第29話:周りは美少女の花園
第29話:周りは美少女の花園
翌朝、レイラはパンケーキを8枚とコーヒーを2杯飲み、満足そうにチェックアウトした。
朝の街は活気があり、武器商人も多くおり、様々な武器が売られている。
「お兄様、好きな武器買ってくれるんだよね?」
「うん、レイラが選んで」
レイラは街をくまなく歩き続け、彼女から無限の体力すら感じるレベルだ。
「レ……レイラ……ちょっと待って……」
「お兄様疲れちゃった?」
「歩き過ぎだよ……レイラは疲れてないの?」
「レイラは4日くらい歩き続けた事もあったよ」
レイラの異次元な体力を目の当たりにして、とりあえずベンチに2人で座る。
「お兄様、お腹空いた」
「何か食べたいものとかある?」
「うーん、パフェ!」
「太っちゃうし、甘いものはダメだよ」
「えぇ〜……だって歩いた分糖分も必要でしょ?」
一理あるので、俺は何も返せなかった。
「仕方ない……目の前の喫茶店にでも行くか」
「うん!パフェ10ルピーだって!絶対大盛りだよ!楽しみだなぁ」
お店に入るとパンケーキやケーキの甘い香りが漂い、ここ最近甘い香りばかり嗅いでいたせいか、あまりお腹は空かなかった。
席に座り、ウェイターさんが慌ててくる。
「いらっしゃいませ!すみません……ご案内が遅れてしまって……ご注文がお決まりになりましたらお申し付けください!」
「チョコレートパフェといちごパフェ、ローズメロンパフェ、スペシャルパフェと……ブラックコーヒー3杯!お兄様いい?」
「……まぁ滅多にこれるとこじゃないし、いいよ。自分はチーズケーキとコーラをお願いします」
「かしこまりました!お優しいお兄さんですね!」
ウェイターさんが去っていき、俺の後ろの席の男性が一言呟く。明らかに俺に聞こえるように唱えた商談だった。
「星焔の神話剣『ペルセード・ハルパー』なら取り扱っている。この店の裏で待ってるよ。ディレオスさん」
「5000万ルピー出す。防具も一流のものを」
「承知した」
男性は立ち上がり、お会計を済ませて、外へ出る。
「チーズケーキとコーラ、お待たせしました!パフェはあと30分ほどで出来上がりますのでお待ちください」
「「はーい」」
ここのチーズケーキは濃厚で、チーズの旨味をコーラがいい感じに中和してくれた。
レイラが欲しそうにこちらを眺めている……この子は本当によく食べるな……
「ほれ」
「あーん」
パクッと一口で食べ終わり、満足そうな笑みを見せる。この子が幸せになるならまぁいいか。
そしてパフェが運ばれてるとその幸せになって欲しい子の顔は見えなくなった。
「本当に食べ切れるか?」
「大丈夫……モグモグ……だよモグモグ」
そして腕時計を眺めていた後に前向くと左半分のパフェが消えていた。信じられるか?三分でパフェが消えるんだぜ?俺の妹すごくないか?
そして小新聞と呼ばれる宿屋のロビーで購入した文庫本サイズの大きさの4ページの新聞を読み切って、前を向くと右半分のパフェが消えていた。俺の妹は空間が捻れているのだろうか。
村の再興の為の地図を眺めていた。8分ほどだろうか。
「ご馳走様、お兄様」
ハハハ……実質パフェ6個が15分で消えたよ。
そしてお会計は30ルピー、俺が最初に住んだ冒険者向けアパートの1ヶ月分家賃の1/1000。これを毎日一日三食したら、とてもじゃないが冒険者をやってられないし、何より食事代より医者代が高くつくのは間違いない。
お店を出た後にレイラをお店の裏に行ってみようと提案すると快諾してくれた。
「よぉ、ディレオスの兄ちゃん。神々の代行者の直属の武器商人だ。第2班の班長の指示で武器と防具を用意したぜ」
レイラが剣を見た瞬間に目を輝かせて、剣を眺める。
「カッコイイわ!素敵……」
「お嬢さん、この剣は星焔の神話剣『ペルセード・ハルパー』と言って神話から生み出された剣なんだよ。あらゆる魔物を星の焔で浄化した神話が埋め込まれてるんだ」
グリップの先の剣身が鎌のようになっており、鍔からメインの長い剣身は蒼色に白のラインが入った十字剣となっている。ある種俺が今まで使ってきたストライクソードのような周りを巻き込まない使い方が必要だろう。
「お嬢さん、よろしければ防具もいかがかな?」
「見せてください!」
白いビスチェに、紺色の防具付きスカート、金色と白色の金属製のグリーブ、寒冷地でも熱帯でも快適に過ごせる渡りドラゴンの皮膜とアースマンモスの毛皮でできたコートのようなマントを首の前の豪華な金具で止める仕様に、白いつばが長くクラウンと呼ばれる頭の部分に蒼色のバラがついた豪華すぎる美少女装備だった。
「お兄様!買ってください!お願いします!」
レイラが綺麗に頭を90°に下げて、俺は「おいくらですか?」と尋ねる。
「5050万ルピーでどうかな?素敵なお兄様」
「買わせてもらおう。レイラ、武器商人さんにお礼は?」
「あ、ありがとうございます!お兄様もありがとう!早速着付けをお願いできますか?」
「えぇ、当然ですよ。レイラお嬢さん」
10分ほどで調整が終わるあたり、とても慣れている武器商人さんなのだろう。そして、レイラの姿は美少女という言葉では足りないほどの美しさだった。そして服装が可愛らしく作られており、幼さと見事にマッチしている。
「お兄様どう!?」
「……可愛い……ドキドキする」
「フフッ、お兄様。レイラもお兄様カッコイイと思うよ♡」
ウィンクする血の繋がりもない美少女妹レイラは可愛すぎた。
こんな可愛い妹拐われたら大変だと思い、武器商人さんに改めて礼を言った後に、安全な街のアルノス行きの馬車へと急ぐ。
男の視線が凄い……可愛い妹を持つだけでこんなにも視線を自分も受けるのか。
馬車乗り場に着くと大きく争うような声が聞こえてきた。
「だからてめぇがぶつかってきたのが悪いんだろ!」
「アンタが前見てなかったなのも悪いと思わへんのか?」
「俺は酒の看板を見たらそっちに目が行くんだよ!お前が避ければよかったじゃねぇか!」
「すまへんなぁ、酒の看板しか見れへん男が前なんか見れるわけねぇへんしな」
あぁ……アラム中将……こんな所でなんで喧嘩してるんだ?
「レイラ止めてくるね」
「頼んだ。いざとなったらお兄ちゃんも参戦する」
レイラは「お兄様、頼りにしてるからね!」と言ってまだ10代前半の少女が国際ギルド連合軍の主力部隊の1人とよく分からない酔っ払いの喧嘩に割り込む。
「あの……お兄さん達……」
「あぁん!?……可愛いな」
「べっぴんさんやなぁ……」
「喧嘩はダメだよ。仲良くしたらみんな笑顔になれば魔物も来ないよ」
「……せやな。お兄さんすまへんかった」
「いや、こちらこそ……今度は前向いて歩くよ」
そして俺がアラム中将に駆け寄る。
「アラム中将、揉め事は良くないですよ。国際ギルド連合軍の主力部隊の指揮官なんですから」
「おぉ!ディレオスはん、探しとったで。ほんでこのかいらしい子は?」
「レイラだよ」
アラム中将がフリーズする。そりゃそうだろう……階層宮の地下という本来絶対行けないところにいた人類を脅かした異適の力を眼に封じた少女が、こんなに可愛い見た目していたらなぁ……
「レイラはん!ワイと付き合いませんか!?お金では困らせまへんで!」
「アラムさんにはもっと大人っぽい女性が似合いますよ。私にはお兄様がいますから…-ごめんね?」
「ディレオスはん……ワイ不思議に思うんや……なんであんたの周りに美少女が揃うんや……」
「アラム中将も素敵な女性にきっと巡り会えますよ」
「嫌味か!?……まぁ、ええわ。ワイの機獣に乗っておき、巨大建設企業集団がディレオス街作りの交渉がしたいそうや。急いで向かうで」
俺は「わかった」と返し、アラム中将の機獣に乗る。そしてレイラの手を引っ張って乗せると、機獣が嬉しそうに咆哮を上げて走り出す。
「機獣って速いんですね!アラムさん!」
「て、照れるなぁ……ワイの機獣は最高で時速80km出せるで。レイラは……さんがよろしければいつでもどこでも送ります!」
「お兄様を通して、許可を貰ったらね。アラムさん」
「ディレオスはんの壁は高いなぁ……」
あっという間にアルノスに着くと、アリーナ姉さんが出迎えてくれた。
「ディレオス!お疲れ!その……美少女誰?」
アリーナ姉さんの目からハイライトが消えた。そして殺意を感じる声が聞こえる。
「アリーナお姉様!レイラです!お兄様にお召し物と武器を買っていただきました!」
「レイラちゃんなの……?……ディレオス、私達の大切な妹よ。守り抜きましょう」
アリーナ姉さんの瞳の色が炎に変わった……可愛い妹に憧れていたんだ……
その後レスティアにも殺意の波動を向けられたが、妹として引き取ったから恋心は無いと言ったら、「大切な家族なら街と共に守り抜くのよ」と言われ、久しぶりに二人でエスターリア閣下の邸宅でグラインさんが出してくれたコーヒーを二人で飲む。
すみません!遅れました!寝坊です…やることが終わって疲れて眠っていました…申し訳ございません…
今日はお話は中略しようと思います。
また明日皆様に読んでもらえるようにアラームなどをセットしておきます!それでは良い週末を!




