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俺たちの冒険はこれからだ!(五三周目)  作者: 厨二×武力=はた迷惑
第一章
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第一四話:「何も考えてないんですね……」

「さて……。此れで我がギルドの副マスターを、お主が結果的に追い出した事になったのじゃが」

「えぇっ、僕のせいですか!?」


 再びギルド内。

 マスターの私室で、僕は彼女と会話を交わしていた。


「さっきあんな格好良い別れ方しておいて、その責任を僕に押し付けますか?」

「仕方無かろう。実際の所は兎も角として、表面上だけを見れば然うなるのじゃから」

「それを何とかするのがあなたの役目でしょう?」


 僕は彼女に突っかかるも、彼女は飄々とした態度で、


「其れは出来ん」


 と、言ってのけた。


「何故ですか?」

「そもそも此のギルドは、儂の強さと、彼奴の人望、と言うか統率力で持って居った様な物なのじゃ。ギルドを支える柱の半分が無くなったとなれば、崩壊も免れんかのう……」

「何を一人で悟ったような口調になってるんですか」


 もう駄目だ。この人は終わっている。

 多分この人は、その場のノリと勢いだけで生きている人だ。

 それが良い方向に働き、結果、今彼女はここにいるという訳だ。

 恐らく、このギルドを支えていたのは、彼女以外のここの職員だろう。

 少なくとも、彼の人望云々はあるとしても、彼女の強さに惹かれたという事は無い。

 確かに惹かれた者はいるかもしれないが、柱になる程の人数はいないと断言出来る。

 彼を中心に、この終わってしまっている人をフォローしていたのだろう。

 柱どころか、大黒柱となっていた人が抜けたのだから、それは崩壊もあり得る。

 僕は溜息を一つ吐くと、


「それで、本当に崩壊したらどうするんですか?」

「其の時は其の時じゃ。成ってみてから考えるわい」

「やっぱり、何も考えてないんですね……」


 言って僕は、再び息を吐く。


「では僕はこれで。失礼します」


 そう言って立ち去ろうとする僕を、彼女は呼び止めた。


「少し待て」

「何ですか?」


 振り返らず進む僕に、彼女はとんでもない事を言い出した。


「お主が彼奴の代わりをやらんか?」


 その言葉に、僕の足はピタリと止まった。


「代わりと言うよりは代理じゃの。彼奴が戻って来る迄の間、彼奴の仕事をこなしてくれれば良い」


 僕は、今日何度目になるか分からない溜息を吐くと。一拍置いて、


「お断りします」


 と言う。


「まぁお主なら然う言うとは思っておったが、一応理由を聞いておこうかの」

「理由も何も、何で僕がそんな面倒な事をしなきゃいけないんですか。僕にだって、やらなきゃならない事はあるんです」


 僕の言葉に、彼女はさして驚いた様子も無く、


「其れは残念じゃの」


 とだけ言った。


「逆にこっちが聞いても良いですか?」

「何じゃ? 何でも答えてやるぞ」

「どうして僕を選んだんですか? こんな得体の知れない新人よりも、もっと良い人は沢山いるでしょう」

「其の程度の事か。ならば、答える迄も無いと思うがのう」


 そう言って彼女は、僕を見て舌舐めずりをすると、


「儂が、お主を気に入って居るからに決まっておろう」

「……良い意味の方である事を祈りますよ」


 それだけ言って僕は、振り返らずに部屋を出て行った。

どうも、今回は少し短い十六話目です。

いくら物語の進行が遅いとはいえ、流石に前回の急展開は反省しております。

展開的にも少し……、いやかなり無理があった事は自覚しております。

ですので、前回で見放さず、これからもこの作品と作者を見守ってやって下さい。

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