第32話:大邸宅の完成
第32話:大邸宅の完成
ディレオス街のディレオス邸が出来るまでの2週間はひたすら食事と水の運びをして、ようやくようやく、待ちに待った。我が邸宅、マイハウスが出来た!
「レイラ……俺嬉しいよ」
「レイラも嬉しいよ。お兄様、本当はお父さんとお母さんも住まわせてあげたかったんだよね……」
「そう……だね……でも今を生きなきゃ、やるべき事をしないといけないから。レイラにもお父さんとお母さんに会わせたかったけど、きっと天国から見てるはずだから」
レイラは静かに聞いてくれた。
そしてアリーナ姉さんも遅れて来てくれて、俺の手を握ってくれる。
「アークラー家の新しい家ね。3人で住むには少し大き過ぎるかもしれないわねぇ……誰かに部屋貸してあげる?」
「俺の親友にこの街の聖騎士を務めたいって言ってくれてる方がいるから、彼を住まわせてあげたい」
「もしかしてジョン君?」
「え?」
なんで姉さんが知ってるんだ!?まだ騎士見習いのはずだから情報なんて……
「やっぱりかー。ジョン君は今単体大規模戦闘課程に特別推薦されたよ。あと数週間の訓練をやり遂げれば彼は重聖騎士と呼ばれる主力聖騎士の仲間入りね」
ジョン……やっぱり凄いやつだ。俺なんかよりも立派で、遥かに世のため、人のために動いている。
「ディレオス、私の元上司で最強クラスの聖騎士がここに来てもいいそうよ。呼ぶ?最先任上級聖騎士長のアルテイラー・ヘカテオールっていう方で、今は国際ギルド連合軍の特殊部隊の機動遊撃団の作戦立案司令官を務めてるわ。でも国際ギルド連合軍に見切りを付けたいと言ってるの、どうする?」
「面接だけしてから決めさせて欲しい」
アリーナ姉さんは分かったわ。と言って、いよいよ新居の扉を開く時が来た。
ゴシックな高級木材と不朽の金で出来たドアノブを回し開く。
白い石畳に、複数の階段には赤いカーペットが敷かれており、天井にはクリスタルや天照龍の照玉が常にロビーを明るく照らしている。
「すげぇ……」
「ここがレイラたちの家……」
「大きいなぁ……私が見た家で1番豪華かも……ホテルも顔負けね」
石畳に足を踏み出すとコンコンと足音が綺麗に鳴り響く。
「さぁ、一旦自分達の部屋を整えよう。アリーナ姉さんの部屋は……」
「私はここの警備もするから、2階のロビーの階段が目の前にある部屋にするわ」
「1番大きい部屋だね……流石姉さん」
「私はちゃんと設計図も見るからね〜」
そして姉さんとは2階で分かれて、3階の執務室前の私室と隣のレイラの部屋の前で、なんだか久しぶりの自分一人の空間になる。
私室は黒いカーペットに黒い木材、エンペラーサイズのベッドに、今は空の本棚、最新の魔法型照明。贅を尽くした内装だった。
そして俺が特注で作ってもらった、いずれこの大陸北部にして、この街から3km先の海岸を開拓して、置こうと思ってる戦艦。設計図だけ渡して1/100サイズで作ってもらった全長5mの戦艦にして、実物が出来れば世界最大の戦艦のパシフィック・ハルバード級、そして主砲は8基の51cm三連装砲と無数の飛龍騎士や飛行機獣を撃ち落とす大型対空砲などが無数にある。眺めているだけで幸せだった。
「あぁ……これを完成させたい」
そんな時ドアがノックされ、開けるとレイラだった。
「お兄様〜、何か楽しみにしていた置き物があるって聞いてたけどあの船?」
「そうだよ〜、レイラも見る?」
「うん!見たい!」
レイラはスカートをヒラヒラと揺らしながら、船に駆け寄る。その時可愛らしい白のショーツが見えた気がするが、これがアリーナ姉さんとかにバレたら殺されるので黙っておこう。心のアルバムに保管しておく。
レイラは眺めながら、とんでもないこと言い出す。
「レイラ、木造船作りたい!お兄様、何とかできない?」
「また今度職人さんに相談しておくからね。まずは設計図を描いてからだよ」
「はーい!レイラ頑張るね!」
レイラの将来が楽しみな反面、この街に造船学校も建てようか考え始める。
そのまま俺は自室の隣の執務室のドアを開けると少し長めの8人くらいが余裕を持って座って作業出来そうな長机の先に、両手剣を数本並べれそうなくらい広く大きな机があり、その上には3つの固定型魔導通信機があった。固定型魔導通信機のメリットは声が聞き取りやすく、長距離通話も可能な点だ。そして通信料が少し安い。
「すげぇ……な……」
執務室にさらに入るとワインボトルを置く酒棚やグラス、コーヒー沸かし器がある左側と右側には空の本棚と地図を飾る額面も置いてある。もはや感動の極みの他なかった。
すると1つの魔導通信機が鳴ったので、素早く出た。初めての通信相手は……
「ディレオスか?レオスだ。新築祝いにパーティメンバーで色々用意したから、レイラちゃんと一緒にパーティーでもしないか?ストレイドも色々な食材用意してくれたから、どうだ?」
「ぜひ!鍵は空いてるから入ってもらって構いません」
「じゃあお邪魔させてもらうよ」
そう言って、通信が切れたので、レイラを呼ぶ。
「レイラ〜、パーティの皆が集まったからご飯にするよ」
「はーい!」
黒い髪をなびかせながら、駆け寄ってくる。騎士のような高貴なグリーブと可愛らしいミニスカートの相性の良さに、ニーソとスカートの間の太ももは若々しく、思わずドキッとしてしまう。
「どうしたの?お兄様?」
「いや……スカート長くしてもいいんじゃないかなって……」
「ふーん……見たの?」
「白色だった」
「へぇ〜、お兄様ってそういう所あるんだ。変態さんだね」
どうしてだろうか……俺はロリコンを罹患した記憶はないが、こんなに可愛い子に変態さんだねと言われると何故か嬉しく思ってしまう。
「レイラ、お兄様は疲れてるのかもしれない」
「わかった〜じゃあくっついちゃお〜」
右腕に抱きつかれ、温もりを感じながら、階段を降りていく。
「ディレオス君、だいぶレイラちゃんに懐かれてるね」
レーチカさんの指摘の後にミレーユさんが高級オレンジジュースを見せる。
「レイラちゃんはお酒飲めないから、ジュースを用意したから飲みましょうね」
「うん!ありがとうミレーユさん!」
そのまま、まだ俺も見てない食堂の扉を開けると、ロムス家の懐かしさを思い出すほどの長机と十数席の玉座、壁側には木造船を飾れそうなモダンな脚付きローチェストがあり、中にはコーヒーや紅茶関連の物、カップなどが入りそうだった。
「ストレイドさんは何を作るんですか?」
「よく聞いてくれたなディレオス!最高級の大陸渡り雄牛のステーキのワインソースかけとレーチカが揃えてくれた味に特化しつつも疲れを取る高級香味薬草のパスタと薬草に特製ドレッシングをかけたサラダ、あとレイラちゃんがお好きなアイスパフェを作るぞ!」
「アイスパフェ!?ストレイドさん!楽しみにしてるね!」
ストレイドさんは「任せろ!」 と言って食材と共にキッチンに消えていく。
そして俺が長机の上座に座り、レイラとレオスリーダーが次席、そこから皆が座っていた。
この空いてる椅子にいずれ、優秀で有能な冒険者達が集うと思うと、早くも楽しみで仕方なかった。だけど同時にこのロケットパンチのスキルが、この神殺しの剣である、ゼウス・スローター・カーテナにまだ及ばないのは事実。まだこのスキルで世界最強になったとは言い難い。何かしら自分の努力でこのロケットパンチで、神の摂理を行った神を復讐と共に滅する。その覚悟を決めながら金属の拳を眺めていた。
こんにちは!黒井冥斗です!いつもご拝読ありがとうございます!歯医者で抗生物質が出たけどビールも飲みたいそんな欲求の狭間で執筆しております…
皆さんもアルコールと薬の関係性にはご注意を!それではいい夜を!




