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俺たちの冒険はこれからだ!(五三周目)  作者: 厨二×武力=はた迷惑
第一章
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第一八話:「出来る訳無いじゃないですか」

 ものの数分とかからずに、残りの群狼を殲滅し終えた僕は、改めて彼女に向き直る、


「それで、どうしてあなたはここにいたんですか?」


 声をかけると、僕の戦いぶりに呆然としていた彼女は、我に返って、


「だ、だって、群狼の群れに囲まれて危なそうだったから、助けてあげたら私の事尊敬するかな〜、なんて事は考えてないんだからね!」


 墓穴を掘っていた。


「結果、僕にはあなたの助けは要らなかった訳ですけど」

「そ、そう言えばそうよ! 何でアンタ、そんなに強いのよ?」

「まぁ、一応Aランクの冒険者ですし?」


 さっきなったばかりだけど。


「エ、A!? じゃあ何でアンタ、そんな血だらけなのよ? Aランクなら、群狼ぐらい余裕でしょうに」

「いや、これ全部返り血ですし」

「ウッソ……」


 何やら驚いているようだが、いつまでも返り血まみれは気持ち悪いので、洗い流す事にする。

 少し大きめの火球を生み出すと、空いている場所に叩き込み、窪みを作る。

 出来た窪みに水球を何発か撃ち出して、水たまりを作る。

 屈んで、水を手ですくって顔にかける。

 あらかた流し終えると、タオルを取り出して顔を拭く。

 身体や髪は、町に帰ってからにする。

 さすがに、ここで露天風呂と洒落込むような感性は、持ち合わせていない。

 こんな、周りが狼の死体だらけの場所に、風情も何もあったもんじゃないと思う。

 それに、僕には野外露出みたいな変態チックな趣味は無いしね。

 人の目も気になるし。(滅多に無いと思うけど)


 顔を洗い終えて、ふと彼女を見ると、また何やら驚いた表情をしていた。


「どうかしましたか?」


 と僕が尋ねると、


「どうしたも何も無いわよ!」


 という答えが返ってきた。


「あなた、近接戦闘職(アタッカー)じゃないの?」

「一応それがメインではありますね」

「じゃあ何で魔法が使えるのよ? しかも二属性(ダブル)って……」

「そんなに驚く事ですか? 僕の見た限りじゃ、あなたは三属性使ってるじゃないですか」

「確かに私は三属性(トリプル)使えるけど、私が言ってるのはそう言う事じゃないの!」

「? どういう事ですか?」


 話が全く見えない。


「あぁー、もう! だから、あなたの戦い方(スタイル)はおかしいって言ってんの!」

「どういう風にですか?」

「だ・か・ら! ちゃんと説明してあげるからよく聞きなさい! 良い?」


 そう言って僕に念を押すと、彼女は一息置いて語り始めた。


「確かに、ソロとして最前線で活躍する冒険者の殆どは、さっきのあなたみたいな近接戦闘職系か、私みたいな高位の魔術師で占められる。そして、理論上最も効率がいいのは、今のあなたみたいな、魔法も使える近接戦闘職とされているわ」

「何もおかしい事無いじゃないですか」

「だから言ったでしょ。だって」


 ここに至ってようやく、僕にしては遅すぎるくらいにようやく、僕は彼女の言いたい事に気がついた。


「現実にそんな戦い方をする、ううん、出来る冒険者なんていない。少なくとも、私は知らなかった」


 今の今までは、と彼女は付け加えた。


「普通はどちらかに偏る物なの。どちらに偏るかは本人の努力や才能次第だけど、両方を均等に、しかも戦闘に使えるレベルなんて、歴史に刻まれてもおかしくないわ」


 僕は黙ってそれを聞く。


「しかも、あなたの場合、『戦闘で使える』なんてレベルの話じゃない。片方だけで、充分どころか十二分以上に通用する実力よ。一体何をしたらそうなるの?」


 神様に気に入られたら、とは言えない。


「とにかく、あなたは常識外れどころの騒ぎじゃないのよ。しかも二属性だなんて———」


 そこでピタリと言葉を止めると、彼女は僕の方をじっと見つめて、


「———まさかあなた、『三属性以上使える』なんて事は無いわよね?」


 と聞いてきた。


「ま、まさか。出来る訳無いじゃないですか」

「本当に?」


 ずずずっ、と迫ってくる。


「本当ですってば」


 僕は目を逸らす。


「嘘つけっ!」


 ブオン、という風を切る音と共に、彼女の持っていた(ロッド)が、僕の顔面目掛け振り下ろされた。


「ッ!」


 ギリギリで首を振って躱すと、そのまま飛び退って間合いをとる。

 この世界に来てから今までで、一番殺意がこもった攻撃だった。

 顔を上げて彼女を見ると、彼女は俯いてブツブツと呟いていた。


「フ、フフ。……良いわよ。あなたがそこまで言うなら、私にも考えがあるわよ」


 僕が首を傾げるより早く、彼女は行動を開始した。

 それは———、


「私を弟子にして下さい、お願いします!!」


 ———土下座だった。


「———え?」

ようやく、主人公のハーレムメンバーが一人入ったという感じですかね。いや〜、長かった。

無計画ですが、これからも出て来る予定ですので、よろしくお願いします。

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