですか? 言っときますけど私、初めては好きな人とって決めてるんです」

「いや、そういう事じゃないですから」


 ていうかさっきのアピールは何だ。嘘か。


「とりあえず、さっきも言いましたけど敬語は止めて下さい。何か違和感があるので」


 僕とキャラが被るんで、とは死んでも言えない。

 それに、建前の方だってゼロではない。


「分かったわ。それで、後は何をすれば良いの?」

「いえ、今の所はそれだけです」

「へぇ、そうなの。ふーん」


 というか早っ。順応早っ。

 まぁ、多分こっちが彼女の素なのだろうから、当然と言えば当然か。


「じゃあ関係も決まった事ですし、早速ですが、この群狼の剥ぎ取りを手伝ってもらえますか?」

「嫌よ。何で私がそんな事しなくちゃいけないのよ?」

「それではこの話は無かったという事で」

「是非やらせて下さいお願いします」


 立ち去ろうとする僕の服の裾を掴んで、引き留めようとする彼女。

 結局、厄介な荷物が出来てしまったなと思い、僕は再び溜息を吐いた。




 あ、この後、彼女はちゃんと手伝ってくれました。

順調に回を重ねていった結果、とうとう二〇話を超えてしまいました。

それは良い事なのですが、折角『プロローグ』、『第一章』と銘打ったにもかかわらず、区切りどころが分からずに二章にいけない状態です。

どうしましょう?ww

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