第11話:雑草食いの美人天才魔導技師
第11話:雑草食いの美人天才魔導技師
ロアノスに向けて、枯れた平原を歩いていき。およそ15kmの道のりは延々に続くとさえ思えた。
そんな時だった枯れた草原に白い物体が目に入る。
近づくと白衣を着た人間らしい。
「あのぉ、大丈夫ですか?」
金髪碧眼の美少女はその綺麗な髪が台無しになっており、酷く荒れていた。
「……お腹……空いた……もう無理……」
俺はとりあえず冒険者必須の探索食の冷たくても美味しいカレーを見せると、金髪碧眼の美少女博士は急に飛び起きて、「食べてもいいのか!?」と聞いてくる。
「いいですよ……どうぞ、あ、でもゆっくり……」
美少女博士は2分かからず食べ切る。
「もっと持ってないか!?私はもう4日も雑草しか食べてなくて、この平原の食べれる野草は食べ尽くしてしまった……礼は出来ることならなんでもする!」
「あー、じゃあこの先の街のロアノスの魔導力学の専門家の露天商を知りませんか?」
「ん?多分私のことだぞ?」
俺はジッと怪しい目を向ける。
「信じてないな?君の固有スキルはなんだい?」
「笑わないですか?」
「笑うものか!命の恩人だぞ!」
俺は深呼吸してからボソッと「ロケットパンチ」と答える。
「おぉ!!なら素晴らしい物があるぞ!約束する!不満のふの字も、存在もないくらい立派な物がある!悔いもさせない!」
余程の自信があるのか、そもそもそんな自信どこから生まれてくるのか疑問に思いながらも焼肉弁当を出すと、1分半でかき込むように食べ切る。
「……ふぅ、お肉は2週間ぶりだ……さて、約束を果たせねばな、着いてきたまえ」
金髪のポニーテールも心なしか綺麗に見え始めた。
そして歩くこと2時間。
街が見えてきた。街の一帯だけ青く草が茂っている。
「あの、お名前お聞きしてもよろしいですか?」
「ん?アーサー・カリオン・ミーナだ。元レオーサー帝国魔導兵器開発主任だ」
「俺はディレオス・アークラーと言います。よろしくお願いします」
「ふむ、掲示板で炊き出しのチラシが無いか見た時にBランクパーティ第7班副班長殺害事件に関与したが無実が出たと噂になっていたな。だが無実なら疑う必要もないだろう」
そのまま街に入ると、怪訝な目を向けられた。関わりたくないという目とか話すのも嫌なレベル目なのは間違いない。
「ミーナさん……もしかして問題住民ですか?」
「そんなことは無いぞ、家を4回追い出されて、誰も住まない墓場に家を建てたくらいだ」
元レオーサー帝国の魔導兵器開発主任はこれを問題住民だと理解できないらしい。
そのまま裏路地に入っては少し大通りに出たら、中通りくらいの道幅を少し進む。
「かなり入り組んでますね」
「このロアノスは長年、ここから2km先にある階層宮から魔物との戦いの最前線になっていた。だから魔物や盗賊が浸透しにくいように複雑に入り組んでるんだ。見えてきたぞ、あれが私のアーサー研究所だ!」
アーサー研究所という白い板に手書きで書かれており、バラック小屋だったが、広さだけはそこそこ大きい。25坪くらいだろうか?
「そこで待っていてくれ。部屋の中は散らかってるからな」
そう言うとミーナさんは研究所に入り、しばらくガタゴトガタゴトという音がした後に何か箱を持ってくる。拳くらいの大きさだ。
「開けてもいいですか?」
「重たいから気をつけたまえよ」
箱を渡されると思わず地面と手が大好きで離れたくないってなるくらいの下がり方をしてしまう。
「重たっ!なんですかこれ……」
箱を開けてみると、青白く輝くオリハルコンのナックルだが、ただのナックルじゃない。ルーン魔法文字も刻まれている。
「ルーン魔法文字で質量と発射速度を強化する魔法をかけてある。これがあれば最弱スキルロケットパンチは第15層の魔物相手でも勝てるだろう!感謝したまえ〜?」
俺は怪しい詐欺じゃないと願いながらはめてみる。
すると急に軽くなり、素早いパンチも打てる。
「なんですかこれ!?凄くないですか!?」
「だろだろ?さて、もう1つ譲渡条件を出してもいいかな?」
「な、なんですか……?」
「今月の魔導通信機の費用を立て替えてくれ」
俺はため息を漏らしながら、当面の生活費とこんな凄いナックルくれたお礼も兼ねて10万ルピーを渡す。
「これはありがたい!当分素晴らしい研究品が作れるぞ!」
「その前に生きてくださいよ。じゃあ俺は住む場所探してくるので」
「予算は決まってるのか?」
「今は収入が絶たれてるので1万ルピー以内ならありがたいですね」
「ふむ。ここは階層宮の近くにあることもあって土地代が安い。私と同じくはぐれ者同士が集まるパーティがある。彼ならすごく良い物件を用意してくれるだろう。この街で最も信頼されてる冒険者だからな」
この街で1番信頼されて無さそうな博士の美少女とこの街で1番信用されてる冒険者が知り合いなのも変な話だと思いながら、酒場に案内される。
すると「いらっ……おい!ミーナ!さっさとツケを払いやがれ!!」
「彼が払う。それよりもレオスはいるか?」
すると奥の席に座っていた冒険者の1人茶髪の短めの髪に赤と金の軽装鎧の冒険者だ。
「どうした〜?ミーナ」
「彼を仲間にしてやってくれ」
「はぁ!?いきなりはさすがに……お兄さん、どれくらい強いとか証明できるか……?」
さすがに神殺しの剣とかロムス家との繋がりを話してレスティアとレスティアの家族には迷惑はかけたくない。
「えーと……世界でいちばん強いロケットパンチが打てます」
酒場が静まり返る。
「あーその……うちはCランクパーティだけどよ、Sランク目指してるんだ。こいつに向かって打ってみてくれ、ストレイド、頼んだ」
「あいよ、リーダー」
見た感じ重騎士という感じだった。
「ストレイドはこれでも元Sランクパーティの重防御騎兵だから信頼してる。お前が仲間に入れたいと思ったら承認する」
「うっす、リーダー。じゃあ兄ちゃん本気で来てくれ」
はぁ……ヤバいよ……俺の必殺の獲物はこのロケットパンチだとずっと思っていたのに、使ったら5m飛んで落ちた。そんなロケットパンチにナックルを付けたくらいで……
笑われ者になるのを覚悟しながら、腰を落とし、拳を回しながら、叫ぶ。
「固有スキル!弾丸殴打「ロケットパンチ」!!」
その瞬間だった、ナックルのルーン魔法文字が光った瞬間だった。俺より手前にあったガラス製の物は粉砕され、木材の床にとんでもない切れ目が入り、ストレイドさんは「待って!!」と言いかけたが重騎士の盾は金属片に変わり、酒場の石壁を貫き、200メートル先の噴水を粉砕して転がっていった。
「……え?」
「うむ、さすが素晴らしい!私の発明は偉大だ!」
レオスさんもその仲間もドン引きしていたが、すぐにレオスさんは駆け寄る。
「兄ちゃん!君名前は!?」
「ディレオス・アークラー……とりあえずお店を……」
「そんなん後だ!俺の仲間になってくれ!俺はお前のパンチに惚れた!ストレイドも仲間が助けに行ったから大丈夫なはずだ。さぁ、我らの拠点に向かうぞ!」
その時、静かな怒りだったお店の壁にヒビが入りそうな声で店主さんがレオスさんに声をかける。
「レオス……ミーナ……弁償はするよな?しなかったら器物損壊だぞ……」
「「ツケで」」
「んなもんツケに出来るか!!300万ルピーを2週間以内に払え!じゃないとギルド法廷に訴えるからな!!」
俺の新しいパーティと街と職場は色々な意味でレベルの違いの仲間と借金からスタートした。こんな事なら神殺しの剣は作らない方が良かったかなと一瞬思ってしまった。
こんにちは!ご拝読ありがとうございます!黒井冥斗です!最近不眠症が再発気味です…まぁカフェインの量が原因だと思います。あまり強い薬は翌日に響くので避けたいですね。なので親戚の方に教えてもらった単純な方法として運動して疲れるという方法をとっております。1番健康的な感じがしますね。お昼寝しちゃう日もあり、その日は寝つきが悪いです笑
それでは、皆様よい週末を!




