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ロケットパンチが神殺しの剣より弱いのは不満なので覆します  作者: 黒井 冥斗
第2章:村の再興は安全保障という難敵がいます
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第36話:動き出す国際ギルド連合軍と吸血鬼達の過去

第36話:動き出す国際ギルド連合軍と吸血鬼達の過去

ギルセイド最高司令官の緊急招集の下で我々人界の天武帝達は集まった。

「貴殿達に集まってもらったのは他でもない。レオーサー帝国と聖騎士議会を潰す一手を打つ」

「して、我らが最高司令官殿、ご命令は?」


陽気な声で問いかけるのは世界最強の究極魔法の使い手エストラール魔神帝だった。


「原初の星火と、我ら国際ギルド連合軍の宝物庫にある零龍乃呪剣「ジーク・レーヴァテス」、始まりの鉄「ビックバン・メタル」、そして……聖薬の呪玉で剣を作る。ディレオス街長と我々国際ギルド連合軍の怒りを老害議会と腐った帝国に示すぞ」


エストラール魔神帝が「ヒュー」と口を鳴らす。無論剣に詳しい俺、ロスターメロイ魔剣帝も思わずにやけ笑いをしてしまう。そして天武帝の中の唯一武闘派ではないヴァンゼル武創帝も高らかに笑う。


「いいねぇ!我らが司令官!原初の星火を炉にくべ、ジーク・レーヴァテスをビックバン・メタルで鍛え、剣の本質は聖薬の呪玉で固めるってか。ゼウス・スローター・カーテナが神殺しの剣なら、この剣は……文明殺しの剣ってところか」

「理解が早くて助かるよ。ヴァンゼル殿」


なるほど……聖薬の呪玉。神が作り出した聖遺物の欠陥品を星火の性質で拡散するわけか。相当な数の屍が出来るな。だが、ディレオス街長は優しすぎる。使わない可能性もあるだろう。


「ギルセイド司令、ディレオス街長が使うとは思わないのですが……」

「ロスターメロイの指摘はもっともだ。だが彼は使わずを得ない。帝国と老害達が神殺しの剣だけで満足しないと……」

「まさか……レイラにまで手を出す可能性があるのか!?異適の根源の力を!?」

「世界を統治したい帝国ならそう考えるのが妥当だろう。ヘカテオール騎士長には伝えてある」


俺もあの異適との決戦には臨んで、しばらくディレオス街にいたがレイラとディレオスは分かち合っていた。優しさ故の大量殺戮……老害達は後悔するだろうな。そしてディレオス本人も苦しい決断を強いられる事は確定か……


「我々がこの中で持っていないのは原初の星火のみだ。場所は特定している。プロメテウス島だ」

「なるほど、それで天武帝総力でプロメテウス島の民族から奪い取ると?」


カリデウス機装帝の質問に最高司令官は異を答えた。


「交渉で済ませる……予定だ。応じなければ武力で奪い取るしかないな。既に特殊工作小隊を派遣して、水源を粗方潰した。マッチポンプなのは承知だが、彼らとの交渉成立後は水源の回復に努める」

「どちらにしろ、我々は悪党か」


世界で数名しかいない吸血鬼の祖の1人、レイドモッド闇光帝が血なのかワインなのか分からない赤い液体を飲みながら呟く。


「先に悪党になったのは向こうの方だ。悪に勝てるのは正義ではなく、それ超える悪なのだよ。さぁ、作戦会議を始めるぞ」

「その前に質問じゃ」

「どうした?紅月の姫君こと、スヴァルテッド死神帝」

「剣の名前は決まっておるのかのう?」

「ここで開示するのも悪くないな。ここだけの話にしてくれ。亡国導剣『バビロジア』だ」


その剣の名前を聞いた時、我々の世代の天武帝と国際ギルド連合軍によって、世界最強の国家が叩き潰されると思うと憎しみの連鎖を考えずにはいられなかった。


ディレオス街、冒険者育成学校建築場にて

「先生、お久しぶりです!」

「教官だ。偉くなったな。ディレオス」

「おかげさまです。あ、今の自分の冒険者の正姿勢見てくれますか?」

「無論だ。見せてみろ」


俺は背筋を伸ばして、両手を背中で組む。


「……60点という所か。背筋を伸ばしすぎて曲がっているのと、手の組み方が違う。精進するように」

「はいっ!教官!」

「声だけは1人前だな。さて、私にここの教官を務めてほしいのか?」


相変わらず交渉とかはせずに、単刀直入な感じか……


「その通りです。聖騎士学校も建つ予定なのでそっちの道も行く学生に光を見せて欲しいのですが……」

「ふむ、全力を尽くそう。私の教え子が世界に羽ばたく姿を見たいからな。そこの聖騎士騎士長も教育の対象か?」

「冗談は勘弁してくださいよ……ミリエル教官」


え!?ヘカテオール騎士長もお世話になってるの!?しかも教官が一度も言わなかった名前まで!?となると年齢は……


「おい、ディレオス。失礼なこと考えただろ?年齢分腕立て伏せしろ」

「はい!教官!1・2・3……」

「さて、ヘカテオールも偉くなったな。お前と試合した時に、僅かにでも背中を見せたのが間違いだったよ。ディレオス、私は実はハーフヴァンパイアだ。1200年生きている」

「30年サバ読んでますね、教官」

「なるほど、ヘカテオールも1230回腕立て伏せ!用意!」


ヘカテオール騎士長も腕立て伏せを始める。鎧だけで数十kgあるのに……


「全く私の教え子達は……とりあえずハーフヴァンパイアである以上魔物の血が入っている。教え子達が恐怖しないように秘密だぞ」

「「はい!!」」

「よし、腕立て伏せ止め。ディレオス、この学校は任せろ。私が優秀な者たちを育てよう」


そのまま教官と分かれ、ディレオス街を散策する。ほとんどの建物が建設中だが、工事の音は神殺しの剣を失った俺には丁度いい子守唄みたいだった。


「ヘカテオール騎士長もここに家を建てるのですか?」

「いずれは……ですがね。ですが私は今は街長の護衛であり、全うする所存であります」

「頼りにしてます。ところでヘカテオール騎士長は射撃は得意ですか?俺の知ってる人で射撃が得意な人は少ないので……」

「人並み以上なら自信はあります。主にカービンライフルなら騎兵上でも200m先でも当てられるかと」


俺は「今度教えてください」と頼むと「私でよければ」と彼は返してくれる。心強いことこの上なかった。

そんな他愛もない雑談をしているとアラム中将が走ってくる。


「ディレオスはーん!少し相談や!」

「どうしましたか?アラム中将」

「北東部がアイスワインを作るのに最高の温度環境なんや。ベリーも育てとるし、ベリーアイスワインは世界中に人気がある。使わなきゃ損や」


俺はアラム中将から見せられた地図で場所を確認する。村の時からそこの洞窟は寒く、夏は避暑地として、よく釣りや1人で探検して怒られた思い入れのある場所でもある。

懐かしさを感じながら、俺ももうお酒を飲む歳なのかと考らえれずにはいられなかった。


「アラム中将、やりましょう。この洞窟は俺にとっては庭のようなものです。より冷えてる場所や新鮮な雪解け水がある場所も知ってます」

「おっ!さすがは我らの街長様やな。そうと決まればすぐに建材移動させるから、何か困ったら連絡させてもらうで。ほなな〜」


アラム中将は走って、建材置き場へと向かう。もう中年だと思うが、小学生のような走り方なのは年齢に負けないコツなのだろうか。まだ20歳未満の俺がこんな事を思うのも変な話ではあるが。


そして邸宅に着き、建築ギルドからの進捗報告書を眺めながら、遅れている現場には支援が必要か問い。それもメモしていく。


「お兄様、レイラが淹れたコーヒーです。お口に合うかは分からないですけど……」

「レイラが一生懸命作ってくれたコーヒーだ。美味しいに決まってるさ」


俺はそう言って、1口飲むと、スッキリとした苦味に、サッパリとした酸味。そしてとても飲みやすい。アイスコーヒーに向いてる気がする飲みやすさは、レイラのバリスタとしての腕は確かめるには充分だ。


そんな時だった……魔導通信機から連絡が入る。かけ主は……


「紅月の姫君……?」

「ヒェッ……」


レイラが突然怯え出し、ガタンと御盆を落とす。


「レイラ!ちょっと部屋を外すからな!」


ディレオス私邸の食堂で通話に応じる。


「遅かったな、新たな国の君主よ」

「レイラが怯えていた!お前は何者なんだ!?」

「そう怒るな。妾も異適と同じく、かつては廃絶されかけた存在じゃからのう。スヴァルテッド・リリフォーナ死神帝、吸血鬼の真祖第三位じゃよ」


それを聞いた瞬間に俺は冒険者育成機関で読んだ吸血鬼の真祖会議の本の内容を思い出す。


「穢れた不死身の呪い……」


そう呟くと彼女はクスクスと笑っていた。

こんにちは!いつもご拝読ありがとうございます!

昨日は寝る前の睡眠導入剤を飲まずに寝て、その前にゲーム実況や軍事無線の参考の為の動画を大量に見ていたらとてもカオスな夢の連続でした…

寝る時くらい安らぎが欲しいものです…それでは皆様、ついに週末です!良い週末を!

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