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閑話休題:5年前の悪夢を晴らした冬の終わり

閑話休題:5年前の悪夢を晴らした冬の終わり

私、天眼の剣のパーティリーダー、エルフォン・リヴィアスは頭を抱えていた。我らの決戦班にも指定されている第7班の腐敗とディレオス君の追放。

「ディレオス君……君は本当に優秀なのは私が知っている……」

彼はパーティ幹部陣からは少し頭が回るだけの雑魚冒険者。という評価で、副班長は第7班の冷静で冷酷な一撃をお見舞いする知恵と武を確立する有能冒険者。幹部の一部からはディレオスが殺されるべきだったという意見が出るほどだった。

だか、私の意見は違う。彼の持つ装備品は明らかに上級者向けだった。そして入団式後に必ず行う武術演習で彼は片手剣部門の中でも異質なストライクソード、しかもヒュドラの毒が纏いし、魔剣を誰1人傷つけず、舞を完成させた。ヒュドラの毒は冒険者育成機関に行っていればその恐ろしさは分かるはずだ。敗血症と多臓器不全、極度の細胞壊死。今の医学ですら回復準究極魔法も用いらなければ助かる見込みはなく、死までの2時間は人生最悪という言葉では足りないほどの地獄を見ると言われてる。その恐怖に怯える様子も驕り高ぶる様子もなく、扱いこなしていた。

「ディレオス君……なんとか……コネクションを……」

最近、忙しく、コーヒーを飲んでも眠気が覚めないくらい限界が来たようだ。

「若い芽を摘む……わけには……」

意識はそこで途絶え、5年前の悪夢を見る。少なくともこれが今のエルザイムじゃ無かったことがせめてもの救いだった。

エルザイム5年前 某日深夜

それは突然の魔導通信機の緊急警報で私は夢の世界から叩き出された。

「どうした?」

抑え気味の怒りをあらわにしながらも部下に何があった聞く。

「リーダー!おやすみのところ失礼します!侵攻です!大規模侵攻です!クラスVの魔物の侵攻です!」

私は最初夢の展開が変わっただけかと思った。そうであって欲しかった。

そしてドアが破られた事でこれが現実でエルザイム第一次存続決戦となるのが確定した。

ゴンっ!

「リーダー!ヤバいです!!階層宮第5〜20程度のモンスターがクラスVレベルでの侵攻です!至急、総作戦会議室へ!!」

あれからどのように着替えて、エルザイムの安全地帯平原に近い、エルザイム国防機関に訪れたかのは覚えてない。ただ総作戦会議室はとんでもないコールが鳴り響いていた。怒号も飛び交い、私には莫大な書類が渡されながら、現況報告を受けるのが精一杯だった。

「第4班!攻撃続行不能!大規模魔法航空攻撃繰り上げ再要請!」

「衛兵部隊第8連隊、壊滅判定!天眼の剣による支援繰り上げ再要請!」

とにかく、繰り上げ再要請の部隊を見たら、国家衛兵部隊は半数がロスト、天眼の剣も3割を戦力を失っていた。

「……なんだよこれ……」

頭の中が真っ白という莫大な熱で焼き尽くされた。

その時だった。総作戦会議室のドアが無作法に開けられ、1人の若い冒険者らしき人物が訪れ、服装は少し大きめの私服に白いマント。そして国際ギルド連合軍の印章が付けられている。

「ここのアホ責任者なにしとるん?」

「あ、あ、私……」

私はもう混乱で言葉をひっくり返すのが精一杯だった。

「あんた、既に1000名亡くなっとるんやで。何考えてるん?あんたが無能だとこの国は滅びるで。ワイに任せてくれたら助けたる。報酬はいらへん。せやけど……1000名の命の重さは知るべきやで」

他のパーティ幹部やオペレーターも唖然していた。

「本当に勝てるのか……?」

「嘘言って状況が改善するならいくらでも吐いたるわ。せやけどワイら国際ギルド連合軍第7機動機獣艦隊『冬の終わり』なら勝てるで。信用せぇへんのなら、それでもええ。ただアンタの立場あかんくなるで?」

国際ギルド連合軍……パーティの上は大陸や半島レベルで統括するギルド、その上には国際ギルド連合軍と呼ばれる機動作戦部隊がおり、階層宮攻略と並行して、天災や侵攻時の支援に回る。しかし、来るのが早すぎる……

「……来るの早過ぎないか……?」

「理由はぎょうさんあるけど簡潔にまとめたる。旅行みたいなもんや。機獣操作(アーキテクト・マスター)持ちが20名、魔法強化系統固有スキル持ちが40名、国際聖教聖騎士30名、その他上級クラス冒険者70名おる。せやけど、アンタの許可無しでは武力行使は出来へん。どうする?」

今は彼らを信用するしかない。藁にもすがりたいが、その藁すらないこの状況では、彼らはジョーカーとしか思えなかった。

「……攻撃許可を……無制限に出します……」

「はいよ、アンタら聞いとったな?……火力制圧陣形を形成し、パーティ及び衛兵部隊の撤退を支援。その後速やかに機獣操作部隊による突撃制圧作戦の遷移作戦となる。死ぬのは私が許可しない」

その頃エルザイム最終防衛ラインでは……

「こちら第5班!2名死亡!至急増援、繰り上げ再要請!……おい!聞いてんのか!」

「班長!ケスター副班長が戦死しました……増援は……?」

「通信すらままならない……クソッ!これ以上攻め込まれたらこの国は終わるぞ!!何やってんだ司令部は!!」

班長の俺はとにかく今生きてる仲間だけでも逃がしたかった。だが……民の命は……

その時だった。赤いドラゴン急降下してきた……

「スカーレット・ヴァスタードラゴン……」

俺も彼も死ぬ。もうこの国はおしまいだ。

「助けてよ……母さん……死にたくないよ……」

班長らしからぬ発言なのは分かっていた。そして死を覚悟した時空に紅い閃光がいくつも走り、魔物が貫かれた。

「なんだよ……今度は何だってだんだよ!!」

すると国際ギルド連合軍の制服を着た人達が姿を見せる。

「アンタらよう頑張ったで。とにかく逃げや。後はワイらがなんとかしたる」

「あ、あぁ……!ありがとう!」

すぐに逃げていく時にチラって見えた部隊章は……

「第7機動機獣艦隊……」

「おっ、ワイら知っとんのか。めっちゃ嬉しいわ。アンタらの仲間の分100億倍返ししたるから、死んだ仲間の分まで生きやーよ。おっと、今度はスカーレットゴブリン集団か……アーキテクト!105mm爆裂榴弾!斉射!!」

グォォォォン!!という咆哮と共に外回りの石壁にいた黒い甲殻虫のような機獣(アーキテクト)が背中と思われる所から二門の大砲を出してドドンっ!ドドンっ!と耳が痛くなるような砲撃を実施した。そして俺達20名掛かりでも苦労するスカーレットゴブリン集団80体が一瞬で粉砕された。

辺りを見回すと次々と機獣達が光線を発射し、火砲を撃ち放ち、それでも貫けない結界系の魔物には機獣のみが持つ言われる魔装の神槍を尾部から魔物達を突き刺して殺していた。

「これが……単体部隊人類最強の部隊……」

「照れて集中出来へんからはよ逃げや〜、でもおーきにな……さて、侵攻ボスも来たし、危ないから下がっとき……機獣操作部隊全部隊へ、ボスモンスターの……推定アルデウスを確認。総力で挑め。アーキテクト!連携総攻撃!!スキル解放!!」

彼の中指の指輪が紫色に輝き出した。俺を含めた他の撤退中の仲間も思わず見とれてしまったが、すぐに逃げた。間違いない、あれは希望の光だ。

10分後

「艦隊司令長官?侵攻勢力は殲滅したで。疲れたしお風呂でも入れへんか交渉してーやー」

「副司令、ワイらも風呂入らせてもらいたわ」

「砂風呂有名やしな」

総作戦会議室では……

「せやな、ワイも風呂入りたいで頼んどくわ。というわけで報酬はいらへんは嘘になるけど全員の風呂と食事用意してもらへんか?」

その頃の私の理解は全く反対の方向に混乱はしていたが、すぐに理解はした。

「わかった。最高級の食事と砂風呂を用意する。本当に助かった、ありがとう」

「気にせんでええよ。これがワイらの仕事やし。あーそうそう、亡くなってもうた方への墓と弔い忘れたらアカンで。死霊になったらワイの部隊じゃ勝てへんからなぁ。ほなね〜」

これが人類最強の部隊の1つ……なんとも軽いノリだったが……凄いな……

そこで目が覚めた。

「はぁ……あの時の艦隊司令長官は今頃は大陸管轄官だろうか……」

冷めたコーヒーを飲みながら、あの時を教訓に我が国でも機獣操作スキル持ちを5名雇ったが、あの時のような同時連携攻撃や大規模砲撃は行えない者たちしか集められなかった。

この星には約30億の人類がいるとされるが、人類に敵対的な魔物はおよそ100億から200億いるとされ、そのうち局地人類戦力で対処不能が約2万体、人類総力で対処不能が200体いるとされる。終わりの見えない戦いに勝利の光を求めて、私はこのエルザイムが少しでも強く平和に居られるために策を練る。

こんばんは!黒井冥斗です!週末にもかかわらずご拝読感謝致します!今日はロケットパンチシリーズを投稿してからの初めての週末です。少しPV数などに一喜一憂しております。あまり気にしすぎないのが丁度いいとは思いますが、数字は具体的に分かるのでダイレクトに分析できるのが好きです。ちなみにですがこの機獣ですがアークナイツのMon3trをイメージしてます。今後いくつか種類が出てくるので楽しみにして下さると嬉しいです!それではいい夜を!

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