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ロケットパンチが神殺しの剣より弱いのは不満なので覆します  作者: 黒井 冥斗
第2章:村の再興は安全保障という難敵がいます
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第35話:恥知らずの権力者達との会議

第35話:恥知らずの権力者達との会議

数日後にこの建築中の街に帝国外交団と国際ギルド連合軍の幹部が集まるということで、急ピッチでホテルなどを付け焼き刃で整えさせた。

無論、久しぶりに会ったギルセイド最高司令官の顔色は決して良くないのは想像にかたくない。


「すまない!ディレオス街長!私が……私が無能だから……指揮下にあるはずの聖騎士議会をコントロール出来なかった……」

「頭を上げてください、最高司令官。元より自分はロケットパンチで頂点を目指そうと思ってましたから」

「そして……」


ギルセイド最高司令官の隣で共に頭を下げるのは銀髪に少しぼさついた、中年手前の重装備な騎士だった。


「あなたがヘカテオール騎士長ですか?」

「はい、ディレオス閣下。元SSランク冒険者で、異名はアルデバランの粛清です。固有スキルは背後必殺『バック・デストロイ』なのはご存知かと」

「はい。異名の名の通り、追跡者として背中を見せた相手を確実に殺すという元政府系暗殺パーティにいた事も知っています」


ヘカテオール騎士長は「承知して下さり、感謝します」と伝えてくる。


「俺……私としてはヘカテオール騎士長のせいだとは考えていません。憎むなら帝国上層部とギルド連合軍聖騎士議会だと思っています」

「ご理解感謝します。私も聖騎士議会に異論として持ち上げましたが、老害どもの狙いは別にあるようです」


一瞬会議室の空気が固まった。アリーナ姉さんも驚いた表情をしていることから、かなり機密かつ、恐ろしい事案なのは間違いない。


「聖騎士議会は帝国と組んでます。最高司令官殿も前々から危惧されておられました通り、老害議員達は帝国に買われました。飼われたと言い換えても差し支えないでしょうね」

「私も聖騎士議会と国際ギルド連合軍の分割を進めていますが資金の大半や政治力を持った聖騎士議会は国際ギルド連合軍に不可欠な存在になってしまったのは、私の判断ミスです」


厄介……その言葉が老害議員に支配された聖騎士達を指すには事足りていた。


「ヘカテオールはん、あんたの御先祖様も聖騎士議会の議長やったんやろ?発言権の1つはないんか?」


アラム中将の言葉にヘカテオール騎士長の顔は良好とは言えず、苦しそうに言葉を吐き出す。


「もう議会場にすら、入れなかったですよ。老害達は自分達の楽園と富さえあれば満足のようで」

「全く、聖騎士議会というもんはホンマに使えへんなぁ。ワイも議会場にすら入れんかったわ。アイツらはもはや国際ギルド連合軍の恥やで」


ギルセイド最高司令官が腕時計を見て、「老害とその飼い主のお出ましだ」と言って、我々は背筋を正す。

この会議室はアークラー邸の2階大会議室で最大40名で会議可能な広い会議室だ。

ドアが開かれると肥太ったおじさん達が続々と入ってきて、こちらの返事も無しに席に座る。


「いや〜帝国の外交団の皆様、どうぞ席に座ってください」


聖騎士議会議長のバッジを着けた老害が勝手に席に座るように指示するのが、腹立たしかった。


「ありがとう議長殿。さて……そこの眼帯の少女も交渉材料かな?」


レイラはビクッとして、俺はゼウス・スローター・カーテナを引き抜こうとした。


「団長様、彼女はゼウス・スローター・カーテナの持ち主の妹との事です。おい、ディレオス街長。彼女を差し上げても構わないかな?」

「ご冗談を議長。ここにいる太った豚共を肉塊に変えて、帝国に送り返しますよ」

「き、貴様っ!」

「よせ、議長。ゼウス・スローター・カーテナが手に入らなければ、我々は皇帝陛下に何をされるか分からない。ディレオス街長、失礼した」


そのまま、差し出された絶対的不可侵条約の契約書を眺める。事前にこちらはゼウス・スローター・カーテナがこちらの手元に無い間は侵攻を禁止し、破ればあらゆる選択肢を行使すると伝え、同時に港湾都市の開発も承諾してもらっている。


「内容は……こちらの要望通りですね。では、ゼウス・スローター・カーテナを引き渡したいと思います」


俺は震える手を、なんとか理性で押し殺しながら、両手で持った神殺しの剣を団長に渡す。


「うむ、確かに受け取った。私は鑑定系統スキルの持ち主だが間違いなさそうだな」

「偽物を渡して、この街が亡ぼされるよりはマシだと思ってますから」

「賢明な判断だな。皇帝陛下もお喜びになるだろう……異適の少女は交渉に使わないのかね?」

「妹を交渉の材料に使うほどの頭が無いもんでね。あなた方みたいな変に頭が回る方々とは違いますから」


議長は拳を机に叩きつけるが、今すぐロケットパンチを発射して、この老害長の股間を潰してやりたかった。


「いい加減にしないか!ディレオス!ふざけるのも大概にしろ!」


俺はコーヒーを飲むと一言だけ議長に投げつける。


「あなたの大切な娘さんが酷い目に遭う事は考えられるのに、他人になると考えられなくなる。老人ですね」


議長がコーヒーカップを投げつけようとした時、ギルセイド最高司令官がついにブチ切れた。


「議長!これ以上我々に恥をかかせないでください!もはやこの1件は世界中に知れ渡ってます。国際ギルド連合軍は聖騎士議会の操り人形になってる事が、事実として広まってます。我々国際ギルド連合軍の権力と法的効果が無ければあなた方はただの世界の裏切り者だ。富と引き換えに聖騎士達のプライドをねじ曲げた極悪人として生きることになるぞ」


議長は相当な不満を爆発寸前で抑えて、椅子を立ち、サインだけして会議室のドアを乱暴に開けて、乱暴に閉めて出て行く。

外交団も頭を下げて、部屋を後にする。

俺は真っ先に、レイラの傍に駆け寄り、抱きしめる。


「ごめん、ごめんな……怖い思いをさせて」

「大丈夫だよ……お兄様。ちょっと怖かったけど教団の人間と比べたら平気だよ」


ギルセイド最高司令官がレイラの前で頭を下げる。


「申し訳ございません!レイラさんのようなまだ幼い少女が怖い思いをせずに、好きな事を学べる世界こそ、我々の理想のはずでした……それが私の力の無さで……」

「大丈夫ですよ、最高司令官さん。それよりもレイラからお願いしてもいいですか?」

「やれる事ならなんでもします」

「お兄様に国際ギルド連合軍が用意できる最上級の剣をあげてください。お兄様のロケットパンチは隙が大きいですから」

「国際ギルド連合軍最高司令官として、1人の大人として、約束を果たします」


そしてギルセイド最高司令官はこちらに頭を下げた後に退室する。俺は正直レイラの心の優しさに少し感動していた。


「ディレオス閣下、剣が届くまでの間は私がこの私邸の警備を固めておきます。最高司令官殿は武器の調達に忙しいでしょうから。そして私からも誓わせてください。ゼウス・スローター・カーテナの取り戻し作戦は必ずや、私も協力いたします」

「ありがとう、ヘカテオール騎士長。それまでロケットパンチを強くする為に、修行します」

「そのお言葉恐れ入ります」


会議が終わった後の不気味な静けさの後にレイラは笑顔で応える。


「お兄様!笑顔を忘れちゃダメだよ!レイラが相手になるから、ロケットパンチの特訓開始だよ!」

「あぁ……あぁ!!そうだな!!レイラ先生よろしくお願いします!」

「妹ちゃんに任せなさい!レーチカお姉ちゃんの真似だよっ」


明るい妹の笑顔で、元気を取り戻した俺は、早速レイラと共に庭園で特訓を始めた。レイラが異適の力を少し使い、あの時ゼウス・スローター・カーテナならいとも容易く始末できた呪いの塊に、俺のロケットパンチはあまりに無力だった。

情けねぇな……俺……世界最強だと思っていたが……世界最強の剣に使われていただけだったとは……

ご拝読お疲れ様です!週もいよいよ明日を乗り切れば土日。そんな大変な中で読んでくださり感謝します!

皆様のお仕事やご学業と比べたら些細だと思いますが、マッドレスの室内干しをしたらそれだけですごい汗が出るくらい疲れてしまいました…また筋トレをしようか悩んでおります。皆様もあと1日乗り切りましょう!それでは良い夜を!

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