4話 私と重なったところ
第四章 私と重なったところ
過去の自分と同じ病名がついたことが、ただただショックだった。
その日の記憶は、ほとんど覚えていない。
瑠夏は、その日のうちに意識を取り戻した。
そして、すぐに帰ることができた。
「いっちゃん」
あどけなく、そう呼んでくれた。
その声だけは、はっきりと覚えている。
ただ、
わたしと同じようになってしまったらどうしよう。
その不安だけが、頭の中を何度もよぎっていた。
血は争えない。
もしも、自分が原因だったら。
例え、確率は低かったとしても
そう思えば思うほど、自分を責めることしかできなかった。
親族は誰も、わたしに何も言わなかった。
それでも、再発しないことを、ただ願うしかなかった。
「あと二回、熱性痙攣を起こしたら危ないですよ」
医師がそう言っていたと、あとから聞いた。
ただ、再発しない事を祈ることしか、できなかった。
もう一人、姪が生まれた。
それでも、瑠夏だけは、わたしにとってどこか特別だった。
瑠夏は大人しく、絵本を読む子供だった。
文字に興味があったのか、三歳でひらがなもカタカナも書けるようになった。
瑠夏に妹が生まれても、その感覚は変わらなかった。
なぜなのかは、わからない。
小さい頃の自分と、どこか重なるものがあったのかもしれない。
あの頃のわたしは、まだ知らなかった。
この先に、何が起きるのかを。




