第9話:忍び寄る、欲望の刃物アサシン・ポイズンナイフ
第9話:忍び寄る、欲望の刃物アサシン・ポイズンナイフ
1週間の罰が終わった後第7班の空気は異質だった。
「おい、ジョンとディレオス。おまえらがレジェンドミスリル属性のスライムを殺したんだろ?」
「先輩、なんの事か分かりません」
「とぼけんなよ!お前らが仕事サボった翌日から噂が広まってんだ!俺が外回りを指示したんだから俺のもんだろ!」
すると女性魔法士達がキレる。
「はぁ!?あんたが出世ができたのは5年前の魔物侵攻時に私が破壊魔法使ってあげたからでしょ!?」
「私の魔力回復魔法がなかったら死んでたくせに」
剣士の副班長は静かに眺めていた。
3人が大喧嘩してるうちに俺とジョンは今日の仕事の騎士龍討伐作戦に向かおうとした時だった。
「僕も同行しちゃっおうかな〜。新人達だけで騎士龍倒せるとは思えないし」
副班長の提案にジョンはあっさり乗った。
副班長は銀髪の長髪で青色の鎧に聖石製戦闘レイピア。Bランクパーティの副班長らしい装備であり、経歴も申し分なく、優秀の一言に尽きる。
部屋から出ると副班長はやはりと言うべきか軽く問うてきた。
「ところで2人がレジェンドミスリルを手に入れたのは知ってるよ〜。僕にも分けてくんない?」
彼が手を合わせた瞬間だった、紫色のナイフが見えた、俺は震えそうな声を抑える。
「手に入れ……」
「手に入れました。俺の家にあります。金庫に入れてあるので、副班長殿には助けてもらったので少し分けます」
「やったぁ!騎士龍戦頑張るよ〜!」
俺はすぐにジョンに耳打ちする。
「騎士龍戦後すぐにホテルに逃げ込め。副班長は騎士龍戦のゴタゴタに紛れて殺す気だ。アサシン・ポイズンナイフが見えた」
ジョンはなんとか、声を抑え込んだが、顔色が悪かった。
「2人は何を耳打ちしたのかなぁ〜?」
「いや〜実は俺達が入団する前に爆発事件あったじゃないですか、あれ俺が犯人でルピー属性スライムを倒して根源玉手に入れたので2人で何買おうかな〜って」
「良いなぁ〜、僕なら豪邸建てて、私兵雇うかなぁ」
「夢がありますねぇ〜」
そしてパーティ本部から出た後に、騎士龍がいる平原の山脈付近までおよそ4時間歩き通しで向かう。
その後も騎士龍は問題なく倒せた。副班長が両手剣で翼を傷付け、俺がヒュドラの毒で致命的ダメージを与えて、ジョンがトドメをさして見事に任務完了。
帰りの時も副班長はウキウキだった。
「ジョン確か、ホテル予約で彼女さんと泊まるんだよね?早く行ってきな。俺は副班長様と裏の取引でのし上がるから」
「え、あ、はい。ディレオス羨ましいよぉ〜告げ口してもいい?」
「ダメに決まってんだろ?共犯だ」
「ハハー」
そして中央の噴水で彼と別れ、副班長を自分の部屋に招く。
「へぇ〜初心者の割には良い部屋だね。あの金庫にある感じ?」
「そうですよ」
「早く開けてよ〜僕気になっちゃうからさ」
俺は投げナイフをいつでも抜けるように準備してから、副班長に声掛けする。
「鎧重たいですよね?脱いだらどうですか?」
「僕は副班長だよ?体力には自信があるんだ〜」
「なるほど、だから高重量のレジェンドミスリルも持てると?」
「当たり前だよ〜。だから体力温存してたんだ〜」
「ジャンプしなかったのと僕たちの常に後ろにいたのは体力温存の為でしたか」
副班長の目つきと声が変わる。
「いつから気がついた?」
「パーティ本部で手を合わせた時ですよ。たまたま見えたので奇跡的に助かりました」
「そうか〜その奇跡もこれまでかな……開けて全部渡さないと殺すぞ」
声質が変わり、本気の殺意を感じた。
「いいんですか?立場も名誉も失いますよ?」
「僕はお金大好き人間だからね〜さっさと渡せよ」
俺は金庫を開けるフリをして投げナイフを抜く。恐らく、振り向くと同時にアサシン・ポイズンナイフを抜くはず。
「あ、すみません。そこの棚の金の鍵取って貰えませんか?」
「変なこと考えてるのか?」
「このヒュドラの毒でさえ耐えた金庫ですよ?ダイヤルと鍵くらい普通ですよ」
「分かった」
鍵を取りに行ってるうちに魔導通信機の録音モードを起動させる。僅かなピッと言う音を聞かれないように棚まで行かせた。
「ほら、鍵だぞ……って鍵穴ねぇだろ!」
アサシン・ポイズンナイフが抜かれるのとほぼ同時に俺もあのプラチナスライムを倒した投げナイフを引き抜き、受け止める。
「お前の目的!言ってみろ!」
「ボケてんのか!?お前らクソザコ迷惑冒険者から金品を奪い取る事だよ!」
「ありがとうございます!これで強盗未遂は確実ですね!」
「未遂だと!?舐めてんのか!?」
一旦距離を取られた瞬間に副班長はアサシン・ポイズンナイフをもう1本取り出した。
「そんな短くて安いナイフ砕いてやる!固有スキル!猪突猛進!!」
俺は入団前に、渡された配属される班の資料に目を通している。無論副班長の固有スキルも把握済み。ここで決めないと殺される。
「突っ込んできな犯罪者」
「死ねや!雑魚!!」
時間的余裕はなく、副班長が突っ込んできた時に俺は全身の力で、投げナイフを副班長の脳天に向けて投げた。猪突猛進の弱点、それはスキル使用中は真正面には亜音速で接近できるが中断と方向転換はできない。
バキン!という兜が割れる音とグジュ!という死の音が聞こえた。そしてしゃがんで、窓から肉塊となった副班長は窓を破り、地面へと墜落し、周りから悲鳴が聞こえる。
「このナイフをこんな事に使いたくなかったな……」
そのまま俺は当局に拘束され、尋問を受けたが録音した魔導通信機という確固たる証拠で、裁判を経ずに釈放されたがパーティでは大事になっていた。
そして翌朝、パーティリーダーからパーティ追放を言い渡される。当然と言えば当然だが、不満があるのは変わらない。
ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!明日から週末ですね。皆さんは何して過ごされますか?自分は執筆とドラクエウォークとドラクエ10ですね。2/3ドラクエですが気にしてはいけません。ドラクエは懐かしさとやりがいを感じます。そしてこのロケットパンチシリーズはまだストックがあるので試験的にこの土日は2話投稿にしようと思います。13:00と20:00を予定してるので、ぜひ見に来て下さると嬉しいです!それでは、良い週末を!




