第10話:神と戦う為の剣
第10話:神と戦う為の剣
パーティ本部から出ようとした時にジョンが駆け寄って、俺の肩を掴む。
「ディレオス!お前!なんでバカなことしたんだ!俺なんか……俺なんかの為に……」
「僕の一人称が崩れてるよ。ジョン」
「そんなのどうでもいい!お前は俺に経験値も莫大な富や最上級クラスの装備の素材をくれた!俺とはたった2週間の出会いのために……」
俺は黙って、泣き叫ぶ彼の頭を撫でる。
「これは俺が選んだ道だ。文句は言わせない。だからジョン、俺の代わりに冒険者頑張ってくれ」
「最後に……俺の願いを聞いてくれ……俺がどうしても見たかったものだ……ここまでして貰って、お願いをするなんてバカげてるかもしれないが見ておきたい……ロケットパンチの威力を……」
俺はジョンなら信用できると思い、誰もいないパーティ本部庭園に向かって、拳を構える。
「固有スキル発動!弾丸殴打「ロケットパンチ」!」
拳を回しながら、パンチを放つとバシューーン!と飛ぶとすぐに落ちる。
「あれ?あれれ?俺の必殺技雑魚くね……?」
ジョンは少し笑ってくれた。
「やっぱりか、ロケットパンチのスキルは魔力や筋力の影響を受けるんだよ。そして力は質量と速さで決まる。ここだけ勉強してきたよ」
彼は俺と共に腕に取りに行く。
「もし、パンチを強化したいならこのエルザイムから南に十数km行った先のロアノスっていう町のどこかにいる露天商が魔導力学の専門家がいるらしいから頼るといいよ」
「ありがとう……とりあえずそこに向かうよ」
「僕はディレオスからもらったレジェンドミスリルで両手剣を作って片手で扱えるように強くなる。ディレオスを見て分かった。常に余裕と次の戦法を持つことの重要性を。実は僕もパーティ退団届けを出して、半年後から聖騎士見習い学校に行けることになった。聖騎士は国と国民を守ると同時にパーティとギルドの監査もある。こんな事件が今後無いように活かしたいと思ってるんだ」
俺は頷き、「頑張れよ」と言って、家へと向かう。
地図を眺めながら「ロアノスまで遠いな……」と悩む。
その時だった、魔導通信機が鳴り、応答する。
「レギオスか、どうした?」
「お前の事件は知ってるぞ。その上で聞きたい。うちに来ないか?」
「……悪くないな。だけど俺は魔法がほとんど使えない。それに俺の固有スキルは知ってるだろ?」
「あぁ、痛いほど分かってる。だからこその提案だ。剣術指南者が欲しい」
「なぁ、1つ謝ってもいいか?」
彼は動揺しながら、「どうした?」 と聞く。
「根源玉は自分の強さに使う。俺はいずれパーティを立ち上げたい、村の再興の為に強さとお金共に必要だと学んだ」
「それは構わないが……」
「だから、レギオス。強くなった俺を雇ってくれ。色々なパーティで経験を積んだ俺を」
彼からの返事はない。
「レギオス?」
「応援してるからな。いつでも来い。待ってる」
「あぁ、お前こそ魔導消滅のスキル磨けよ。そして運命に抗え」
「「じゃあな」」
俺は今あるお金を確認する。
退職金含めて50万ルピーか……
焔煌龍の利刃を鞘にしまい、聖石の根源玉を手に取り、グラインさんに紹介された武具店に訪れる。エルザイムの端にある大きな煙突が目印の武具店だった。
ドアを開けるとカランカランと鐘が鳴り、店主のグラインさんによく似た男性がいた。少し年老いた見た目だが腕は確かなようだ。腕の筋肉の発達具合から相当な業物を作っているのが分かる。
「いらっしゃい」
「グラインさんに教えてもらって来ました、ディレオスという者です。焔煌龍の利刃を更に強化したくて……」
店主の目の色が変わる。
「お前、焔煌龍の利刃がどれだけの業物か知らないのか?相当な……」
俺は聖石の根源玉をコンと置く。
「へぇ……やるじぇねえか。時価総額4億7000万と見た。あんた、俺のスキルは知ってるだろ?」
「神器生成ですよね?」
「そうだ。他にも素材があるなら出しな。あればタダで人類最強にしてやる」
「そんな言葉を鵜呑みにするとでも?武器にすがる者は武器に溺れる。冒険者育成機関で学びました」
店主は「合格だ」と答える。
「だが1つ言わせろ、人類最強の武器を作ってやるのは嘘じゃねぇ。他にもあるなら出しな」
「……」
ジョンから貰ったレジェンドミスリルを短剣分貰ったのでそれを置く。
「ハハハ……ハッハッハーー!!これはすげぇ物が出来るぞ!!武器の基準は何を求める?」
「最低でも片手で扱えるが、超高層クラスの敵を葬れるくらいの威力が欲しい。可能なら神を殺せるくらい力が欲しい。俺の村は恐らく神に匹敵する何かに滅ぼされたと考えてる」
「例の村か……グラインから聞いた。やっぱりアンタは本物のディレオスだな。任せな、俺のスキルを犠牲にして神と戦えるようにしてやるよ」
「あと、このヒュドラの剣が活かせるならそれも使って欲しい」
「2本の剣の混合か……そして神と戦える力。俺はなぁもうすぐ引退しようと思っていた。そんな中で人生最高の兵器を作れるならそれほど嬉しいことはない。1週間時間をくれ。飾ってある武器は好きな物1つ持っていて構わない。武器無しは危険だからな」
「ありがとうございます……」
俺は少し店内を見渡すと死霊水晶の剣が目に入る。
「あれ、いいですか?」
「あぁ、構わねぇ。俺はもうドキドキとワクワクが止まらない。作業に入っていいか?退職金代わりの最強の剣制作だ。これ以上の喜びはない」
「ありがとうございます。では、1週間後に来ます」
「おうよ」
そして、店を出て、家に向かい、ロアノスに向かう準備をする。
神に匹敵する力、もう、村は滅ぼさせない……!!
そう固く誓い、家を出る。
こんにちは!黒井冥斗です!初めましての方も多いですかね?今月でネット執筆活動半年になる黒井です。そしてこのロケットパンチシリーズを手に取って下さったことに感謝します!あくまでも予定ですが自分の処女作にして、小説家になろうでの活動を本気にさせてくれた吸血姫の執事シリーズを再開するつもりです。再来週程度から再開する予定なのでよろしければそちらもお願いいたします!それでは、良い週末を!




